アイラ・レヴィンの小説と映画化作品 その3

2014年02月04日 00:13

アイラ・レヴィン原作の映画化作品と小説の話、その最後。

『硝子の塔』(原題:Sliver)
レヴィンの原作ながら、シャロン・ストーン主演で映画化されたため、その前年に公開された「氷の微笑」の亜流のような扱いを受けたエロティック・サスペンス・ミステリー。
ニューヨークに住む主人公の女性編集者が、同棲生活に破れ、心機一転マディソン・アベニューの21階の高層マンションに引っ越すが、そのマンションにはとんでもない秘密があった。建物のオーナーがすべての部屋に高性能ビデオカメラを取り付け、住人の私生活を覗いていた。
原作も傑作とは言い難いのだが、映画の出来も中途半端。もうひたすらシャロン・ストーンにエロいシーンを演じさせたかっただけにしか見えない。シャロン・ストーンの露出度のみが目当てなら、間違いなくお勧めの作品。

『ローズマリーの息子』(原題:Son of Rosemary)
前作「ローズマリーの赤ちゃん」から33年後の物語。ニュージャージーの病院で27年間の昏睡状態から目覚めたローズマリーは58歳だった。
そんな、オイオイな出だしで始まるアイラ・レヴィンの最後の小説発表作にして、最大の失敗作。
ローズマリーの息子、アンディはキリストが処刑された時に同じ33歳、時は西暦2000年。アイデァは凝ってても、前作のファンを置いてきぼりな設定が…、そして全てをひっくり返す禁断のオチが…。
実は映画関係者の要請で書かれた物語にも関わらず、映画化はされず、米ABCのTVミニシリーズになっただけ。
ちなみに「続・ローズマリーの赤ちゃん/悪魔の子が生まれて8年が経った…」という、勝手な続編も、TV映画としてレヴィンに無断で制作されている(未見)、勿論ローズマリー役もミア・ファローではない。

『デストラップ・死の罠』(原題:Deathtrap)
最後に取り上げるのは小説ではなく戯曲の映画化作品。これは二転三転する展開を楽しむミステリー劇で、監督は「狼たちの午後」「評決」のシドニー・ルメット、主演はマイケル・ケインとクリストファー・リーヴ。
舞台劇で、しかもマイケル・ケインが出演し、二度映画化されたアンソニー・シェイファー原作の「探偵スルース」「スルース」と状況設定や、どんでん返しの連続が似ているので、どうしても比較されてしまうので、分が悪い。
監督のシドニー・ルメットも、いつもの社会派作品から外れてユーモアも含めた軽妙な造りになってはいるが、如何せん後半がもたつく。「探偵スルース」を観ていなければ、ドンデン返し連続の展開は楽しめるかも知れないが…


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