『LOOPER/ルーパー』鑑賞・雑感

2013年01月22日 00:13

左画像は日本公開された『LOOPER/ルーパー』のチラシの裏。"革新的SF誕生"だの"マトリックス以来の衝撃"だの、の文字が有るが宣伝文句は、謳われている半分、…いや、それ以下に受け取った方が宜しいようだ。

と言う訳で、遅ればせながら『LOOPER/ルーパー』のレビューをば…。
前半の主人公のモノローグが加わって展開する導入部は結構いい感じで、状況やら、"ルーパー"のシステム等を一気に説明しながら、後半の展開への伏線も少々加えて、スピーディに進み、期待を抱かせるのだが、中盤の30年後の自分が現れてからの話で、テンポが一気に崩れる。
終盤に至っては、「エッ?そっちなの!」と言う方向に持って行かれる。

タイムトラベル上の最大の問題、因果律の矛盾"親殺しのパラドックス"を捻った、未来の自分殺しをテーマに据えながら、タイムパラドックスを描くつもりが毛頭無い事は、登場人物達のセリフに織り込み済みで「タイムトラベルについては話したくない…どうでもいい」と云わせている。
なるほど因果関係の論理パズルは、頭が痛くなるから止めよう、というシナリオなら、エンターテイメントに徹して、少々の矛盾には目を瞑って楽しむか、と観る側が姿勢を変えると、中盤から話がグタグタになる。

現在の主人公と、未来の主人公を、取っ替え引っ替え描きながら、さらに時系列を入れ替えた描写が加わり、そこへ後半の核となる少年と、その母親の話も絡んで、結末へ向かってひたすら迷走。
観客は筋立ての面白さを堪能するどころか、行き先の違うバスに乗せられて、窓の景色の違和感に戸惑い、タイムトラベルSFを楽しむつもりが、超能力SFという終着点に運ばれる。

気負って、詰め込み過ぎた脚本を、もっと削ってくれれば、素直に楽しめるエンターテイメントSFになっていたかも知れないのに残念。


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