DVD 『ムーン・ライト』 鑑賞/雑感

2017年09月19日 00:01

今年のアカデミー賞で「ラ・ラ・ランド」を抑えて作品賞を受賞した『ムーン・ライト』(原題:Moonligh)。「ラ・ラ・ランド」の監督デミアン・チャゼルは監督賞になった。

先日「ブルーに生まれついて」を取り上げた時に、「ラ・ラ・ランド」を"あの糞つまらん只のミュージカル映画"と書いた当方としては、このオスカーの結果は当然だと思っている。勿論、日本の一般の映画ファンの中では少数派の意見である事は百も承知である

黒人で、しかもゲイが主人公の映画。マイアミの貧民窟、母は売春婦で少年期は、客をとる母に外に追いやられる生活で、学校では内気な性格から同級生に虐められる毎日。

唯一の救いはそんな少年に優しく接してくれる麻薬ディーラーなんだが、この役を演じたマハーシャラ・サリが良い味を出していて、アカデミー助演男優賞を受賞している。

映画は最後まで抑制の効いた演出に終始し、説明じみた演出は一切無く、実は凄まじい環境で育っていく主人公が、最後に社会的に立派に育ちました的な、感動的な演出さえない。…彼が少年の頃に優しく接してくれた麻薬ディーラーと同じような生活をおくっている。

兎も角、映像の作り込みが半端では無く、タイトルが象徴する青が随所に挟み込まれ、美しい印象を残す作品になっているのだが、誰にでもお勧め出来る作品とは言い難いのが残念ではある。

『ムーン・ライト』日本語オフィシャルサイト

日本公開予定作品『セブン・シスターズ』『ブレードランナー 2049』『ゴッホ 最期の手紙』

2017年09月16日 00:02

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『セブン・シスターズ』(原題:What Happened to Monday?)10月27日(土)新宿シネマカリテ他。
「ヘンゼル&グレーテル」でハリウッドデビューしたノルウェーのトニー・ウィルコラ監督によるSFアクション・スリラー。主演というか‥7つ子の姉妹を1人7役で演じているのがノオミ・ラパス。
超大国「ヨーロッパ連邦」が支配する西暦2017年を舞台に、人口過多と食糧不足から、“一人っ子政策”が発令し、その状況下に産まれた七つ子姉妹が、週に1日ずつ外出し、共通の人格を演じることで監視の目をくらませてきたが‥。
『セブン・シスターズ』日本語オフィシャルサイト

『ブレードランナー 2049』(原題:Blade Runner 2049)  10月27日(金)新宿ピカデリー他。
リドリー・スコットの「ブレードランナー」が発表されてから35年目の続編。新たに監督するのは「灼熱の魂」「プリズナーズ」のカナダ出身の実力派ドゥニ・ビルヌーブ。
舞台は、前作から30年後の2049年、主演にキャスティングされたライアン・ゴズリングが、行方不明となったブレードランナーのリック・デッカードを探す物語が描かれる。勿論デッカード役はハリソン・フォード。
『ブレードランナー 2049』日本語オフィシャルサイト

『ゴッホ 最期の手紙』(原題:Loving Vincent)  11月3日(金)TOHOシネマズ六本木他。
全編油絵風のアニメーションで、ゴッホの死の謎を解き明かしていく異色のサスペンスドラマ。
俳優が演じた実写映像をもとに約6万5000枚の油絵が描かれ、全編が動く油絵によって構成される、という異色のアート映画。
演じたキャストはをロベルト・グラチーク、エレノア・トムリンソン、シアーシャ・ローナン、ジェローム・フリン等。…ゴッホの死の本当の原因は何だったのか、その謎をゴッホの絵画によって語らせる。
『ゴッホ 最期の手紙』日本語オフィシャルサイト

DVD 『バーニング・オーシャン』 鑑賞/雑感

2017年09月14日 00:08

2010年に起きたメキシコ湾原油流出事故を元にした災害パニック映画、『バーニング・オーシャン』(原題:Deepwater Horizon)。…原題の"ディープウォーター・ホライゾン"は、この事故を起こした会社の石油掘削施設の名前。

監督は「ローン・サバイバー」「バトルシップ」のピーター・バーグで、主演がマーク・ウォールバーグと言う「ローン・サバイバー」のコンビだが、カート・ラッセルとジョン・マルコビッチの名がキャストにある。

米国史上最大級の人災と言われる石油掘削施設の大事故は、会社側が予算削減で安全確認を疎かにした為に発生する。…ジョン・マルコヴィッチはこの会社側の人間役で、映画では悪役に相当し、カート・ラッセルはマルコヴィッチと対立する役どころなんだけど、観ているだけで、ひたすら痛いシーンが続く。

主演のマーク・ウォルバーグと監督のピーター・バーグのコンビは、「ローン・サバイバー」でも、ネイビーシールズ創設以来最大の惨事と言われた実際の事件を映画化しているし、今年、日本公開され11月にDVDがリリースされる「パトリオット・デイ」も、このコンビによる実際に発生したボストンマラソン爆弾テロ事件の顛末の映画化だ。

この二人のコンビによる、以上の三作品は、実話映画化シリーズ三部作という事らしく、主演のウォールバーグも製作に関わってきている。
三作品に共通しているのは、現実の事件を元に、観客に傷みを再体験させるような描写が続き、エンド・クレジットで実際に事件に関わった人物を映し出して終わる、という手法になっている。

但し、本作品は前半の事故シーン迄が冗長で退屈する。まぁ、後半、見せ場が続くので仕方が無いか、とは思うが、「ローン・サバイバー」と比較すると、作品的にはやや落ちる。

『バーニング・オーシャン』日本語オフィシャルサイト

DVD 『白い闇の女』 鑑賞/雑感

2017年09月12日 00:43

原作は「闇に消えた女」等の著者コリン・ハリソンによる「マンハッタン夜想曲」、講談社文庫から邦訳も出ているサスペンス・ミステリー。
この"マンハッタン・ノクターン(原題:Manhattan Nocturne)" が何故に、『白い闇の女』という邦題になるのかねぇ。

「未体験ゾーンの映画たち2017」で上映された2016年のアメリカ映画、脚本・製作を含めて、ブライアン・デキュベリスという監督が担当しているんだが、フィルモグラフィーが無いので多分、新人監督であろうと思う。‥主演はエイドリアン・ブロディ、共演はイボンヌ・ストラホフスキー、ジェニファー・ビールス等。

コラムニストの主人公がパーティで、不審な死を遂げた映画監督の妻と出逢い、彼女から奇妙な依頼を受ける、「夫が残したビデオ作品を見て欲しい」と…。

原作は未読だが…、映画は官能サスペンス・ミステリーとして宣伝されている。但しサスペンス感は薄いし、官能描写もそれほどキツくはなく、むしろ冷めた印象だ。
全体的にマンハッタンの街の情景を背景に、男と女の過去を探り出すゲームが、実にゆっくりと進行するハードボイルド・ミステリーという趣きだ。

で、退屈かと言うと、そこそこ観客の興味を繋ぎ止めて展開する物語は、小ぶりに纏めらていて、街の濡れた路面に映るネオンサイン、如何にもな登場人物達と、それぞれの謎めいた過去があり、ハードボイルドの王道を行く佳作になっている。

『白い闇の女』日本語オフィシャルサイト

日本公開予定作品『バリー・シール アメリカをはめた男』『女神の見えざる手』『ゲット・アウト』

2017年09月09日 08:40

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『バリー・シール アメリカをはめた男』(原題:Barry Sea)  10月21日(土)全国公開。
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のダグ・リーマン監督が再びトム・クルーズと組んだコメディ・クライム・アクション。
トムが演じるのは麻薬の運び屋として暗躍した実在の人物バリー・シール。…天才的な操縦技術を誇り、民間航空会社のパイロットとして暮していたバリー・シールの元に、ある日CIAのエージェントがスカウトに現れる。CIAの極秘作戦に偵察機のパイロットとして加わる事となったバリーは、その過程で伝説的な麻薬王パブロ・エスコバルらと接触し、麻薬の運び屋としても天才的な才能を開花させる。
『バリー・シール アメリカをはめた男』日本語オフィシャルサイト

『女神の見えざる手』(原題:Miss Sloane)  10月27日(金)TOHOシネマズシャンテ他。
「恋におちたシェイクスピア」「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」のジョン・マッデン監督による社会派サスペンス。主演は「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャスティン、共演にマーク・ストロング、ジョン・リスゴー等。
ジェシカ・チャスティンが演じるのは、政府を影で動かす戦略のプロであるロビイスト。その天才的な戦略でロビー活動を仕掛ける花形ロビイストである彼女のプライベートが暴かれ、予想外の事件が事態を悪化させる。
『女神の見えざる手』日本語オフィシャルサイト

『ゲット・アウト』(原題:Get Out)  10月27日(金) TOHOシネマズシャンテ他。
「パラノーマル・アクティビティ」「インシディアス」等を仕掛けるジェイソン・ブラム製作による、人種差別を描いた異色のホラー作品。コメディアンとして活躍してきたジョーダン・ピールの監督デビュー作。
若き黒人写真家が白人の恋人の両親に会いに行く事になる。ニューヨークの高級住宅街にある恋人の実家で過剰なまでの歓迎を受けるが‥、その家に黒人の使用人がいることに違和感を感じるのだが…。
『ゲット・アウト』日本語オフィシャルサイト


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