『サイド・エフェクト』 鑑賞雑感

2013年09月17日 00:10

いやぁ、良く出来たシナリオだわ、これ。『サイド・エフェクト』(原題:Side Effects)、スティーヴン・ソダーバーグの引退宣言により、彼の最後の劇場用映画と言われている作品(TVの世界への転身を表明)。
脚本は「コンテイジョン」でもソダーバーグとコンビを組んだスコット・Z・バーンズによるサスペンス・スリラーで、"ソダーバーグ監督が突きつけるヒッチコックへの挑戦状"なる宣伝文句が使われているが、その表現はチト違うんじゃないかい。

多分、この脚本で別の監督が撮ったらヒッチコック・タッチの作品になると思われるが、ソダーバーグの撮り方はケレン味を排したリアルな映像の積み重ねにより、じわじわと観客を引き込むスタイルで、緊迫感に溢れていながら、実に静的なイメージのスリラー作品になっている。
殺人事件を起こした人妻と、精神科医の対話シーンで、その静的スタイルによる演出が際立っていて、被写界深度の浅い画面でピントを交互にズラしての数秒のカットバックが傑出した出来。

出演陣も素晴らしく、主人公の精神科医を演じるジュード・ロウと、女性博士役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズが嵌まり役の名演。殺人事件を起こすうつ病の人妻役を、デヴィッド・フィンチャー「ドラゴン・タトゥーの女」でリスベット役に抜擢されたルーニー・マーラが演じているが、如何にも精神面で問題ありそうな、いっちゃってる女性を熱演している。

題名が薬の副作用を指す事から、新薬や製薬会社の事情や陰謀が絡んだ話でもあり、実在、もしくは架空の薬品名が次々と出てくるが、薬品会社界の裏の謀略もストーリーに絡んでくるので、そこら辺りの社会的怖さの問題も含んだ、見事なサスペンスになっている、お勧め。


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