日本公開予定作品『ワンダーストラック』『ラブレス』『ベルリン・シンドローム』

2018年03月16日 00:04

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『ワンダーストラック』(原題:Wonderstruck)  4月6日(金)角川シネマ有楽町他。
「ヒューゴの不思議な発明」の原作者ブライアン・セルズニック原作の映画化、邦訳は出ていない。監督は「キャロル」のトッド・ヘインズ。
1970年代のミネソタと、1920年代のニュージャージー、二つの時代を舞台に、それぞれ大切なものを探す二人の子どもの旅を描く。‥二人の少年少女役以外に、それぞれの母親役を、ジュリアン・ムーア。ミッシェル・ウィリアムズが演じる。
『ワンダーストラック』日本語オフィシャルサイト

『ラブレス』(原題:Nelyubov)  4月7日(土)新宿バルト9他。
「裁かれるは善人のみ」のロシアのアンドレイ・ズビャギンツェフ監督によるサスペンス・ドラマで、2017年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞している作品。
それぞれにパートナーがおり、一刻も早く別れて新しい人生をスタートさせたいと思っている夫婦の一人息子が学校に出かけて、そのまま行方不明になり、夫婦は必死で息子を探すが‥。
『ラブレス』日本語オフィシャルサイト

『ベルリン・シンドローム』(原題:Berlin Syndrome)  4月7日(土)新宿武蔵野館他。
オーストラリア人の女性カメラマンが、ベルリン旅行中に一人の男と出会い、意気投合して、男の部屋に泊まる事になるが、彼女は男によって脱出不可能な部屋に監禁されてしまい、部屋からの脱出を試みるが…。
「さよなら、アドルフ」のケイト・ショートランド監督によるサスペンス・スリラー。主演はオーストラリア女優テリーサ・パーマー。
『ベルリン・シンドローム』日本語オフィシャルサイト

DVD 『ブレードランナー2049』 鑑賞/雑感

2018年03月13日 01:26

正直言って、前作のリドリー・スコット作品の続編としての期待は無く、日本公開された作品は全て観てきたドゥニ・ヴィルヌーヴのSF新作品として鑑賞、『ブレードランナー2049』(原題:Blade Runner 2049)。

ドゥニ・ヴィルヌーヴの作品は「灼熱の魂」を初めて観て、その巧さに圧倒され、立て続けに旧作から、近作の「メッセージ」まで追いかけて鑑賞している当方としては、これは、紛れも無く、「ブレードランナー」の続編であり、ドゥニ・ヴィルヌーヴのSF作品だった、という印象である。

前作から30年後、タイレル社製造のレプリカントが何度も反乱を起こし、製造が禁止され、新たに別企業が、従順な新型レプリカントを製造し、旧型のネクサス8型は、新しいブレードランナーにより、追跡、始末されていた。

この展開に今回、新規に付け加えられた事がある。それはレプリカントには生殖能力があり、又、旧型にも、それがあったという設定である。
…そこから、新たに親子の物語が加わるのだが、これが過去のヴィルヌーヴ作品とシンクロして、いかにも、この監督好みの物語になっている。

ヴィルヌーヴ作品の根底に常に織り込まれている親と子の物語が、今回のこの続編作品でも重要なテーマでもあり、ヴィルヌーヴが本作の監督を引き受けた理由でもあろう。

映像に目新しさが無いとか、時間が長いとか、あげくの果てに、派手なアクションシーンが皆無だとか言って、つまらないという評価をする御仁が結構多いのに驚いてもいる。‥傑作ですよ、これは。

『ブレードランナー2049』日本語オフィシャルサイト

DVD 『エル ELLE 』 鑑賞/雑感

2018年03月10日 00:30

昨年のフランス映画祭で上映されたポール・ヴァーホーヴェン監督の、『エル ELLE 』(原題:Elle)。

ヴァーホーヴェンは、2007年にハリウッドからオランダに戻り「ブラックブック」という傑作を送り出し日本公開もされたが、それからようやく6年後に「ポール・ヴァーホーヴェン トリック」が"未体験ゾーンの映画たち 2014"で上映されたが劇場公開は無く、今回の作品もフランス映画祭後は、東京と京都のみの単館公開となった作品。

原作は「ベティ・ブルー」の著書フィリップ・ディジャンの「Oh...」というフランス語の小説で、映画化後に「ELLE」として英語版が、「エル ELLE」の題名で邦訳版がハヤカワ文庫から発売されているサスペンス小説。

ゲーム会社の中年の女性社長が、ある日突然、自宅に侵入してきた覆面男にレイプされてしまう場面から、物語が始まる。
警察に言わずに自ら犯人捜しを始める冒頭から中盤は、ミステリーっぽい展開を見せるが、後半は観客の予想を裏切る方向に物語がシフトする。

兎も角、この主人公の行動に観客は困惑し、唖然となり、イザベル・ユペールが淡々と事件に対処していく演技に衝撃さえ受け、‥あぁ矢張り、今まで強い女性ばかり描いてきたヴァーホーヴェンの映画なんだと納得させられます。

相変わらず登場する男達はロクでも無く、女達はひたすら強く、予想のつかない展開と、随所に挟み込まれるエロティックなシーン等、紛う方なきポール・ヴァーホーヴェン作品で、そのブラックさと、シニカルさを、充分堪能出来ます。

『エル ELLE 』日本語オフィシャルサイト

14年振りの原尞、沢崎シリーズ最新作「それまでの明日」

2018年03月07日 19:45


1988年発表の原尞氏の正統派ハードボイルド小説、私立探偵、沢崎シリーズの第一作「そして夜は甦る」から、長編4作、短編集1作の計5作品を発表後、14年振りとなる新作が3月1日に発売された。‥シリーズとは言え、前作の「愚か者死すべし」の発表に9年間のブランクがあったので、もう新作は出ないものと諦めていたファンとしては、この出版は望外の喜びだった。

30年の作家生活で、この発表数は本人も「われながら困惑するほどの遅筆」と言っているが、今回の新作発表で、根強いファンの多さが確認され、ご同慶の至りである。
レイモンド・チャンドラーの作品に影響を強く受けた文体。執筆前はジャズ・ピアニストだった事から、物語の通底に常にジャズが流れている感覚が漂い、日本のハードボイルド小説作家として貴重な存在と言える。

で、読了後…、う~む、帯の惹句に書かれた"チャンドラーの『長いお別れ』に比肩する渾身の一作"は、ちと持ち上げすぎの感、無きにしも非ずだが、久しぶりの探偵沢崎との再会を楽しませてもらった。
「長いお別れ」或いは「ロング・グッドバイ」を引き合いに出すと、どうしても今回の話は、小さく纏まり過ぎている感あり。

未だにスマホはおろか、携帯も持たず、インターネットもせず、世の中の嫌煙ブームを嫌うがごとく、ひたすら喫煙シーンがある。まさに時代が変わっても変わらない男、沢崎であるが、小説内でも相変わらず、下の名前は明かされていない。
次回あたりで多少は変わるのかとは思うが、また10年近く待たされる事のないように願っておく。

日本公開予定『トレイン・ミッション』『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』『レッド・スパロー』

2018年03月06日 00:19

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『トレイン・ミッション』(原題:The Commuter)  3月30日(金)TOHOシネマズ日比谷他。
前回の日本公開予定で紹介の「ザ・シークレットマン」に続いて、リーアム・ニーソン主演の作品。こちらは「ラン・オールナイト」でもリーアム・ニーソン主演作品を撮っていたジャウム・コレット=セラ監督によるサスペンス・アクション。
通勤電車を舞台に、始点から終点までのリアルタイムで物語が展開するが、リーアム・ニーソンが元警官だったとか、偶然、妻が電車に乗っていて人質になるとか、ありがちな設定ではある。
『トレイン・ミッション』日本語オフィシャルサイト

『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(原題:Darkest Hour)  3月30日(金)TOHOシネマズ新宿他。
ゲイリー・オールドマンがウィンストン・チャーチルを演じる歴史ドラマ、監督は「つぐない」のジョー・ライト。英国首相就任からダンケルクの戦いまでの4週間、ヒトラーとの和平交渉か徹底抗戦か、究極の選択を迫られる究極の選択を迫られるチャーチルの姿を描く。
オールドマンの特殊メイクを担当したのは、ロス在住の日本人アーティスト、辻一弘。
『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』日本語オフィシャルサイト

『レッド・スパロー』(原題:Red Sparrow)  3月30日(金)HOシネマズ 日本橋他。
「ハンガー・ゲーム」シリーズを撮ったフランシス・ローレンス監督がジェニファー・ローレンスを再び迎えて、ジェイソン・マシューズ原作の同名小説(ハヤカワ文庫から邦訳)を映画化したスパイアクション。
バレリーナを志していた女性が、ロシアの極秘裏機関の一員となり、自らの肉体を武器に誘惑や心理操作などを駆使して情報を盗み出す女スパイ「スパロー」になり、CIAのスパイを探り出す。
『レッド・スパロー』日本語オフィシャルサイト

DVD 『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』 鑑賞/雑感

2018年03月02日 00:32

ジェームズ・ボーエンなるホームレス同然のストリートミュージシャンが一匹の野良猫と出会い、薬物中毒から更正した実話を元に「ボブという名のストリート・キャット」というノンフィクションを出版し、世界的ベストセラーとなり、我が国でも辰巳出版から邦訳が出ている単行本がある。

これを映画化したのが、今回の『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』(原題:A Street Cat Named Bob)である。
まぁ、一応書いておくと監督は「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」のロジャー・スポティスウッド。ジェームズ・ボーエン役は「タイタンの戦い」のルーク・トレッダウェイと馴染みのないスタッフとキャストで、ネット上の紹介では、出演:ボブ(猫)としか書いてないところもある。

事ほど左様に、主演と思える猫を演じているのが、実際のボブという猫なので、そこも話題になっている。…しかし、まぁ、このボブの落ち着いた演技(?)が、風格さえ漂わすキュートさで、観客を魅了する。
映画も、しばしば、猫目線の映像を挟み込んでくるので、猫好きの御仁は絶対やられます。

終盤、出版記念のサイン会に「僕の人生 そのものだ」とサインを求める男性が登場するが、この人が原作者のジェームズ・ボーエン。
これ、もしかしてお遊びで入れた本人登場シーンかよ、と思っていたら、その通りで、エンド・ロールで、ボブとの写真が何枚か出てくるので判ります。

『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』日本語オフィシャルサイト

新旧「猿の惑星」シリーズ、その違い。

2018年02月27日 00:40

リブートとなるシリーズの三作目にして最後(?)となる『猿の惑星:聖戦記』を鑑賞。なるほど、こういう解釈の再起動作品だったんだ、と納得。

開発中の新薬を投与した猿が知能を発達させ、暴れ出して射殺されるが、妊娠中だった為、新薬を投与した科学者が、その赤ん坊をシーザーと名付けて育てる。 成長したシーザーは新薬の影響で、高い知性を得、人類に反旗を翻し、森に隠れて猿の集落を形成。シーザーの教育で猿たちは高度な発展を遂げる。
‥人類は猿インフルエンザの蔓延で文明崩壊、集落内の発電施設を巡って、知能を持った猿たちと戦争状態になる。

要するに、この新シリーズは人類と猿の戦争映画で、思えば旧シリーズの、なぜ地球が猿の惑星になったのか、というSF的設定の凄さ、というか無茶ぶり(原因と結果の因果関係のループ)が無くなって、SFマインドが消滅、只の戦争アクション映画になっていた。

一応、この『猿の惑星:聖戦記』の作中で、ノバと名付けられる発声障害の少女が登場する。‥これ、旧シリーズに登場し、リンダ ハリソンが演じたノバの少女時代なのか、と旧シリーズを観ていた人たちは推察してしまうが、どうやら脚本家にその意図は無いらしい。

話は変わるが、この旧シリーズのリンダ ハリソンって、「恐竜100万年」の時のラクエル・ウェルチに匹敵するセクシーなキャラクターだった。
この人、ティム・バートンが撮った「PLANET OF THE APES/猿の惑星」にも少しだけ登場している。
ティム・バートン版って、"最悪なオチの映画ワースト10"の1位になっているが、実は、あのラストはピエール・ブールの原作に一番近い終わり方になっている。

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DVD 『スイス・アーミー・マン』 鑑賞/雑感

2018年02月23日 00:17

古典落語に「らくだ」という演目がある、"らくだ"というのは主人公のあだ名だが、この主人公、登場時は既に死んでいて、仲間が葬儀をすべく、大家に酒と料理の申し出をするが断られ、この大家の家に死体を運び、文楽人形を扱う要領で"かんかんのう"を踊らせ、大家の度肝を抜かせて、酒と料理を出させる話である。

今回の『スイス・アーミー・マン』(原題:Swiss Army Man)を観て、まず思い出したのが上記の落語だった。
監督がダニエル・クワンとダニエル・シャイナートの二人による初長編作で、このダニエルのコンビに「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフが出演するダニエルづくしの作品で、共演にポール・ダノ、メアリー・エリザベス・ウィンステッドが出演。

無人島に遭難した青年が自殺しようとするが、海岸に流れ着いた男性の死体を発見、死体から出ているガス(おなら)に浮力がある事を発見、その死体に乗って無人島脱出を試みる。‥このトンデモ映画で、ハナから死体役で登場するのがダニエル・ラドクリフである。

いやぁ~、よくこんな役引き受けたな、ラドクリフ。…まぁと言っても彼は「ウーマン・イン・ブラック」や「ホーンズ 容疑者と告白の角」に出演しているホラー好きな俳優ではあるが、それにしてもだ。
「ハリー・ポッター」以来のラドクリフファンの女性は決して観てはいけません、下ネタ満載、下品でバカで、シュールで出鱈目です(そこを楽しむ映画ではある)。

死体にまたがり、ジェットスキーのように海を行くシーンは冒頭のみので、そこにタイトルが被さる。このオープニングまでは、かなり笑わせてくれるが、中盤から死体が喋り出したりするとムムとなり、これは幻想なのかと、オチを邪推してしまうが、どんでん返し中毒の鑑賞者を無視して、ブラックジョークの馬鹿話のまま終わります。

『スイス・アーミー・マン』日本語オフィシャルサイト

DVD 『五日物語 3つの王国と3人の女』 鑑賞/雑感

2018年02月20日 00:02

余り知られてはいないが、イタリアにマッテオ・ガローネという監督がいる。2008年に「ゴモラ」というイタリアの犯罪組織を描いた作品でカンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞している。

その後撮った「リアリティー」という作品でもカンヌ国際映画祭グランプリを受賞しているが、この人が2015年に撮り、2016年に日本公開もされた作品が本作『五日物語 3つの王国と3人の女』(原題:Il racconto dei racconti)である。

バンサン・カッセル、トビー・ジョーンズ、ジョン・C・ライリー等が出演し、17世紀にイタリアで書かれた民話集「ペンタメローネ 五日物語」から三編の物語を元に映像化している。
この原作、後にグリム童話をはじめとする多くのおとぎ話のオリジンとなった世界最初のおとぎ話しとの事で、作品の部類としてはダーク・ファンタジーになる。

まぁ、ビジュアルだけなら、童話を映画化したディズニー映画並なんだが、中身は、かなりグロいし、エロいお伽話展開で、登場人物すべて感情移入出来ない奴らばかり。
‥とは言っても、怪獣怪物の類いが結構登場したり、大道芸の描写や、シュールな場面の連続は、いかにもイタリア映画で、三つの物語が交錯して、人間の狂気と残酷さをしっかり観せてくれる。

但し、登場する女性達は行動的で、男性はクズばかりという、そのまま現代に持ってきても違和感のないお話のカオス感に少々、疲れもする作品ではある。

『五日物語 3つの王国と3人の女』日本語予告編(YouTube)

日本公開予定『The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ』『ザ・シークレットマン』『ダウンサイズ』

2018年02月16日 00:09

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『The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ』(原題:The Beguiled)  2月23日(金)TOHOシネマズ 日本橋他。
「ロスト・イン・トランスレーション」「マリー・アントワネット」のソフィア・コッポラ監督が、クリント・イーストウッド主演作「白い肌の異常な夜」の原作小説を女性視点で映画化し、第70回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞している作品。
ニコール・キッドマン、エル・ファニング、キルスティン・ダンスト、コリン・ファレル等の豪華キャストを揃えている。
『The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ』日本語オフィシャルサイト

『ザ・シークレットマン』(原題: Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House)  2月24日(土)新宿バルト9他。
リーアム・ニーソン主演のサスペンスドラマで、「ウォーターゲート事件」の全容と事件を内部告発したFBI副長官の実話を元に映画化した作品。
リドリー・スコットが製作。監督は「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」のピーター・ランデスマン。
リーアム・ニーソンはFBI副長官役で、その妻をダイアン・レインが演じている
『ザ・シークレットマン』日本語オフィシャルサイト

『ダウンサイズ』(原題:Downsizing)  3月2日(金)TOHOシネマズ新宿他。
「ファミリー・ツリー」のアレクサンダー・ペイン監督が、マット・デイモンを主演に撮ったコメディドラマ。
人間の身体を縮小する方法が発見され、人口増加による環境、食料問題を解決するために「人類縮小200年計画」が立ち上がる。各国でその計画を選ぶ人々が徐々に増えていき、少しの蓄えでも裕福で幸せな生活が遅れる事に希望を抱き、ダウンサイズを決意した平凡な男に起こる悲喜劇を描く。
『ダウンサイズ』日本語オフィシャルサイト


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