マックス・フライシャーのアニメについて。 3/3

2014年06月28日 00:08

maxfleischer_superman

さて、フライシャー版「スーパーマン」である。カラーで1話が約10分間の短編で、全部で17話有るが、全17話中、フライシャー・スタジオの製作話は9話、残りの8話はフェイマス・スタジオにより製作されている(ここら辺りの製作会社の推移について触れると、長くなるので割愛するが、全話を YouTubeのここでご覧になれる)。

最初に劇場公開されたのが1941年、70年以上前である。今観ても10分に集約された物語の展開のクオリティが凄い事に感心するし、何よりも後世の映画作家達に与えた影響の大きさは計り知れない。
特に、第2話の「謎の現金強奪ロボット」(原題:The Mechanical Monsters)編に登場した飛行ロボットを、宮崎駿が「ルパン三世」や「天空の城ラピュタ」等にオマージュとして登場させたのは有名な逸話だが、他にも、第4話の「氷河の古代怪獣」(原題:The Arctic Giant)編が、約10年後の作品「原子怪獣現わる」で、真似されている。
「原子怪獣現わる」はレイ・ブラッドベリの短編「霧笛」を原作とし、レイ・ハリーハウゼンが特撮を担当し、さらにゴジラの元ネタの作品だが、「スーパーマン」アニメと見比べると、似たシーンが多いのに驚く。

前回で「ベティ・ブープ」が当時の検閲で製作中止に追い込まれたと書いた時期から少したって、パラマウントがフライシャー兄弟に「スーパーマン」のアニメ化を打診する。しかし、「アクション・コミック」誌の元絵が、従来のアニメには、そぐわないほど、人物がリアルである事と、一コマ一コマの構図が劇的に組み立てられ、練られている事に不安を感じ、従来よりも多くの時間と金額が掛かる等、企画が流れる事を前提に、パラマウントに意見するが、パラマウントからの答えは「了解、話を進めてくれ」だった。

この話は「アニメーションの歴史的変革者」の17章に詳しく書かれている。…そして、その後、大人気となった「スーパーマン」の評価と前後して、パラマウントがフライシャーの利益を取り上げてしまう顛末まで、同書は描き出す。

1972年、改めて「ベティ・ブープ」等のキャラクター権を取り戻し、フライシャー・スタジオが大企業に成長したその年の9月、マックス・フライシャーは亡くなる、享年89歳。


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