日本公開予定作品『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』『アトミック・ブロンド』『婚約者の友人』

2017年09月02日 00:00

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『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』(原題:War for the Planet of the Apes)  10月13日(金)TOHOシネマズ日劇他。
リブート版「猿の惑星」シリーズの「猿の惑星:創世記」「猿の惑星:新世紀」に続く作品。出演はアンディ・サーキス、ジュディ・グリア、ウディ・ハレルソン等、監督は前作と同じくマット・リーヴス。
猿と人類が地球の支配者を決する戦いで、自らの種族を守るべく行動する猿のリーダー・シーザーの心の葛藤を描くSF大作。
『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』日本語オフィシャルサイト

『アトミック・ブロンド』(原題:Atomic Blonde)  10月20日(金)TOHOシネマズ新宿他。
原作はグラフィックノベルの「The Coldest City」、監督は「ジョン・ウィック」シリーズのプロデューサーや「デッドプール」続編の監督も務めるデビッド・リーチ、主演のMI6の女スパイ役にシャーリーズ・セロン、共演にジェームズ・マカボイが出演。
時代はベルリンの壁崩壊直前の1989年。世界を揺るがす最高機密のリストが消えた。イギリスの諜報機関MI6きっての女スパイがリストの奪還を命じられる。しかし、世界中のスパイがリストを狙っていた。
『アトミック・ブロンド』日本語オフィシャルサイト

『婚約者の友人』(原題:Frantz)  10月21日(土)シネスイッチ銀座他。
フランソワ・オゾン監督の最新作、「私の殺した男」の原作としても知られるモウリス・ロスタンの戯曲をアレンジしたミステリードラマ。出演はたピエール・ニネと新鋭ポーラ・ビール。
1919年のドイツが舞台、婚約者を戦争で亡くしたアンナは、その婚約者の墓に花を手向けて泣いている見知らぬ男と知り合う。アンナは次第に彼に惹かれていくが、実は彼はある秘密を抱えていた。
『婚約者の友人』日本語オフィシャルサイト

DVD 『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』 鑑賞/雑感

2017年08月31日 00:01

前回に続いてジャズの映画、前回の「ブルーに生まれついて」でも登場したマイルス・デイヴィスを描いている、『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』(原題:Miles Ahead)。

ドン・チードルが初監督作品として取り上げ、製作も共同脚本も手がけ、自身がマイルス・デイヴィスを演じている。共演にユアン・マクレガーを配し、ライブシーンではウェイン・ショーターやハービー・ハンコックも登場する。

「ブルーに生まれついて」の中でもチェット・ベイカーが、如何にマイルスを敬愛し、且つ恐れていたか判るシーンがあるが、そのジャズ界の帝王が活動を休止していた5年間を描く作品。

自ら監督し、本人役を演じるという、どれだけマイルスが好きなんだよ、というドン・チードルの入れ込みが半端なく、動作から喋り方までマイルスに似せているんだが、何か、物真似番組を見ている気分になる。…「ブルーに生まれついて」におけるイーサン・ホークのチェット・ベイカーの出来の良さを鑑賞した後なので、なおさら違和感あり。

そこへ持って、銃撃戦やカーチェイス等のエピソードを盛り込んだもんだから、思わず"真面目にやれ"と突っ込みたくなるシナリオに唖然。…いやいや、そういうエンターテイメント・サービス期待してないから。

真のマイルスが観たければ、「ザ・マイルス・デイビス・ストーリー」というタイトルのドキュメンタリーDVDが出ているので、そちらをご覧頂ければと思う。
他にも「ベスト・オブ・ザ・コンプリート・マイルス・デイヴィス・アット・モントルー1973-1991」もお勧め。

『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』日本語オフィシャルサイト

DVD 『ブルーに生まれついて』 鑑賞/雑感

2017年08月29日 00:26

最近のジャズを扱った映画、二作品を取り上げる。…先ずは2015年のカナダ・イギリスの合作で、同年、第28回東京国際映画祭コンペティション部門出上映され、翌年2016年秋に日本でも劇場公開された作品、『ブルーに生まれついて』(原題:Born to Be Blue)。

どうも最近は「ラ・ラ・ランド」あたりがジャズ映画だと思っている御仁が少なくないが、あの糞つまらん只のミュージカル映画とか、同じ監督が撮った「セッション」とかをジャズの映画だとは思わないで頂きたい。あの監督デミアン・チャゼルのセンスは……、って、すみません話が逸れました。

閑話休題、『ブルーに生まれついて』は。白人のトランペット奏者でボーカリストでもあるチェット・ベイカーの人気が沸騰した50年代後半から、70年代に活動拠点を欧州に移すまでを描いた作品。
このチェット・ベイカーを演じているのがイーサン・ホークなんだが、先日『ドローン・オブ・ウォー』で彼を観たばかりだが、こちらのイーサン・ホークには魅了された。

ジャズ界では決して、抜きんでた存在ではないが、ウエスト・コースト派の白人ジャズマンとして、歌えるトランペッターとして知られるベイカーだが、麻薬中毒者としての一面の方が有名で、イーサン・ホークは体重を削って、その演技に挑んでいるし、また「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」等の中性的な歌唱も見事に歌いこなしている(ちなみにトランペットの演奏部分の実際の音はチェット・ベイカーの音を被せている)。

この作品ではチェット・ベイカーが欧州に渡る前までが描かれているが、彼は58歳の時、アムステルダムのホテルの窓から転落死している。映画では触れていないが、事故死とも自殺とも他殺とも不明のままで、判った事はヘロインを止めていなかった事だけだった。

『ブルーに生まれついて』日本語オフィシャルサイト

DVD 『ゴースト・イン・ザ・シェル』 鑑賞/雑感

2017年08月26日 00:00

日本での劇場公開時、TVCMがバンバン流れたのが未だ記憶に新しい『ゴースト・イン・ザ・シェル』(原題:Ghost in the Shel)である。

士郎正宗原作、押井守監督のアニメ「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」の実写映画化で、スカーレット・ヨハンソンが主役の少佐役と言う事で、賛否分かれて話題にもなった。

ヨハンソンの(むちむちの)裸体に近いようなコスチュームに惑わされて鑑賞した彼女のファンが多かったらしいが、はっきり言って、そっちが目当てなら、「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」を観たほうが宜しいかと思う…。
彼女のアクションが観たいなら「アベンジャーズ/」シリーズのナターシャ・ロマノフことブラック・ウィドウのほうが、この作品よりはマシな動きがみられる。 、

ビートたけしは、日本語での出演なのだが、セリフが聞き取りづらいのでイラつく。このキャスティングが日本人への迎合だとしたら、失敗と言わざるを得ない。

作品自体もCGが安っぽいので、都市に繰り返し表示される巨大なホログラフィック映像も変にダサいし、あぁ、また「ブレード・ランナー」のパクリかよ…と思うだけ。
はっきり言って、面白いのは冒頭で、ヨハンソンがダイブして、ロボ芸者の居る場所に突っ込んで行くシーンのみなんだが、ここも予告で散々見せられているし…。

まぁ、敢えて誉めるとしたら、押井守の「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」や「イノセンス」等を観ていなくてもストーリーや世界観は、判りやすく作ってあるから、原作やアニメを知らない"攻殻"初心者でも、話について行けるところくらいかな。

『ゴースト・イン・ザ・シェル』日本語オフィシャルサイト

Atist Pickup アンドリュー・タルソーフ

2017年08月24日 00:08

アンドリュー・タルソーフ(Andrew Tarusov)、ロシア産まれのイラストレーターで現在、ロサンゼルスに拠点を置き多方面で活躍中。
ヴィンテージスタイルピンアップが好きで、作品中に、そのスタイルを取り入れる事が多いが、何よりもハリウッド映画とディズニーに関してのパロディ中に、その手法が反映され、セクシーな作品が多く、ファンも多い。
ロシア革命100周年に捧げた"革命"と題された2017年のカレンダーは全てピンナップでまとめられている。

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大人の色気が漂うセクシーなディズニーヒロイン達を描いたり、年をとったアニメ・キャラを描いたり、もし、ディズニーの名作を、ティム・バートン監督が手掛けたら、とかのテーマ別でまとめた作品等、ウィットに富んだ作品も多い。

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Andrew Tarusov -Illustration, Pin-Ups & Animation。    ◎Gumroad Page Andrew Tarusov
Tarusov is creating Pin-Up & Sexy Comics。    ◎Pinterest「Andrew Tarusov」画像

DVD 『ドローン・オブ・ウォー』 鑑賞/雑感

2017年08月22日 00:18

「ガタカ」や「TIME/タイム」等の監督アンドリュー・ニコルが、「ガタカ」以来のコンビとなるイーサン・ホークを主演に描く戦争ドラマ、 『ドローン・オブ・ウォー』(原題:Good Kill)。

2014年の作品になるが、先月「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」を観て、こちらを見逃していたので鑑賞。
どちらの作品も登場するドローンは、最近流行の遠隔撮影用のマルチコプターの事では無く、無人戦闘機、或いは無人爆撃機である。

「アイ・イン・ザ・スカイ---」では無人爆撃機の他にも小型のマルチコプター、それも昆虫型偵察ドローンまで出てくるが、こちらの作品では飛行中の無人爆撃機さえ画面に登場しない。
シーンの殆どがラスベガスの空軍基地に設置されたコンテナ内の映像で、そこに置かれたモニター内の映像のみ、爆撃される側の映像も同様で、クリック1つで指定された敵側の人間を殺戮しても現実感が乏しい。

当然、主人公の元パイロットの少佐が、その任務に悩み、家庭まで崩壊してしまう状況を描いている。但し映画は、その現代の戦争の善し悪しを問うてはいないようにみえる。…アンドリュー・ニコルという監督の資質だと思えるが、重苦しい現実を突きつけて来るだけだ。

映画の出来は「アイ・イン・ザ・スカイ---」のほうが上で、ドラマの面白さが際立っているが、この二作品の時代の最前線での戦争の実態を見ると、従来の戦争映画が、まるで西部劇のように思われてくる。

『ドローン・オブ・ウォー』日本語字幕予告編(YouTube)

日本公開予定作品『プラネタリウム』『ポルト』『愛を綴る女』

2017年08月19日 03:58

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『プラネタリウム』(原題:Planetarium)  9月23日(土)新宿バルト9他。
「美しき棘」のフランス人女性監督レベッカ・ズロトブスキによるミステリアスドラマ。「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンと、ジョニー・デップとバネッサ・パラディの娘リリー=ローズ・デップが姉妹役で共演。
1930年代、降霊術師の妹と、ショーを仕切る姉が、憧れのパリへと向かい、美人姉妹として活躍し話題となる。映画会社のプロデューサーがその活躍に目を付け、リアルな超常現象映画を製作しようとするが、。果たして姉妹の力は本物なのか。
『プラネタリウム』日本語オフィシャルサイト

『ポルト』(原題:Porto)  9月30日(土)新宿武蔵野館他。
製作総指揮ジム・ジャームッシュ、監督は本作が長編劇映画デビューとなるゲイブ・クリンガーで、ポルトガル第2の都市ポルトで再会した孤独な男女を描いたラブストーリー。
主演の男女の女性は新人だが、男優は「ターミネーター4」でカイル・リース役を、「スター・トレック」シリーズでエンタープライズ号のクルー、チェコフ役を演じ、一躍ハリウッド期待の若手俳優となるも、2016年に自動車事故で亡くなったアントン・イェルチン。
『ポルト』日本語オフィシャルサイト

『愛を綴る女』(原題:Mal de pierres)  10月7日(土)新宿武蔵野館他。
日本では新潮社から「祖母の手帖」として邦訳も出ているアグス,ミレーナの小説を、女優としても活躍するニコール・ガルシアが監督した作品。主演は、最近「マリアンヌ」でブラッド・ピットと共演したマリオン・コティヤール。
1950年代、南仏プロバァンスを舞台に、一人の女性の自由への希求と、理想の愛の行方を見つめる究極のラブ・ストーリー。
『愛を綴る女』日本語オフィシャルサイト

『DARK STAR H・R・ギーガーの世界』9月日本公開、同時にアート展も開催。

2017年08月17日 00:02

二年前の2015年4月に当サイトで”『ダークスター:H.R.ギーガーの世界』という映画”のタイトルで紹介した作品が、日本で劇場公開される事になった。

公開邦題名は『DARK STAR H・R・ギーガーの世界』(原題:Dark Star: H.R. Giger's World)。公開日は、9月2日(土)から、東京はヒューマントラストシネマ渋谷。9月9日(土)から東京都写真美術館ホール及び、シネマート心斎橋にて公開される。なお、全国順次の他の地区の予定は下記のオフィシャルサイトから確認いただきたい。

「H.R.ギーガー財団」の公認のドキュメンタリー作品で、監督はベリンダ・サリンという女性。99分のドキュメンタリー作品になる。

なお、同時に、この作品公開記念として、『H・R・ギーガーポスター&アート展』も、タワーレコード渋谷店で開催される。この開催に関しては東京以外での告知は未だない。

折しも、リドリー・スコット監督の「エイリアン:コヴェナント」が9月15日(金)より公開になる。
9月はギーガーファンにとっては、落ち着かない日々が続きそうだ。

『DARK STAR H・R・ギーガーの世界』日本語オフィシャルサイト
『DARK STAR H・R・ギーガーの世界』公開記念 H・R・ギーガー財団公認『H・R・ギーガーポスター&アート展』告知サイト

『回転 ヘンリー・ジェイムズ原作』と『ザ・ダークプレイス 覗かれる女』

2017年08月15日 00:06

前回に続けてヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」の映像化二作品を取り上げる。

最初は2009年にイギリスBBCが90分のTVドラマとして製作した作品、正確な邦題は『回転 ヘンリー・ジェイムズ原作 HDマスター』というサブタイトルまでぶっ込んだ、親切なんだか、適当なんだか判らないタイトルになっている(原題:THE TURN OF THE SCREW)。…監督はティム・ファイウェル、主演はミシェル・ドックリー。

ヘンリー・ジェイムズの原作は、発表後に単なる幽霊譚ではなく、女性家庭教師の性的妄想の上に成り立っているという解釈がなされ、前回紹介のジャック・クレイトン版でも、その解釈を元に映像化されているのだが、実際の部分は映画を観た人間の想像に任せている形になっている。

このTV版は、そこを悪魔的な亡霊を登場させてしまう事により、原作の印象を小さくまとめてしまった。

次に紹介するのは『ザ・ダークプレイス 覗かれる女』(原題:In a Dark Place)。

2006年のイギリス・ルクセンブルク合作映画で日本では劇場未公開作品。…監督はドネート・ロテュンノ、主演はキューブリックの「アイズ ワイド シャット」に出ていたリーリー・ソビエスキー。

現代に移された物語になっているが、原作の何を勘違いしたのか、主役のソビエスキーが余りに肉感的で家庭教師には見えず、おまけに監督はこのソビエスキーの入浴シーンを挟んだり、他にも意味なくセクシーなショットを混ぜてみせる。
おまけに原作のメイドに当たる人間を、同性愛志向の女秘書としてキャラクター付けし、彼女のオナニーシーンまで見せている。…一体、何を考えてんだ、この監督。‥

一応、ヘンリー・ジェイムズの原作を元に現代の話にしました、それだけの映像化ではジャック・クレイトン版の出来には追いつけないので、セクシー路線にしました、…って事らしい。
おかげさまで鑑賞後、憶えているのはソビエスキーの胸の大きさだけだった。

ちなみに、1971年に製作されたマイケル・ウィナー監督、マーロン・ブランド主演の『妖精たちの森』は「ねじの回転」の前日譚で、屋敷の家庭教師と下男の倒錯した関係と、二人の逢瀬を目撃した姉弟の悲劇を描いている。

ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』と映画『回転』

2017年08月12日 00:02

お盆だからという訳ではないが、少々昔のゴシック・ホラーについて書かせていただく。
ヘンリー・ジェイムズというアメリカ生まれだが英国で活躍した小説家が、1898年に発表した中編小説に『ねじの回転』という作品がある。

ゴシック・ホラーの形式をとっているが心理小説の名作として名高い。日本では何度も各出版社から、色々な方の訳で出ているが、何せ古い幽霊譚なので、お勧めはしないが、ゴシック・ロマン系がお好きで未読の方は一度読んでおいて損は無い。

この原作を「年上の女」や「華麗なるギャツビー」を撮ったジャック・クレイトンが1961年に、デボラ・カー主演で映画化していたのが、『回転』(原題:The Innocents)という作品になる。

主人公の女性が田舎町の古い屋敷で家庭教師に雇われるが、その屋敷には、前任の家庭教師と下男が死に、二人が幼い兄妹に取り憑いた幽霊が存在した。

これ、脚色を担当したのが「冷血」のトルーマン・カポーティで、単なるホラー映画にせず、実に見事なゴシック・ホラーの名作に仕上がっている。

未見の方の為に詳細は省きたいが、死んだ男女と、一見可愛いが、ませた幼い兄妹、現在の映画表現でも、何処まで表現出来るか、という内容なので、当然、50年以上前の作品では抑えてあるが、幽霊譚の真実面はエロティック・サイコロジカル・スリラーでもある。

デボラ・カーが広大で薄暗い屋敷の中を蝋燭を4本ともした燭台を持って歩き回るシーンは、現在のホラー映画も顔負けの、怖さと美しさに溢れていて、彼女が徐々に壊れていくのが、その怖さを倍加させている演出が巧い。

二人の子供達の演技も賞賛ものだが、少女役を演じていたのがパメラ・フランクリン。…のちに「ヘルハウス」で女霊媒師役を演じている、

このヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』は後年、再映画化もされ、BBCがTVドラマ化もしている。それについては次回で触れる。


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