DVD『さざなみ』鑑賞/雑感

2017年06月29日 00:03

原題は45年、結婚45周年目の夫婦を描き、ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞を筆頭に、各国の映画祭や映画賞で高い評価を得た英国の人間ドラマ。監督は「ウィークエンド」でゲイの世界を描いたアンドリュー・ハイ、『さざなみ』(原題:45 Years)。

主演はシャーロット・ランプリングとトム・コートネイ。…シャーロット・ランプリングについては先日、「さらば愛しき女よ」の記事で取り上げているが、トム・コートネイは嘗て「長距離ランナーの孤独」で反抗し怒れる若者を演じ、鮮烈なデビューをした俳優である。…この二人が老夫婦を演じる、と言う設定に、時代の流れを感じつつ興味深く鑑賞。

50年前に氷山で行方不明になった夫の元恋人の遺体が発見されたという、1通の手紙が夫婦のもとに届く。夫の若き日の恋人は、永遠に27歳のまま氷に瞬間冷凍されているという。夫はその時から過去の恋愛の記憶を反芻するようになり、妻は存在しない女への嫉妬心や不信感を募らせていく。

結局、元恋人の遺体発見は、只のエピソードに過ぎず、老夫婦間に起こる亀裂のきっかけでしかない。描かれるのは年齢を重ねようと、境遇が違おうと、夫婦であろうと、なかろうと、男性と女性の徹底的な違いだ。

映画が終わった後、この夫婦に訪れるのは破滅か、回復か、ラスト直前のシャーロット・ランプリングの態度が何を物語っていたのか‥。
ランプリングの表情、トム・コートネイの演技、一切、ドラマチックな展開が無いのに、極めて怖ろしい映画で、なるほど「ゴーン・ガール」と怖さを比べる気持ちが判る。
『さざなみ』日本語オフィシャルサイト


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