ジョン・ル・カレ『誰よりも狙われた男』映画化

2014年07月03日 00:02

スパイ小説の巨匠、ジョン・ル・カレが昨年発表の新作『A Most Wanted Man』、早川書房より昨年末に『誰よりも狙われた男』のタイトルで邦訳が出ているので既読の方もおられると思うが、御年82歳の著者の新作は、9.11以降の諜報戦を描いている(原題は"最重要指名手配者")。

ドイツ、ハンブルクに密入国した全身に傷跡のあるチェチェン出身の若きロシアの若者。トルコ人一家にかくまわれ、慈善団体の女性弁護士の支援を受け、英国銀行の頭取に会う。彼の目的は父の莫大な預金を抑圧された民族の為に提供する事、彼の強制送還を阻止すべく立ち上がった女性弁護士は国際的なスパイ戦に巻き込まれて行く。

娯楽スパイ小説ではないので派手な場面は殆ど皆無、それでも面白いのはさすがにル・カレ、日本人にはわかりにくい部分もあるが、ラストで苦いどんでん返しが待ち受ける。

この映画化での監督がアントン・コービン。ロック・フォトグラファーであり、「ラスト・ターゲット」(原題:THE AMERICAN)の邦題で日本公開もされた、ジョージ・クルーニーを伝説のスナイパーに据えた作品の監督である。この作品、さすがフォトグラファー出身だけに舞台となるイタリア南部の映像はキレイだったが、語り口はややぎこちなかった。今回の予告編でも映像の美しさは確認出来るが、ル・カレの複雑な物語設定を如何に映像で語るか本編で確認したいところだ。

今年2月に薬物の過剰摂取が原因で46歳で死去したフィリップ・シーモア・ホフマンが重要な役にキャスティングされている。その他の共演者に「パッション」のレイチェル・マクアダムスやロビン・ライト、ウィレム・デフォー等。アメリカ公開は7月25日だが、日本公開は未定。

『A Most Wanted Man』オフィシャルサイトと予告編はこちら


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