ハードボイルド&ミステリー名作映画化作品-2 『大いなる眠り』

2017年06月22日 00:05

前回と同じくチャンドラーのフィリップ・マーロウシリーズ、『大いなる眠り』(原題:The Big Sleep)。…これ「さらば愛しき女よ」と同日に復刻シネマライブラリーがDVDをリリースしてくれた作品。
「さらば愛しき女よ」の後で監督がマイケル・ウィナーに変わって撮られているが、マーロウ役は ロバート・ミッチャムが続投。

原作は創元文庫から双葉十三郎の邦訳で出ていたが、2012年に村上春樹の訳でハヤカワからも出ている。映画化はハワード・ホークスがハンフリー・ボガートを主演に「三つ数えろ」 の邦題で公開され、この作品は二度目の映画化となる。

これは原作も、この映画も当方は初見。…劇場未公開で、観たいと思った時にはDVDが出ておらず、VHSしかなかったが、既にVHS機器は処分した後。

鑑賞にあたり「さらば愛しき女よ」の出来がいいので、こちらは二番煎じなんじゃないのか、と危惧しながら再生。
まず、舞台がイギリスに設定されているのが、何だかなぁと思えるし、スーツ姿が決まっていて、前作のチョッとうらぶれた感がないのも気になる。
原作の物語はスト-リーが込み入っていて、それをかなり忠実に映画化しているらしいが、兎も角、人間関係が複雑で判り難い。

まぁ不満はあるが、ミッチャムのマーロウを再び観れただけでも満足。そして何より懐かしのスター達が大挙して出ている。ジェームズ・スチュワート、ジョン・ミルズ、サラ・マイルズ、オリバー・リード、エドワード・フォックス等。…それだけでも観る価値は充分にある。

DVD 『モーガン プロトタイプ L-9』 鑑賞/雑感

2017年04月08日 00:01

プロデュースがリドリー・スコット、監督は彼の息子でルーク・スコットによるSFスリラー作品、『モーガン プロトタイプ L-9』(原題:Morgan)。

リドリー・スコットの長男ジェイク・スコットと長女のジョーダン・スコットは既に監督デビューを果たしているが、ルーク・スコットは短編「LOOM」を撮っていたが、長編デビューはこれが初めてとなる。「LOOM」は20分の短編で、YouTubeのこちらで鑑賞可能。
これだけ観ると父親譲りの映像感覚の持ち主かもと思われたのだが…。

何でしょう、この長編デビュー作のつまらなさは。まぁ名監督の子供達といえども大した作品を撮っていないので、ルーク・スコットも例外ではなかった、って事かも知れないが…。
兎も角、目新しさが一つもないセス・W.オーウェンのシナリオが駄目で、映像も面白みがない。

この落ちって、観ていて殆どの人間が、"ハハァ"と気づき、ラストは、あぁ矢張りね、と言う感想しか持たない、…物語の落ちにも斬新さがないって作品でした。

主演は「オデッセイ」のケイト・マーラ、共演陣はポール・ジアマッティ、最近では「奇跡がくれた数式」にも出ていたトビー・ジョーンズ、"モーガン"を演じているのはアニャ・テイラー=ジョイなる新人女優で、M・ナイト・シャマランの新作「スプリット」にも出ているようです。

『モーガン プロトタイプ L-9』日本語オフィシャルサイト

リュック・ベッソンのSF大作『ヴァレリアン』予告編登場

2016年11月15日 00:01

valerian_movie01

当サイトで時々、"映画化企画始動のお知らせ"というのをを載せる事がある。まぁ、当方の趣味の範囲内の作品に限られてはいるのだが、…撮影はおろか、キャスティングさえ未定の企画段階の事ゆえ、往々にして立ち消える、ポシャる事が殆どである。

アクセス解析内から、どのようにして当サイトにたどり着いたかを見る事が出来る検索キーワードでも、そのような記事を手繰って、お越しになる方もいられるので、全て実現する企画にならないのが、残念ではあるのだが…。

そんな中で、まずはこちらの記事をご覧いただきたい。2012年7月に拾ったニュースから書いたもので、"リュック・ベッソン 実写映画化『ヴァレリアン』"
…4年以上前に載せたものだが、リュック・ベッソン映画化が実現し、その予告編が登場してきた。劇場公開は来年2017年の夏、日本公開さえ未定ではあるが、予告編を鑑賞したら、俄然、観たくなった。

自身の「フィフス・エレメント」をスケールアップしたかのような未来都市の描写から始まり、「スター・ウォーズ」シリーズに勝るとも劣らないシーンの羅列に、期待感が半端なく膨らみます。
前回、4年前と重複しますが、原作の"『ヴァレリアン&ロールリンヌ』オフィシャルサイト"も参照ください。

「Valerian」Official Movie Site

DVD『13時間 ベンガジの秘密の兵士』鑑賞/雑感

2016年11月05日 00:25

2012年にリビアのベンガジで実際に起きた、イスラム過激派によるアメリカ領事館襲撃事件を事実に基づいて映画化した作品。
…事件を取材したジャーナリストによるノンフィクションが原作、支援を絶たれた6人のCIA警備兵が繰り広げる13時間の激闘を臨場感たっぷりに描き出すアクションドラマ。『13時間 ベンガジの秘密の兵士』(原題:13 Hours: The Secret Soldiers of Benghazi)。

ノンフィクションの良くあるパターンの作品で、役者陣も無名、しかも劇場未公開、何だかなぁと思ったら、監督がマイケル・ベイで、製作されたのは今年2016年。
「トランスフォーマー」「ミュータント・タートルズ」シリーズの、あのドンパチ大好き、爆発画面てんこ盛り、テンポ早く、大胆に動くカメラアングル。まぁ、それ以上何も無いマイケル・ベイ作品かよ! ……で、観てみる事にしました。

現代の中東戦を描いた戦争映画も「ブラックホークダウン」「ゼロダークサーティー」「アメリカンスナイパー」「ローンサバイバー」と数々あって、どれも見応えある戦争映画になっていたが、本作品も、それらの作品に劣らない出来の戦争映画であった。

マイケル・ベイらしいドンパチや爆発画面もある事はあるのだが、過剰にならずに控えめに思われる造りだ。…但し、ラスト近くで米軍の秘密基地を狙う迫撃砲の描写は如何にもマイケル・ベイで、彼のファンは一見の価値あり。

まぁ、緊張感も迫力もあって悪くない出来で、ベイのファンであろうと無かろうと、観ておいたら、とお薦めは出来る作品になっている。

『13時間 ベンガジの秘密の兵士』日本語予告編(YouTube)

DVD『やさしい本泥棒』鑑賞/雑感

2016年08月18日 00:08

マークース・ズーサックの世界的ベストセラー「本泥棒」の映画化作品、『やさしい本泥棒』(原題:The Book Thief)。
…日本での劇場公開は2014年に予定されていたが、中止になり、昨年始めにレンタルが開始され、同6月に Blu-ray & DVD の発売があった作品である。

監督はブライアン・パーシバル、主人公の少女リーゼル役にソフィー・ネリッセ、その他の共演に「鑑定士と顔のない依頼人」のジェフリー・ラッシュ、エミリー・ワトソン等による、アメリカ・ドイツ合作映画。…1939年ナチス政権下のドイツを舞台にしたホロコーストと禁書を描いている。

主人公の少女リーゼルの母親は共産主義者で、ナチスから迫害され、ミュンヘン近郊で暮らす夫婦の元に里子に出される事になる、一緒に預けられる予定の弟は旅の途中、列車内で死んでしまう。
…冒頭、この列車のシーンから始まるのだが、ここにナレーションが被さり、途中、何度か、このナレーションが状況説明をするのだが、ナレーションの主が自身の正体を直ぐには明かさない。

原作では、死神が案内役をつとめていて、邦訳本のカバーにも死神のシルエットが描かれているが、映画では含みを持たせて、物語の後半に正体が明かされる。
…この死神の語りが、物語を先に説明し、映像がそれを見せる、という手法で終始纏めていて、これが、主題の暗さにも関わらず、ファンタジー色の濃い印象を残している。

良作と言える作品で、お勧め。…なんで、これが劇場公開されなかったのか不思議である。

『やさしい本泥棒』日本語オフィシャルサイト


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