DVD『裁かれるは善人のみ』鑑賞/雑感

2016年08月13日 00:06

昨年10月に日本公開されたロシア映画。カンヌ国際映画祭脚本賞、ゴールデングローブ賞外国語映画賞等を多数受賞し、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた作品、『裁かれるは善人のみ』(原題:Leviathan)。

監督は「エレナの惑い」や「父、帰る」のアンドレイ・ズビャギンツェフ。
ロシア北部バレンツ海に面する荒涼とした小さな町を舞台に、そこで暮らす善なる市井の人々と、権力を振りかざして土地の買収をもくろむ行政との対立を描く。

岩波文庫から昭和16年に邦訳が出され、昭和27年に改訂版も出ている「ミヒャエル・コールハースの運命」という、アメリカで実際に起きた悲劇的な事件をベースに書かれた、無実の罪を問われて財産を奪われた男の物語と、政治哲学書「リヴァイアサン」(←映画の原題-旧約聖書内の海の怪物)等から着想を得て、脚本が作られている。

以上の情報から、かなり暗く重い印象の古い時代の映画と思われるだろうが、舞台は現代のロシア北部の荒涼とした海辺の町で、物語はゆっくりと進行し、腐敗した権力と宗教により、小市民を襲う悲劇は、それでも、やはり暗く重い。

鯨の白骨の埋まる浜辺や、荒涼とした大海原、エレナ・リャドワの演技、総てが印象的で、美しいが、権力対市民の構図のみと思いきや、後半に別の悲劇が立ち上がってくる為、この作品は、神の不在まで描いていたのかと思い、やはり陰鬱な気分になる映画であった。

『裁かれるは善人のみ』日本語オフィシャルサイト


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