ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』と映画『回転』

2017年08月12日 00:02

お盆だからという訳ではないが、少々昔のゴシック・ホラーについて書かせていただく。
ヘンリー・ジェイムズというアメリカ生まれだが英国で活躍した小説家が、1898年に発表した中編小説に『ねじの回転』という作品がある。

ゴシック・ホラーの形式をとっているが心理小説の名作として名高い。日本では何度も各出版社から、色々な方の訳で出ているが、何せ古い幽霊譚なので、お勧めはしないが、ゴシック・ロマン系がお好きで未読の方は一度読んでおいて損は無い。

この原作を「年上の女」や「華麗なるギャツビー」を撮ったジャック・クレイトンが1961年に、デボラ・カー主演で映画化していたのが、『回転』(原題:The Innocents)という作品になる。

主人公の女性が田舎町の古い屋敷で家庭教師に雇われるが、その屋敷には、前任の家庭教師と下男が死に、二人が幼い兄妹に取り憑いた幽霊が存在した。

これ、脚色を担当したのが「冷血」のトルーマン・カポーティで、単なるホラー映画にせず、実に見事なゴシック・ホラーの名作に仕上がっている。

未見の方の為に詳細は省きたいが、死んだ男女と、一見可愛いが、ませた幼い兄妹、現在の映画表現でも、何処まで表現出来るか、という内容なので、当然、50年以上前の作品では抑えてあるが、幽霊譚の真実面はエロティック・サイコロジカル・スリラーでもある。

デボラ・カーが広大で薄暗い屋敷の中を蝋燭を4本ともした燭台を持って歩き回るシーンは、現在のホラー映画も顔負けの、怖さと美しさに溢れていて、彼女が徐々に壊れていくのが、その怖さを倍加させている演出が巧い。

二人の子供達の演技も賞賛ものだが、少女役を演じていたのがパメラ・フランクリン。…のちに「ヘルハウス」で女霊媒師役を演じている、

このヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』は後年、再映画化もされ、BBCがTVドラマ化もしている。それについては次回で触れる。


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://coelacanthnote.blog9.fc2.com/tb.php/1417-a6d97e70
    この記事へのトラックバック


    最新記事

    プライベートリンク

    ------------------------------------------------------------