ニール・ジョーダン『オンディーヌ 海辺の恋人』

2013年05月07日 00:13

2010年の6月だから、ほぼ3年前になるが、当サイトで"ニール・ジョーダンの新作『オンディーヌ』"として紹介した作品が、東宝から今年3月にDVDでダイレクトリリースされていた(迂闊にも気づきませんでした)。

『オンディーヌ 海辺の恋人』(原題:ONDINE)。監督・脚本ニール・ジョーダン、主演コリン・ファレル、2009年のアイルランド映画。
コリン・ファレル演じる漁師のトロール船のネットにかかった美しい女性。彼女は何者か? 
彼女を北欧のセルキーと呼ばれるアザラシの精だと信じる漁師の娘アニー。腎臓を患い透析療法を必要とする娘と漁師と謎の女、三人の生活が始まった時から、漁に出て大漁になる等、思いもかけぬ事が起こり始める。
果たして彼女はほんとに"海の精"なのか? 観客にファンタジーなのか、リアルな物語なのか明かさぬまま、ゆっくりとミステリアスに進行する展開は悪くない。

アイルランド沿岸の何処か陰鬱でいながら幻想的な風景と、謎の女が海から顔を出して陸に上がって来るシーンの美しさを撮影したのはクリストファー・ドイル。いかにもニール・ジョーダンらしい映像は、彼とのコンビによる功績が大。

物語の冒頭は、日本にも多く伝承される異類婚姻譚ではないか…と思わせ、ファンタジー色が濃いのだが、終盤、女の正体が明かされると、サスペンス・ミステリータッチに転じる。
ここで作品の雰囲気が壊れずに、きっちりとファンタジーの枠組みの中で物語を終わらせる巧さは、やはりニール・ジョーダンならではだ。

同じクリストファー・ドイルの撮影による、M・ナイト・シャマラン監督の"水の精"を扱ったファンタジー「レディ・イン・ザ・ウォーター」と比較する迄もないだろう。


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