アイラ・レヴィンの小説と映画化作品 その1

2014年01月30日 00:03

アメリカのTVネットワークNBCが、アイラ・レヴィンの『ローズマリーの赤ちゃん』をTVシリーズとして製作するらしい。ロマン・ポランスキーの映画化で主人公ローズマリーを演じたのはミア・ファローだったが。今回ローズマリー役に抜擢されるのはゾーイ・サルダナだという。
このニュースに触発されて、ちとアイラ・レヴィン原作の映画化作品をとりあげてみる。

アイラ・レヴィン、2007年に70歳後半で亡くなった米の小説家、劇作家である。発表された小説は僅か7本「死の接吻」「ローズマリーの赤ちゃん」「この完全なる時代」「ステップフォードの妻たち」「ブラジルから来た少年」「硝子の塔」「ローズマリーの息子」(発表順)。
この内、映画化されてないのが「この完全なる時代」と「ローズマリーの息子」の二作品。これに戯曲で発表後、映画化された「デストラップ・死の罠」が加わって計6本の映画化作品がある。

『死の接吻』(原題:A Kiss Before Dying)
レヴィンが23歳で発表しアメリカ探偵作家クラブ最優秀処女長編賞を受賞したミステリー。富豪の3人姉妹を財産目当てに次々と手玉に取り、都合が悪くなると殺してゆく、貧しく生まれながらも才覚と美貌を持った野心家の青年の物語。

3人の姉妹の名前を用いた3部構成による倒叙形式で、1部で犯人が登場していても、それが誰だか(読者にも)判らないという巧妙な展開が秀逸なのだが、小説のみで成立する仕掛けゆえ、二度、映画化されているが、どちらも原作の味わいを活かす事が出来ずに終わった。

1986年版は邦題「赤い崖」でロバート・ワグナー主演、1991年版は邦題はそのまま「死の接吻」でマット・ディロンが主演。

『ローズマリーの赤ちゃん』(原題:Rosemary's Baby)
レヴィンの代表作であり、ロマン・ポランスキーがミア・ファローを主演に映画化して、更に知名度が増した傑作モダン・ホラー。

60年代NYのアパ-トメントを舞台にしながら、ゴシックロマン然とした悪魔崇拝の物語が展開するのだが、新婚の若い妻の目を通して描かれる状況がジワジワと恐怖を増す設定になっている。
これを「反撥」「吸血鬼」と撮ってきたポランスキーが映画化し、アメリカを舞台とした事で、まるでヒッチコック映画のような雰囲気を持ち、物語の半ばからショートカットの髪型になり、徐々に痩せてゆくミア・ファローが渾身の演技を見せ、恐怖映画の傑作として今も名高い作品となった。

何度も再映画化の話がありながら実現されずに終わっていたが、今回のNBCの企画は動き出しているらしい。今回のTVドラマ化では、ゾーイ・サルダナ演じるローズマリーが住むアパートの舞台はNYからフランス・パリに移されるらしい。うーむ、どう頑張っても、ポランスキー版を超えるのは無理だろうなぁ。


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