アルトマンとシェリー・デュヴァル『三人の女』『ポパイ』

2014年05月24日 07:40

前回の「ロング・グッドバイ」の記事に続けて、監督ロバート・アルトマンが見いだした女優シェリー・デュヴァルと、その出演作品『三人の女』『ポパイ』について…。

アルトマンが「バード★シット」(原題:BIRD★SHT)に、自身が見つけてきたシェリー・デュヴァルをデビューさせたのは1970年、彼女が一躍注目された「シャイニング」の10年前になる。
その後「ギャンブラー」「ボウイ&キーチ」「ナッシュビル」と立て続けにアルトマン作品に登場。初めて主演級にキャスティングされた作品が『三人の女』(原題:3Women)だ。

この『三人の女』、アルトマンが1977年に製作した(彼の作品中では)異色作品。日本公開は8年後の1985年(「シャイニング」公開の後)で、もう一人の主演女優が、「キャリー」のシシー・スペイセクという、ある意味最恐のホラーかと勘違いしそうな組み合わせ作品。
内容は、アルトマンが、ベルイマンの「仮面/ペルソナ」にインスパイアされて撮ったという不思議映画で、監督自身が「解釈は観る人に任せる」という作品なので、淡々と状況が描かれるのみで、一切説明はない。
但し、これが結構面白い、不思議女優二人の演技の絡みを楽しむだけでも退屈しないし、鑑賞後、いつまでも脳裏に残る映画になっている。
なんと、日本語版DVDが発売されたのは2012年になってからという作品でもある。

『ポパイ』(原題:Popeye)。コミック・カートゥーンを元にフライシャー・スタジオがアニメ化して日本でも有名になった作品を実写化した1980年製作の作品。
コミックの実写化が今のように盛んになる遥か前に創られたアルトマンの実験的コメディ映画で、ポパイを当時新人のロビン・ウィリアムズが演じ、シェリー・デュヴァルがオリーブを演じている。ちなみにブルート役はポール・L・スミス。

この映画、兎も角、ポパイよりも、シェリー・デュヴァルにオリーブを演じさせたくて撮ったんじゃないのか、と思わせる程、彼女が適役で、呆気にとられます。
今なら、3DのCGアニメで処理するところだが、当時(30年以上前)の技術では、それも叶わず(YouTubeやニコ動あたりで低解像度のシーン集みたいなものが見られるけど)、チープな仕上がり感は否めない。

しかしキャラクターの動きまで、フライシャー・アニメに忠実で、一度はご覧あれと言いたいところだが…
なんと、日本語版DVDは、いまだに発売されていないという作品でもある。


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