DVD 『ミッドサマー』 鑑賞/雑感

2020年09月16日 16:23

どうしても自分の趣味に合わない、というかその作風が好きになれない映画監督というのが何人か居て、例えばオリバー・ストーン、強いて挙げてデヴィッド・リンチ等。ここへ来て一人増えた、アリ・アスター、『ミッドサマー』(原題:Midsommar)の監督である。

長編デビュー作「ヘレディタリー 継承」についで撮った二作目。大学で民俗学を研究する恋人や仲間たち数人でスウェーデンを訪れる、"90年に一度の祝祭"が行われるという夏至の季節、研究のため参加した奥地の村は、花が咲き乱れ、人々は歌い踊る楽園のような場に見えた。

この太陽が沈まない明るい村を舞台にして、それでも何か怪しい雰囲気が見え始める冒頭は結構サスペンス感があって引き込まれる。暗闇では無く、陽光の下で徐々にホラーに転じて行く物語を、この監督は観せたかったらしい。
ストーリーはやがてグロテスクな展開となり不気味な雰囲気なまま、ラストはエロティックさも加えて救いようのない展開になる。

残念なのは、この手の全員カルト集団の村を描いた作品は先駆的な作品があり、1973年に脚本アンソニー・シェーファー、監督ロビン・ハーディによる「ウィッカーマン」というイギリス映画があり、2003年にはニコラス・ケイジ主演でリメイクもされている。

「ヘレディタリー 継承」もそうだったが、不穏な空気から徐々にオカルティック・ホラーな方向に転じるが、行き着く先は嘗てどこかで観た作品に酷似している、という設定にオリジナリティを感じる事が出来ないのが、この監督を好きになれない原因だと思う。

『ミッドサマー』日本語オフィシャルサイト


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