『私が、生きる肌』と『SHAME -シェイム-』

2012年12月25日 00:14

今年劇場公開された18禁になってもおかしくない作品と18禁の作品、問題作でありながら佳作の2作品をようやくDVDで鑑賞したので、ちと記しておく。

『私が、生きる肌』(原題:La Piel Que Habito)  ◎オフィシャルサイト

本年5月に公開され、18禁になってもいいのに通常公開されたスペインのペドロ・アルモドバル監督作品。
"妻を失った天才医師が、自ら開発した,<完璧な肌>を移植して妻そっくりの美女を創り上げる"、それって「顔のない眼」とどう違うんだ、と思ったら、そのフランスホラー映画の傑作にインスパイアされ、「蜘蛛の微笑」という外科医が主人公の倒錯的小説を得て、アルモドバルが映画化した作品。

未見の方の為にネタばれは避けて書くが、交錯する時間軸から顕わになってゆくのは、アントニオ・バンデラス演じる天才形成外科医の目的が、只の"失った妻の再生"ではなく、衝撃的にしてド変態な目的を持ち、復讐心を含んだ倒錯的狂気である事が判る展開で、ミステリー映画として観ても面白い。

ネット上の感想、評論等を見ると、ストーリーをネタバレしているモノが多く、そこら辺りには目を通さないで鑑賞されたい。見事な重ね方の構成の末に、最後に現れる衝撃の真実に唖然となります。
いやぁ、凄い話で「ギョエ~」な真相を知ると、しばらく映像の数々の断片が頭から離れません。

『SHAME -シェイム-』(原題:Shame)  ◎オフィシャルサイト

こちらは今年3月劇場公開、マイケル・ファスベンダーがSEX依存症の男を演じてR-18指定がついた。
監督はスティーブ・マックイーン(同姓同名の俳優では無い)。
兎も角、全編SEXシーンの謳い文句の作品で、ヴェネチア国際映画祭をはじめ多くの賞を受賞という内容で、一応話題になった映画なんだが、そういうシーンを期待したり、筋書きや、物語の起承転結を求める人には絶対向かない映画。

エドワード・ホッパーの絵画を思わせる色調と構図で映像は美しく、長廻しのカメラで延々と映し出されるNYの街並み、それに被る音楽と、精緻に配置されたシーン。救いのない物語は観る者の心を寂寥感で埋め尽くす。そして結局、何も明かされない、何も説明されないまま、何も変わらないラストへ…。
良い映画で個人的には好きな部類なんだが、かなり観る者を選ぶ映画なので、一概にお勧めはしない。
マイケル・ファスベンダーも勿論なんだが、助演のキャリー・マリガンの演技が素晴らしく、カメラを固定して彼女のアップのみで続く「ニューヨーク・ニューヨーク」の歌唱シーンが秀逸。


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