DVD『帰ってきたヒトラー』鑑賞/雑感

2017年01月17日 08:25

『帰ってきたヒトラー』(原題:Er ist wieder da)。原作はドイツで出版され、ベストセラーになった風刺小説。

1945年に自殺したはずのヒトラーが、直前の記憶を失った状態でベルリンの空き地にタイムスリップ、リストラされたテレビクルーが彼を発見し、ヒトラーそっくりのコメディアンとしてテレビ番組に出演させると大人気芸人になってしまう…という、お話しなんだが。
原作の小説は面白いらしいが、未読なので、映画だけの感想になるが、はっきり言って面白くありません。

冒頭のタイムスリップから、TVに登場するまでは、そこそこ面白いのだが、中盤がグダグダ。
TV出演後、YouTubeやTwitterで拡散され、ドキュメンタリータッチで市民の反応を描いているが、これはヒトラーに扮した主演のオリバー・マスッチが、ベルリンの街中等に現れ、市民の反応を実際にアドリブ撮りした映像を繋げていて、登場する人の顔にモザイクがかかったり、目隠し加工を施したりしている。

このフィクションの物語に、ドキュメンタリータッチを挟む構造が、社会風刺としてのコメディ映画と溶け合わず、しかも、この中盤が長いので、飽きる。

但し、終盤、映画は突如としてメタ構造になり、映画の中で、「帰ってきたヒトラー」という小説が書かれ、その小説を元に映画が作られ、その中でヒトラーを演じる役者を殺す話になり、…どこまでが映画で、さらにその中の映画の話、なのか判らなくなるという多重構造が仕掛けられていて、中盤のつまらなさを、どうにか払拭する出来になっている。

『帰ってきたヒトラー』日本語オフィシャルサイト

2017年公開予定作品ピックアップ -その他

2017年01月14日 00:01

2017etc_movie

『スプリット』(原題:Split)
日本公開日予定。予告編はこちら(YouTube/英語版)
M・ナイト・シャマラン監督の最新作、主演ジェームズ・マカヴォイ、23の人格を持つ多重人格者を描くサイコスリラー。23の人格を支配している、もう一人の人格が現れる時、何が起こるか…。

『夜に生きる』(原題:Live by Night)
日本公開は5月予定。日本語オフィシャルサイトはこちら予告編はこちら(YouTube/英語版)
ベン・アフレックの監督作、原作はデニス・ルヘインのノワールの犯罪小説。脚本・主演もベン・アフレックで、共演にエル・ファニング、ブレンダン・グリーソン、クリス・メッシーナ等。

『モンスター・コールズ』(原題:A Monster Calls)
日本公開日は6月。予告編はこちら(YouTube/英語版)
パトリック・ネスの小説「怪物はささやく」の映画化作品、。監督は「永遠のこどもたち」のJ・A・バヨナ。出演はフェリシティ・ジョーンズ、シガーニー・ウィーヴァー等で、怪物の声をリーアム・ニーソンが担当。

『ブレードランナー 2049』(原題:Blade Runner 2049)
日本公開は11月予定。日本語予告編はこちら
前作から35年、舞台は2049年。監督がドゥニ・ビルヌーブになり、リドリー・スコットはエグゼクティブ・プロデューサーになる。主演はライアン・ゴスリング)だが、ハリソン・フォードも出演する。

2017年公開予定作品ピックアップ -名匠編

2017年01月12日 08:25

2017directed_movie

『カフェ・ソサエティ』(原題:Cafe Society)
日本公開日は5月予定。日本語オフィシャルサイはこちら予告編はこちら(YouTube/英語版)
ウディ・アレン監督の最新作、1930年代のハリウッド、映画産業で働くことを夢見てやってきた青年が、ハリウッドの熱に狂い、陥ってゆく。ジェシー・アイゼンバーグが主演。

『ダンケルク』(原題:Dunkirk)
日本公開日は9月予定。日本語オフィシャルサイと予告編はこちら
クリストファー・ノーラン監督、トム・ハーディ主演による、第二次世界大戦の「ダンケルクの戦い」を描く歴史戦争映画。キリアン・マーフィー、ケネス・ブラナー等も出演する大作。

『エイリアン コヴェナント』(原題:Alien: Covenant)
日本公開日は9月予定。日本語オフィシャルサイはこちら予告編はこちら(YouTube)
リドリー・スコット監督、「プロメテウス」トリロジーの第2作目で、1979年の「エイリアン」に直接つながるストーリーになると言われている。アメリカでの公開は8月4日。

『エル』(原題:Elle)
日本公開予定は夏。予告編はこちら(YouTube)
ポール・バーホーベン監督の最新作、イザベル・ユペールが主人公を演じ、過去に彼女をレイプしたストーカーが追いつめる物語…。「氷の微笑」と同様のエロティックと暴力に彩られたサイコロジカル・スリラー。

2017年公開予定作品ピックアップ -アメコミ編

2017年01月10日 00:00

2017_comi

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』(原題:Guardians of the Galaxy Vol. 2)
日本公開日は5月12日(土)予定。日本語予告編はこちら(YouTube)
前作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の続編。ヒーローとは言い難い宇宙のはみ出し者たちがが銀河を救うため強大な敵に立ち向かう、70年代のヒット曲と共に。

『スパイダーマン ホームカミング』(原題:Spider-Man: Homecoming)
日本公開日は8月11日(金)予定。日本語オフィシャルサイと予告編はこちら
「シビル・ウォ/キャプテン・アメリカ」でマーベル・シネマティック・ユニバースに加わった新シリーズで、トム・ホランドがピーター・パーカー/スパイダーマンを演じる。

『ワンダーウーマン』(原題:Wonder Woman)
日本公開日は夏の予定。日本語オフィシャルサイと予告編はこちら
DCコミックスの人気作の実写映画化、70年代にTVドラマ化されリンダ・カーターが演じたが、今回、ワンダーウーマンことダイアナ・プリンスを演じるのは「ワイルド・スピード」に出ていたガル・ガドット。

『ジャスティス・リーグ』(原題:Justice League)
日本公開日は11月17日(金)予定。日本語オフィシャルサイと予告編はこちら
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」に続く物語で、上記のワンダーウーマンも登場し、その他のヒーローも数多く登場する。…「ジャスティス・リーグ パート2」も翌年公開を予定している。

2017年公開予定作品ピックアップ -SF編

2017年01月07日 00:02

あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。
年始は、今年公開予定の期待作を紹介、先ずはSF編。

2017_sf_movie

『パッセンジャー』(原題:Passengers)。
日本公開日は3月24日(金)予定。日本語オフィシャルサイと予告編はこちら
原題は"パッセンジャーズ"だが、既に邦題として使われていたので"パッセンジャー"になった。
ジェニファー・ローレンスとクリス・プラットが共演するSF大作。宇宙船内で極限状態に置かれた男女の愛と運命を描く。

『キングコング:髑髏島の巨神』(原題:Kong.Skull Island)
日本公開日は3月25日(土)予定。日本語オフィシャルサイと予告編はこちら
ハリウッド版ゴジラと対決することが決定している、レジェンダリー・ピクチャーズが企画する作品。

『ゴースト・イン・ザ・シェル』(原題:Ghost in the Shell)
日本公開日は4月7日(金)予定。日本語オフィシャルサイと予告編はこちら
士郎正宗の"攻殻機動隊"を原作とする実写作品。草薙素子役にスカーレット・ヨハンソンを、荒巻大輔役にビートたけし起用して話題に…。

『メッセージ』(原題:Arrival)
日本公開は5月を予定。日本語オフィシャルサイと予告編はこちら
原作はネビュラ賞を受賞したテッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」。ドゥニ・ヴィルヌーヴが監督を務める。

DVD『ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲』

2016年12月29日 19:57

今年も色々なスター達が亡くなったが、ここへ来てプリンセス・レイアこと、キャリー・フィッシャー逝去のニュースが伝えられるとは思いもしなかった…。
飛行機内で心臓発作、一時容体持ち直しと伝えられるも急変、享年60歳。歌手のエディ・フィッシャーと女優のデビー・レイノルズの間に生まれ、母親のデビー・レイノルズは娘の死亡時は存命だったが、翌日に脳卒中で急逝、…何と、訃報が重なった。

キャリー・フィッシャーは、結構、出演作品は多いのだが「スター・ウォーズ」シリーズ以外の出演作は知られていない。最近では「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の前にもクローネンバーグの「マップ・トゥ・ザ・スターズ」にも顔を出していた。…カメオ出演や本人役が多いが、これもそんな一本、『ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲』(原題:Jay and Silent Bob: Strike Bac)。

ケヴィン・スミス監督の5作目にあたる2001年製作のコメディ作品で、「スター・ウォーズ」のパロディらしい部分はホンの少し、キャリー・フィッシャーも、レイアとして出てきそうだが、修道女役で冒頭に、ほんの少々、カメオ出演しているだけ。

マーク・ハミルも登場して、ライトセーバーを振り回したり、他に、ベン・アフレックやマット・デイモンも登場するが、兎も角、チープ、且つ出鱈目な展開、下ネタ満載で下品、…ガス・ヴァン・サント監督やウェス・クレイヴン、クリス・ロック等、有名ゲストも次々出てくるが、元ネタ知らないと楽しめないという、万人にはお薦め出来ない映画。

年末年始(本日より1月7日迄)は都合により掲載を休みます。…皆様良いお年をお迎えください。

DVD『スーサイド・スクワッド』鑑賞/雑感

2016年12月27日 00:01

DCコミックが1987年から刊行しているシリーズの初の映画化作品、『スーサイド・スクワッド』(原題:Suicide Squad)。監督は「フューリー」のデビッド・エアー、この手の風呂敷拡げた物語には、力不足感のある監督。

兎も角、冒頭から展開が雑、投獄されている各ヴィランキャラの紹介が画一的で面白みに欠け、更に、その敵となる存在も説明不足で、鑑賞中に何の期待も持てない。
DC作品の映画化では、最近の「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」も酷かったが、あれに輪を掛けた失敗作。

では、これ、面白くないのか、と訊かれたら、"まぁ退屈はしないけどね"と応えるかな、という微妙且つ、ツッコミどころ満載で、期待しないで鑑賞すれば、そこそこ楽しめる。
巷間言われているように、マーゴット・ロビーの" ハーレイ・クイン"の小悪魔的なセクシーさを楽しむ為の映画だと思えば宜しいかなと…。

マーゴット・ロビーって「ウルフ・オブ・ウォールストリート」が初見だったが、既にコケティッシュ感出ていて、マーティン・スコセッシに巧く使われていたが、最近観た「ターザン:REBORN」では格別、印象に残らなかったんだが、本作で一躍有名になり、男性ファンを増やした感あり。

ジョーカー役のジャレッド・レトは、「ダークナイト」シリーズでのヒース・レジャーの印象が強く、今回のジョーカーのキャラ造りも含めて、損をしている。
この作品の前に出演した「ダラス・バイヤーズクラブ」での、トランスジェンダーのレイヨン役が図抜けて素晴らしく、アカデミー始め数々の助演男優賞に輝いているので,未見の方は、一度ご覧になる事をお勧めする。

『スーサイド・スクワッド』日本語オフィシャルサイト

日本公開予定作品『ザ・コンサルタント』『スノーデン』『ドクター・ストレンジ』

2016年12月24日 00:02

theaccountant_others

『ザ・コンサルタント』(原題:The Accountant)  1月21日(土)TOHOシネマズ新宿他。
ベン・アフレックが田舎町のしがない会計士でありながら、命中率100%のスナイパーというもう一つの殺し屋の顔を持つ男を演じるサスペンスアクション。監督は「ウォーリアー」のギャビン・オコナー、共演にアナ・ケンドリック、J・K・シモンズ等。
大企業からの財務調査の依頼が舞い込んだ会計士が重大な不正を見つけるが、その依頼はなぜか一方的に打ち切られ、その日から、何者かに命を狙われる事になるが…。
『ザ・コンサルタント』日本語オフィシャルサイト

『スノーデン』(原題:Snowden)  1月27日(金)TOHOシネマズ 新宿他。
今年6月に劇場公開された「シチズンフォー スノーデンの暴露」は第87回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した作品だが、こちらは、オリバー・ストーン監督による劇映画。ジョセフ・ゴードン=レビットがエドワード・スノーデン役を演じる
キーラン・フィッツジェラルドとストーン監督の脚本で、スノーデンがアメリカ国家安全保障局の機密情報を"ガーディアン"誌に暴露した事件の詳細が描かれる。
『スノーデン』日本語オフィシャルサイト

『ドクター・ストレンジ』(原題:Doctor Strange)  1月27日(金)全国公開。
ベネディクト・カンバーバッチが、魔術を操る異色のヒーロー、ドクター・ストレンジを演じる、マーベル製作、ディズニー・スタジオ配給によるアメコミ原作の映画化作品。共演にキウェテル・イジョフォー、ティルダ・スウィントン、レイチェル・マクアダムス、マッツ・ミケルセン等が揃い、監督は「NY心霊捜査官」「エミリー・ローズ」のスコット・デリクソン。
凄腕外科医のドクター・ストレンジはある日、交通事故に遭い、両腕が使えなくなってしまう。彼はあらゆる手段を模索し、魔術の力へとたどり着く。
『ドクター・ストレンジ』日本語オフィシャルサイト

Atist Pickup ゲイブ・レナード

2016年12月22日 00:01

クエンティン・タランティーノ、ルーベン・フライシャー、チャーリー・シーン等、映画監督、映画関係者に多くのコレクター、及びファンを持ち、シネマティックアーティストとも呼ばれる画家、ゲイブ・レナード(Gabe Leonard)。
ワイオミング州生まれで、少年時代は野生動物のスケッチを描き友人に販売していた彼は、1998年にコロンブス美術大学を卒業後、アニメーションの背景画家をめざしロサンゼルスに移り、スキルを磨き、現在の名声を得ている。

gabeleonard_01

彼の作品は、映画の雰囲気と物語の世界に観る者を誘導し、ハリウッド映画の照明とフレーミングを組み合わせた具象絵画であり、その筆致はヨーロッパの伝統芸術に根ざし、レンブラント、アルフォンス・ミュシャ、クリムト、エゴン・シーレ等の影響も見受けられ、特に西部劇を描いた作品の、銃を持つ人間達のデフォルメされたスタイルの美しさは圧巻。

gabeleonard_02

Artist Gabe Leonard Gallery。    ◎Distinction Gallery Gabe Leonard
Gabe Leonard - The Cinematic Artist。    ◎Pinterest Gabe Leonard Page

DVD『ターザン REBORN』鑑賞/雑感

2016年12月20日 00:07

ジョン・カーターが活躍する"火星"シリーズと並んで、エドガー・ライス・バローズが創造した、もう一人のヒーロー、"ターザン"の今年公開の最新作、『ターザン REBORN』(原題:The Legend of Tarzan)。

監督は「ハリー・ポッター」シリーズのデビッド・イェーツ、ターザン役は「バトルシップ」に出ていたアレクサンダー・スカルスガルド、ジェーン役にマーゴット・ロビー、その他サミュエル・L・ジャクソン、クリストフ・ヴァルツが脇を固める。

物語は、ターザンだったのは過去で、現在は英国紳士となり、妻ジェーンとの英国での生活に慣れたジョン・クレイトン3世が、政府の命令で故郷へ戻るが、それは巧妙な罠だった。…生まれ故郷コンゴでのダイヤ盗掘や奴隷売買の陰謀を暴く為に再びジャングルへ戻る。

そんな設定だから、通常のターザン誕生のストーリーはばっさり割愛、申し訳程度に類人猿に育てられるシーン等が回想として登場するんだが、この回想シーンの挟み込み方が、適当すぎて、現代のシーンなのか、回想なのか、判らなくなってイラつく事がたびたびある。

半裸で、ジャングルの蔦から蔦へと飛び移る、お馴染みのシーンが登場するのと、ジャングルの動物達が総決起して、怒濤のごとく人間達に襲いかかる場面は、物語の後半近くなので、今頃かよ、と、毒づきたくなり、爽快感は感じられずじまい。

ファミリー向けのアクション・アドベンチャーにさえなっていないので、家族での鑑賞はお勧めしかねる作品でした。

『ターザン REBORN』日本語オフィシャルサイト


最新記事

プライベートリンク

------------------------------------------------------------