DVD 『ホテル・エルロワイヤル』 鑑賞/雑感

2019年04月25日 19:05

「キャビン」のドリュー・ゴダードが監督、脚本を手がけたクライムサスペンス、
日本では劇場未公開だが、20世紀フォックスにより3月9日からデジタル配信が開始され、4月19日にはBlu-ray、DVDが発売された作品。
『ホテル・エルロワイヤル』(原題:Bad Times at the El Royale)。

キャストはジェフ・ブリッジス、クリス・ヘムズワース、ダコタ・ジョンソン等で、1969年、カリフォルニア州とネバダ州の境に立つ寂れたホテル"エルロワイヤル"が舞台。
実在しないであろう、このホテルの設定が先ず面白いし、年代を感じさせる車や物や音楽が悪くない雰囲気を出している。

コメディかと思わせる冒頭から、登場人物の怪しげな行動が次々と描かれ、その裏の姿が明かされていく展開がスリリングで、群像劇として結構楽しめる、

怪しげな神父をジェフ・ブリッジス、歌手志望の黒人女性をシンシア・エリヴォ、謎の女性役がダコタ・ジョンソンで、その他に、冒頭、掃除機のセールスマンとして登場し、実はと明かされてすぐに殺されてしまうジョン・ハム、ホテルスタッフ役のルイス・プルマンは、夭折したアントン・エルチェンを想起させる。

クリス・ヘムズワースの出番は後半なので、女性ファンは待ちくたびれるかも知れないが、半裸にシャツ1枚でセクシーさを見せつけ、おまけに年端のいかないケイリー・スピーニーを情婦扱いするという、超怪しい役で、マイティ・ソー役より良い、

まぁ、全体的にはB級感ありの作品ではあるが、そこそこ楽しめる群像クライムサスペンスとしてお勧め。

『ホテル・エルロワイヤル』日本語オフィシャルサイト

DVD 『パリ 憎しみという名の罠』 鑑賞/雑感

2019年03月21日 08:27

前回「エリカ&パトリック事件簿 踊る骸」に続いて、我が国ではWOWWOWで初放映された作品、『パリ 憎しみという名の罠』(原題:Carbone)。

2017年フランス・ベルギーの合作、オリヴィエ・マルシャルの監督、出演はブノワ・マジメル、ジェラール・ドパルデュー等。温室効果ガスの排出量取引で荒稼ぎしたことでギャングに目をつけられた男を描いた社会派サスペンスで、いつものマルシャル監督っぽいギャングものとは違っている。

「あるいは裏切りという名の犬」とか「すべて彼女のために」とか「いずれ絶望という名の闇」等、文芸的な邦訳を付けられてきたマルシャルの作品なので、原題の"Carbone(カーボン)"ではいかんともしがたく、いまいち内容の想定が出来かねる、この邦題になったと思われる。

"京都議定書"の温室効果ガス規制により、各国企業が規制量に届かない分のガスの排出量を他社に売却する排出量取引で、荒稼ぎをし巨額の脱税で大金を手に入れた男の運命を描いていて、これは実際に起きた事件を参考にしているそうだ。

作品内で主人公が起業する社名が"モンタナ"と名付けられるが、デ・パルマの「スカーフェイス」のアル・パチーノが演じた主人公トニー・モンタナに由来し、映画の中でも「スカーフェイス」のポスターが部屋に張られている。

地味目で、ハードボイルドさを期待すると裏切られるが、テンポは悪くなく、そこそこ楽しめる作品、…ちと小振りのマルシャル版「スカーフェイス」の感あり。

『パリ 憎しみという名の罠』予告編(YouTube)

DVD 『エリカ&パトリック事件簿 踊る骸』 鑑賞/雑感

2019年03月18日 08:29

カミラ レックバリというスウェーデンの女性ミステリー作家が出している"エリカ&パトリック事件簿"なるシリーズがあり、現在までに8作品が集英社文庫から邦訳が出ている、その第一作目は「氷姫」という作品でTVドラマ化もされ、映画化企画も決まっているらしいが、まずは本作が映画化の日本登場第一作となる、『エリカ&パトリック事件簿 踊る骸』(原題:Tyskungen)。

北欧のミステリーは"ミレニアム"や"特捜部Q"シリーズ等、傑作が多いので、そこら辺りと、これから並ぶには少々キツいかも、と思わせる出来なんだが、本家スウェーデンでは、1000万部突破シリーズ中一番の人気作という事なので、観て損はない作品になっている。

女性小説家のエリカと刑事のパトリック夫婦コンビが遭遇する事件だが、本編はエリカ自身の母親が発端となって物語が進んで行く。
話が戦時下と現在のスウェーデンを交互に行き来し、登場人物も多く、過去の人物と現在の人物が繋がりが、わかりずらい難点がある。

なお、本作は2013年のスウェーデンとドイツの合作で、以前「ヒドゥン・チャイルド 埋もれた真実」の邦題で、WOWWOWで放映されている。

『エリカ&パトリック事件簿 踊る骸』予告編(YouTube)

DVD 『スノーマン 雪闇の殺人鬼』 鑑賞/雑感

2018年12月17日 08:31

ジョー・ネスボというノルウェーの作家による刑事ハリー・ホーレを主人公とした推理小説シリーズがあり、集英社文庫から邦訳が何冊か出ている。
そのシリーズの第7作目の「スノーマン」を映像化したのが本作、『スノーマン 雪闇の殺人鬼』(原題:The Snowman)で、シリーズとしても、この作家の他の作品も含めて初の映画化作品。

あいにく我が国では。作家の知名度が低く、劇場公開もされなかった作品だったが、スタッフ及びキャストの知名度が高かったので、DVD Blu-ray が先月リリースされた作品。

製作総指揮がマーティン・スコセッシで、監督が「ぼくのエリ 200歳の少女」「裏切りのサーカス」のトーマス・アルフレッドソン。主人公のハリー・ホーレ役がマイケル・ファスベンダーで助演がレベッカ・ファーガソン、シャルロット・ゲンズブール、ヴァル・キルマー、J・K・シモンズという-そうそうたるメンツが揃っている。

これで話がベストセラーになったサイコ・スリラーと言うんだから、そりゃぁ観ようと思うよなぁ。…まさか、こんな気の抜けた作品だったとは予想外でした。
北欧ミステリーだと、"ミレニアム"や"特捜部Q"シリーズ辺りの出來を期待したんだけどね。

冒頭からの説明不足な展開に加えて、登場人物達の相関関係がまるで解らないまま、話が進行する為、観客置いてきぼり。ラストまで明かされない真犯人の意外性も、ふーん、そうだったの程度で、お勧め出来ない作品であった。

『スノーマン 雪闇の殺人鬼』ユニバーサル映画公式Twitterページ

DVD 『アンセイン ~狂気の真実~』 鑑賞/雑感

2018年11月19日 08:20

スティーブン・ソダーバーグ監督作品、『アンセイン ~狂気の真実~』(原題:Unsane)。

この監督、「オーシャンズ11」等のクライム系から「コンテイジョン」のようなウィルス・パニックものまで、幅広いサスペンス・スリラーの傑作を撮る監督だが、本作とよく似た「サイド・エフェクト」の際に引退表明をし、数年後に「ローガン・ラッキー」でそれを撤回している。

本作はその「ローガン・ラッキー」の後に全編をiPhoneで撮影したというサイコ・サスペンス作品で日本では劇場未公開。主演女優はTVドラマの女優クレア・フォイ、特別出演でマット・デイモンが顔をチョイ役で出ているが、ジュノー・テンプルがとんでもないビッチ役で出ているのが面白い。

物語はストーカー被害で精神的に追い詰められ、強制入院させられる女性の話しなんだが、女性の受けたという被害が、現実なのか妄想なのか判然としない展開で、話が進み、これに病院側の陰謀が絡んで、ホラーじみた雰囲気のままストリーが進んでいく。

勿論、映画は、現実はこうでした、という設定が明かされるのだが、その結末への持って行きかたに、捻りがなく、消化不良な印象を受ける。
また、全編iPhone撮影に、意味を感じられず、だから?感が拭えないんだが、久し振りのスティーブン・ソダーバーグのスリラー作品を鑑賞できたので許す。

『アンセイン ~狂気の真実~』日本語オフィシャルサイト


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