DVD 『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』 鑑賞/雑感

2018年10月16日 08:23

正直、最初はどんな視点で撮っているのか解らず、面食らった。『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(原題:The Florida Project)。

このショーン・ベイカー監督って、全編iPhoneで撮影した映画「タンジェリン」で高く評価されたらしいが、残念ながら観ていないので、初の鑑賞作品になる。
最初の印象は、撮り方が、何かウェス・アンダーソンっぽいなと感じたのだが、見終わると、実に温かい人間ドラマを撮る監督なんだと判った。

フロリダのディズニーワールドのすぐのモーテルで、その日暮らしの生活を送っている人間達を描き。そこの子供達の視点で映画は進行する。その環境が妙にカラフルでファンタジーを見せられているのかと勘違いしそうになるが、物語は貧困層の人々の日常を丁寧に追っている。

ウィレム・デフォーがモーテルの管理人を淡々と演じ、第90回アカデミー助演男優賞にノミネートされた作品でもあるが、主役の6歳の少女ムーニーを演じるブルックリン・キンバリー・プリンが、まるでドキュメンタリーを観ているかのように思える、大人を喰う演技をみせる。

ラストの描き方に好き嫌いが分かれているようだが、この解決を提示しないラストシーンの巧さには正直やられた。…ディズニーワールドを駆け抜けていく二人の子供達、その先に夢のお城がそびえ立っている。
その後の、女の子と母親が、どう生きていくのかをみせないだけに、もの悲しさと明るさが混ざった忘れられないラストシーンになっている。

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』日本語オフィシャルサイト

DVD 『ローズの秘密の頁』 鑑賞/雑感

2018年10月12日 08:25

「父の祈りを」や「ドリームハウ」のジム・シェリダン監督、主演はバネッサ・レッドグレーブで、その若かりし頃をルーニー・マーラが演じている、『ローズの秘密の頁』(原題:The Secret Scripture)。

これ、アイルランド人の監督が、アイルランドの作家セバスチャン・バリーの原作を映画化したもので、原作小説の題名は映画の原題と同じ The Secret Scripture(秘密の聖書)だが 、邦訳は出ていない。

主人公は赤ん坊殺しの罪で精神障害犯罪者として、40年もの間病院に収容されている老女で、その間、聖書の中に密かに日記を書きつづっていて、その40年前をルーニー・マーラが演じている。この老若を演じる二人の女優の演技がすばらしいのだが、特にバネッサ・レッドグレーブの凄さは特筆もの。

一人の女性が背負う事になる人生が、観ている側にも重く、この手の作品が苦手な方は多いと思うが、我慢して鑑賞ください、後半からラストにかけて、観て損のない展開がまっています。

妊娠し出産直後に、彼女が我が子を殺したと言う目撃者たち、「殺してはいない」と一貫して主張する主人公。真実は後半まで伏せられていて…。
まぁ、感のいい方は、早い段階でストーリーが読めてしまう展開ではあるので、ミステリー的な期待は無しでご覧ください。

『ローズの秘密の頁』日本語オフィシャルサイト

日本公開予定作品『スカイライン 奪還』『アンダー・ザ・シルバーレイク還』『ザ・アウトロー

2018年10月09日 08:28

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『スカイライン 奪還』(原題:Beyond Skyline)  10月13日(土) 丸の内TOEI他。
「スカイライン 征服」の続編だそうで、あの変なSF映画の続編が製作さていた事だけでも驚くが、さらに内容が、人類が征服されるがままだった前作から、人類が反撃に出て地球奪還を目指すというアクション満載の別物ストーリー。
前作よりも評判は良いらしく、VFXの出来も評価されている、しかし前作は何だったんでしょう。
『スカイライン 奪還』日本語オフィシャルサイト

『アンダー・ザ・シルバーレイク』(原題:Under the Silver Lake)  10月13日(土)新宿バルト9他。
「イット・フォローズ」のデビッド・ロバート・ミッチェル監督が、アンドリュー・ガーフィールドを主演に撮ったサスペンススリラー作品。
ロサンゼルスの街シルバーレイクを舞台に、隣に住む美女に恋をするオタク青年が、彼女が失踪する事で街の裏側に潜む陰謀に巻き込まれていく。
ヒッチコックとデビット・リンチが合体した"悪夢版ラ・ラ・ラ・ランド"って惹句が意味不明で観るしかないか。
『アンダー・ザ・シルバーレイク』日本語オフィシャルサイト

『ザ・アウトロー』(原題:Den of Thieves)  10月20日(土)新宿バルト9他。
こちらもロサンゼルスが舞台だが、「エンド・オブ・ホワイトハウス」のジェラルド・バトラーが主演するアクションサスペンス作品。
カリフォルニア州一の確率で仕事を成功させてきた犯罪組織が、連邦準備銀行を襲うという計画をたて、これにロサンゼルス郡保安局の精鋭部隊たる重犯罪特捜班が立ち向かう。ジェラルド・バトラーは「エンド・オブ~」シリーズの3作目が制作中で、そちらの方が観たい。
『ザ・アウトロー』日本語オフィシャルサイト

DVD 『私が殺したリー・モーガン』 鑑賞/雑感

2018年10月05日 08:21

昨年末から今年初めにかけて一部ミニシアター系で公開されたドキュメンタリー作品、 『私が殺したリー・モーガン』(原題:I Called Him Morgan)。

まぁ、ジャズファンしか観ないと思われるマイナー作品で、しかも40年以上前の事件のドキュメンタリーって、誰が観るんだろう、と思いながら、ジャズファンの端くれとしては一応鑑賞。

リー・モーガンを知らなくても、彼が作曲した"ザ・サイドワインダー"を聴いた事がある人は多いと思う。この曲、当時ジャズロックと呼ばれ、ジャズファンの間で賛否両論が巻き起こった曲である(ちなみにこの映画の中では演奏されていない)。

初期の"アイ・リメンバー・クリフォード"が高評価で、1960年頃アート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズに在籍、1972年にニューヨークのジャズクラブで演奏をしていたが、そのステージ休憩時間に、妻のヘレンに拳銃で撃たれ死亡している。

妻はなぜ彼を殺したのか、彼女が晩年に残した唯一のインタビューと、友人や関係者たちの証言、モーガン本人の演奏映像や肉声も加えて事件の真相に迫る内容で、監督はカスパー・コリン。
これ、時代的に昔の映像は殆どがモノクロのスチール写真で構成され、カラーのムービーになるのは、当時の関係者の現代でのインタビュー場面のみ。

映画としては極めて地味な作品ながら、これを飽きずに観られるのは、やはり当時を知るジャズファンだけであろう。…他の方にはお勧めしません。

『私が殺したリー・モーガン』日本語オフィシャルサイト

最近、過去の名作の再上映が幾つか、あるようで…。

2018年10月02日 08:11

今回は、その紹介。
『恐怖の報酬 オリジナル完全版』(原題:Sorcerer)  11月24日(土)シネマート新宿他。

1953年のアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督のフランス映画『恐怖の報酬』をウィリアム・フリードキンが1977年にリ・メークした作品。
クルーゾー版でイヴ・モンタンが演じた役をロイ・シャイダーが演じている、モノクロのクルーゾー版も素晴らしいが、カラーで展開するフリードキン版も負けず劣らずのサスペンス感があった記憶があり、しかも公開時にカットされた30分が追加された完全版との事で期待している、
フリードキンに関しては「エクソシスト」もTVドラマ版が最近、製作され、その才能を見直す動きがある。

『恐怖の報酬 オリジナル完全版』日本語オフィシャルサイト

『遊星からの物体X デジタル・リマスター版』(原題:Thing)  10月19日(金)丸の内ピカデりー他。
こちらもハワード・ホークスの「遊星よりの物体X」のリメイク作品で、ご存じジョン・カーペンター監督の代表作品と言っていいだろう。
36年目のデジタル・リマスター版で、もはやTV版が初見という方が多いが、一度、劇場スクリーンでご覧いただきたい傑作である。
なお、『ゼイリブ』もHDリマスター版が9月29日(土)から新宿シネマカリテにて特別レイトショー公開された、その後の他劇場公開は、こちらの日本語オフィシャルサイトで..。

『遊星からの物体X デジタル・リマスター版』日本語オフィシャルサイト

その他に、11月3日(土)からシネマート新宿で、ブライアン・デ・パルマの『ミッドナイトクロス』、マイケル・ウィナーの『スコルピオ』、アンドレイ・コンチャロフスキーの『暴走機関車』等が予定されている。
こちらのサイトの、下にお知らせあり


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