アイラ・レヴィンの小説と映画化作品 その2

2014年02月01日 02:18

前回に続いてアイラ・レヴィン原作の映画化作品と小説の話を…。

『この完全なる時代』(原題:This Perfect Day)
デビュー作がミステリー「死の接吻」で、二作目がゴシックホラー「ローズマリーの赤ちゃん」。そしてこの三作目がSFである、実に何でも書く人だ。「ローズマリーの息子」と並んで映画化はされなかった作品でもある。
コンピューターに管理された未来社会を描いているが40年以上前なので、今読むと目新しさは無い。
戦争、飢餓、疾病が絶滅し、人々はブレスレットで個人を識別され、結婚、妊娠、出産さえ管理されていた。人類史上初めての完全な平和の裏に潜んだ人類の悲劇を描いた作品。


『ステップフォードの妻たち』(原題:The Stepford Wives)
映画化邦題「ステップフォード・ワイフ」として、こちらも「死の接吻」同様、二回映画化されているが、知られているのはフランク・オズ監督、ニコール・キッドマン主演版である。
最初に映画化されたのはキャサリン・ロスが主演したほうだが、キッドマン主演版とはやや雰囲気が異なるらしい(未見)。
後発のオズ監督版はコメディ調でややブラックな味わいもある造りになっているが、ミステリーの要素も少なく、サスペンス感もひねりも無い。
ひたすらポップでキッチュでファッショナブルな画面が連続するフランク・オズらしいファンタジー映画になっている。
唯一、若き頃のニコール・キッドマンの美しさを堪能出来るが、彼女の、最近作「ペーパーボーイ 真夏の引力」でのビッチぶりを観ると隔世の感がある。

『ブラジルから来た少年』(原題:The Boys from Brazil)
原作も映画も「ローズマリーの赤ちゃん」と双璧の面白さのSFミステリー作品。実在したナチの主任医師ヨーゼフ・メンゲレの悪魔的計画を描く、ある意味「ローズマリーの赤ちゃん」と共通するテーマの作品。
映画は「パピヨン」のフランクリン・J・シャフナーが監督し、メンゲレをグレゴリー・ペック、彼を追い詰めるユダヤ人リーバーマンにローレンス・オリヴィエという二大俳優を配している。

今となってはクローン計画の描写に、現在の科学技術とは違う部分があるが、37年前の原作で、世界で初めてクローン羊のドリーが産まれるのは、この小説発表の20年後である。
サスペンス感の組み立てが実に巧く、古さは否めないものの、今でも、原作、映画共に面白く、展開に引き込まる。映画は我が国では劇場公開されず、TV放映のみで後にビデオソフトが販売されている


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