アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』

2015年07月30日 00:04

前回の続きで、アーサー・C・クラークの話である。「2001年宇宙の旅」について、キューブリックに依頼されての脚本を、小説として書き上げた作品で、原作ありきの映画化では無い、と書いたが、この辺りの顛末は、後にクラーク自身が書き上げた『失われた宇宙の旅2001』に詳しい。

『失われた宇宙の旅2001』は早川書房から単行本として2000年4月に刊行され、のちにハヤカワ文庫からも文庫が出ているが、これが滅法面白い。…キューブリックとの出会いから始まり、二人の共同作業の一部始終が語られている。
「2001年宇宙の旅」が好きで、未読の方には是非とお勧めのドキュメンタリーとなっている。

さて、ここからクラークの最大傑作と言える『幼年期の終わり』(原題:Childhood's End)について触れてみたい。
1953年の発表作品で、当方の手元に有るハヤカワの銀背では1964年4月の初版で福島正実の訳で刊行(何と価格300円)。…読了時にその膨大なスケールにしばらく呆然としていた記憶が残っている。 
"米ソの宇宙開発競争が熾烈さを増す20世紀後半のある日、巨大な円盤状の宇宙船多数が世界各国の首都上空に出現する"というプロローグから、"そこに乗って地球に来訪したにも関わらず人類の前に決して姿を現さずに、地球を実質的に支配して国家機構を解体、人類を平和に導くオーバーロードの正体とは…"
ここで描かれた"人類の進化"の考え方は、後の小松左京の作品にも多大な影響を与えている。

なんと、この作品をアメリカのSyfyチャンネルが、6時間のTVシリーズとして現在製作中で、今年の12月から放映予定だという、シリーズの監督は「SHERLOCK/シャーロック」シリーズのニック・ハラン。出演はジュリアン・マクマホン、マイク・ヴォーゲル。そして円盤の総督カレレンをチャールズ・ダンスが演じるとの事だ。

まぁ、どう映像化しようとも、原作のスケールの足許にも及ばない作品になる事は自明の理で、失望する事は判っていても、シリーズが日本発売されたら、矢張り、観てしまうだろうなぁ…。

Syfy Childhood's End オフィシャルサイト
Childhood's End FaceBookサイト(上記サイトでは予告が再生されない場合があるので、こちらからご覧ください)。


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