キャリー・ジョージ・フクナガ、S.キング『IT』

2012年06月21日 00:10

キャリー・ジョージ・フクナガ 父親は日系三世。米国籍の脚本家で、2009年に『闇の列車、光の旅』(原題:Sin nombre)で長編映画を初監督。これはスペイン語によるメキシコと米の合作映画で、いくつかの映画祭で賞にノミネートされ、サンダンス映画祭では監督賞も受賞している作品。

南米のホンジュラスで暮らす少女とその家族が、よりよい生活を求めてアメリカを目指す。そんな中、彼女は移民でひしめき合う列車の屋根でひとりの少年と出会う、少年はギャング団から逃れてきたいわばチンピラで、二人の話が交互に進行する(このギャング団の顔面を含む全身タトーが凄い)。

移民たちの過酷な現実を描く社会派ロードムービーで、題材の地味さと内容の暗さから、敬遠されがちな作品だが、これがドキュメンタリーのような映像で構築された佳作で、越境、移民、逃避行等を絡めた物語で展開する、ある意味、切ないラブストーリーでもある。

キャリー・フクナガがこの後に撮った作品が、現在我が国で公開中の『ジェーン・エア』で、本サイトのこちらで日本公開作品として紹介済み。当方は未見だが、何度も映画化されたシャーロット・ブロンテの原作ながら評価は悪くないようだ。

さて、そのキャリー・フクナガが『ジェーン・エア』の後で、製作すると発表されたのが、なんとスティーヴン・キングの『IT』なので少々驚いた。

キング作品映画化のリメイクでは「キャリー」「ファイアスターター」「ペット・セメタリー」等が予定されていて、『IT』も1990年にTV映画(画像:右)として製作されている作品。原作はキング作品中では最高に面白いのだが、このTV映画、前半はそこそこの出来だったが、後半で、しょうも無くつまらなくなった失敗作だった。

キャリー・フクナガの『闇の列車、光の旅』から『ジェーン・エア』と続くベクトルが、まさかキングの『IT』へ向かうとは思わなかったので、意外だったが、良く考えれば、そんなに外れてはいないのかも知れない。
キャリー・フクナガと脚本を共同執筆するのが「デューン」を手がけたチェイス・パルマーで、ハリウッド版「呪怨」シリーズや「ミッシング IDの製作陣がからみ、幼少期とその30年後の二部構成の大作にするらしいから期待は出来そうだ。
但し、90年のTV映画も前後編の作品で、後編の青年期に入っての展開で失敗しているので、同じ轍を踏まないように願っている。


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    キャリー・ジョージ・フクナガ 父親は日系三世。米国籍の脚本家で、2009年に『闇の列車、光の旅』(原題:Sin nombre)で長編映画を初監督。これはスペイン語によるメキシコと米の合作映画で、いくつかの映画祭で賞にノミネートされ、サンダンス映画祭では監督賞も受賞してい...



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