名監督達の傑作を再映画化した作品と企画、1/2

2016年08月25日 00:01

最近、嘗ての名匠、名監督達の傑作を再映画化する企画が続いている。公開予定から、これから製作予定まで、幾つか網羅してみたい。



『ベン・ハー』(原題:Ben-Hur)。
ウィリアム・ワイラーが1959年に監督したこの作品、小説の原作があり、サイレントの時代に二度映画化されているが、チャールトン・ヘストン主演の本作は、70mm作品として公開され大ヒットしている。…CGが無かった時代に撮られた戦車競争シーンの凄まじい迫力は、今観ても圧倒される。
「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」でのポッド・レースシーンが本作品の影響を受けている事を、ジョージ・ルーカスが明言もしている。

今回、この再映画化を監督したのは「ウォンテッド」のティムール・ベクマンベトフ。既に米国では公開されているが、批評家から厳しいレビューが寄せられ、アカデミー賞歴代最多11冠を獲得したワイラー作品の足許にも及ばない評価となっている。
なお、日本公開は2017年に予定されている。

『ベン・ハー』ベクマンベトフ版予告編(YouTube)



『荒野の七人』(原題:The Magnificent Seven)。
黒澤明の『七人の侍』を元にジョン・スタージェスが1960年に映画化した作品。舞台を西部開拓時代のメキシコに移している。…その後、「続・荒野の七人」「新・荒野の七人」等の続編が別監督で撮られて、劣化コピーと化してしまった。

今回の監督は「サウスポー」のアントワン・フークア。デンゼル・ワシントン、クリス・プラットイーサン・ホーク等のキャスティングで来年1月の日本公開が予定されている。題名は『マグニフィセント・セブン』になる。

『マグニフィセント・セブン』予告編(YouTube/英語版)

日本公開予定作品『ハドソン川の奇跡』『白い帽子の女』『高慢と偏見とゾンビ』

2016年08月23日 00:22

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『ハドソン川の奇跡』(原題:Sully)  9月24日(土)丸の内ピカデリー他
クリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演で、2009年に起きたニューヨークでの奇跡的な生還劇として世界に広く報道された航空機事故を映画化。邦題は、当時のニューヨーク州知事が「ハドソン川の奇跡」と称賛した事に由来する。
空中でエンジンが停止した飛行機をハドソン川に不時着させる決断で乗客全員の命を救い、国民的英雄になった機長が、“究極の決断”に思わぬ疑惑が…
『ハドソン川の奇跡』日本語オフィシャルサイト

『白い帽子の女』(原題:By the Sea)  9月24日(土)シネスィッチ銀座他。
ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの共演作にして、監督、脚本、製作名はアンジェリーナ・ジョリー・ピット名義の作品。
1970年代、ある日、フランスの田舎町に小説家とその妻が訪れる。二人は結婚して14年。過去のある出来事がきっかけで妻は鬱気味で、夫はアル中気味だった。…本国では酷評された作品。
『白い帽子の女』日本語オフィシャルサイト

『高慢と偏見とゾンビ』(原題:Pride and Prejudice and Zombies)  9月30日(金)TOHOシネマズ六本木ヒルズ他。
ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」をベースに、舞台を人類が謎のゾンビウィルスに感染した18世紀英国に置き換えたセス・グラハム=スミスの同名のパロディ小説の原作を映画化。
主演は「シンデレラ」のリリー・ジェームズ、監督は「きみがくれた未来」のバー・スティアーズ。
謎のウィルスが蔓延し、感染者はゾンビとなって人々を襲っていた18世紀英国。そんな中、ベネット家の5人姉妹は、少林寺拳法でゾンビと戦う日々を送っていた。
『高慢と偏見とゾンビ』日本語オフィシャルサイト

Atist Pickup フランシスコ・エレーラ

2016年08月20日 00:04

フランシスコ・エレーラ(Francisco Herrera)、1976年メキシコ産まれのコミックブック及び、キャラクター・デザインアーティスト。
業界での経歴は、ルーニーテューンズ会社、ディズニー・コンシューマ・プロダクツメキシコ、ダークホースコミックス、DCコミックス、と多岐に渡る。

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発表されているペンシル・スケッチは、コミック、映画と多ジャンルを網羅していて、圧巻であり、手がけたキャラクターの数も多いが、中でも女性を描いた作品に人気がある。
ディズニーのイメージを残しながら、アメコミの自由さと、エロティックさを加味した、彼の著書「The Magic Box」のシリーズは、ファンの支持が高い。

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Pinterestサイト内作品ページ。   ◎Herrera Box
Francisco Herrera Twitterページ。   ◎Francisco Herrera FaceBookページ

DVD『やさしい本泥棒』鑑賞/雑感

2016年08月18日 00:08

マークース・ズーサックの世界的ベストセラー「本泥棒」の映画化作品、『やさしい本泥棒』(原題:The Book Thief)。
…日本での劇場公開は2014年に予定されていたが、中止になり、昨年始めにレンタルが開始され、同6月に Blu-ray & DVD の発売があった作品である。

監督はブライアン・パーシバル、主人公の少女リーゼル役にソフィー・ネリッセ、その他の共演に「鑑定士と顔のない依頼人」のジェフリー・ラッシュ、エミリー・ワトソン等による、アメリカ・ドイツ合作映画。…1939年ナチス政権下のドイツを舞台にしたホロコーストと禁書を描いている。

主人公の少女リーゼルの母親は共産主義者で、ナチスから迫害され、ミュンヘン近郊で暮らす夫婦の元に里子に出される事になる、一緒に預けられる予定の弟は旅の途中、列車内で死んでしまう。
…冒頭、この列車のシーンから始まるのだが、ここにナレーションが被さり、途中、何度か、このナレーションが状況説明をするのだが、ナレーションの主が自身の正体を直ぐには明かさない。

原作では、死神が案内役をつとめていて、邦訳本のカバーにも死神のシルエットが描かれているが、映画では含みを持たせて、物語の後半に正体が明かされる。
…この死神の語りが、物語を先に説明し、映像がそれを見せる、という手法で終始纏めていて、これが、主題の暗さにも関わらず、ファンタジー色の濃い印象を残している。

良作と言える作品で、お勧め。…なんで、これが劇場公開されなかったのか不思議である。

『やさしい本泥棒』日本語オフィシャルサイト

日本公開予定作品『エル・クラン』『トレジャー オトナタチの贈り物』『ある天文学者の恋文』

2016年08月16日 00:04

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『エル・クラン』(原題:El Clan)  9月17日(土)新宿シネマカリテ他。
「セブン・デイズ・イン・ハバナ」のパブロ・トラペロ監督が、アルゼンチンで実際に起こった身代金誘拐事件を映画化。
近隣から慕われているプッチオ一家の周辺で、金持ちだけを狙った身代金誘拐事件が多発、…プッチオ一家の父アルキメデスは、鍵のかかった部屋に食事を運ぶという不審な行動をとっていた。
収入原が身代金で、家族総出で誘拐を家業としていた一家を描く犯罪ドラマで、第72回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞。
『エル・クラン』日本語オフィシャルサイト

『トレジャー オトナタチの贈り物』(原題:Comoara)  9月17日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町他。
こちらも実話を元にし、第68回カンヌ映画祭で「ある視点部門ある才能賞」を受賞したルーマニア映画。…宝探しの世界に足を踏み入れる男たちをコメディタッチで描いている。
ブカレストで慎ましい生活を送っている男の元に、近所の男が800ユーロを貸してほしいと訪ねてきた。そのお金で金属探知機を借り、曾祖父が共産党台頭前に庭に埋めた宝を探したいという。
『トレジャー オトナタチの贈り物』日本語オフィシャルサイト

『ある天文学者の恋文』(原題:La corrispondenza)  9月22日(祝)TOHOシネマズ シャンテ他。
「ニュー・シネマ・パラダイス」「鑑定士と顔のない依頼人」の名匠ジュゼッペ・トルナトーレの新作。主演は「リスボンに誘われて」のジェレミー・アイアンズ、共演にオルガ・キュリレンコというキャスティングで描くヒューマンミステリー。
人知れず愛を育む天文学者の教授と教え子。教授の授業に出席したこの女生徒が聞いたのは教授の突然の訃報だった。しかし何時もと変わらず教授からはメールが送られて来た。
『ある天文学者の恋文』日本語オフィシャルサイト

DVD『裁かれるは善人のみ』鑑賞/雑感

2016年08月13日 00:06

昨年10月に日本公開されたロシア映画。カンヌ国際映画祭脚本賞、ゴールデングローブ賞外国語映画賞等を多数受賞し、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた作品、『裁かれるは善人のみ』(原題:Leviathan)。

監督は「エレナの惑い」や「父、帰る」のアンドレイ・ズビャギンツェフ。
ロシア北部バレンツ海に面する荒涼とした小さな町を舞台に、そこで暮らす善なる市井の人々と、権力を振りかざして土地の買収をもくろむ行政との対立を描く。

岩波文庫から昭和16年に邦訳が出され、昭和27年に改訂版も出ている「ミヒャエル・コールハースの運命」という、アメリカで実際に起きた悲劇的な事件をベースに書かれた、無実の罪を問われて財産を奪われた男の物語と、政治哲学書「リヴァイアサン」(←映画の原題-旧約聖書内の海の怪物)等から着想を得て、脚本が作られている。

以上の情報から、かなり暗く重い印象の古い時代の映画と思われるだろうが、舞台は現代のロシア北部の荒涼とした海辺の町で、物語はゆっくりと進行し、腐敗した権力と宗教により、小市民を襲う悲劇は、それでも、やはり暗く重い。

鯨の白骨の埋まる浜辺や、荒涼とした大海原、エレナ・リャドワの演技、総てが印象的で、美しいが、権力対市民の構図のみと思いきや、後半に別の悲劇が立ち上がってくる為、この作品は、神の不在まで描いていたのかと思い、やはり陰鬱な気分になる映画であった。

『裁かれるは善人のみ』日本語オフィシャルサイト

DVD『砂上の法廷』鑑賞/雑感

2016年08月11日 00:01

今年3月に劇場公開された、『砂上の法廷』(原題:The Whole Truth)。
「フローズン・リバー」のコートニー・ハント監督による法廷ミステリードラマで、キアヌ・リーブスが真実を追い求める弁護士を演じている、共演にレニー・ゼルウィガー等。

大物弁護士が自宅で殺害され、17歳の息子が容疑者として逮捕される。完全黙秘を続ける少年の弁護を引き受けた敏腕弁護士は、少年の無罪を勝ち取るために立ち上がる。
…まぁ、こんなストーリーの、殆どが法廷内で進行する裁判劇で、結構面白い。…但しポスターの"94分、あなたは騙され続ける"の惹句が無ければ、個人的には、更に評価が上がったのだが...惜しい。

"どんでん返し"が有る作品を売る際は、その手が好きな客を呼びこむ為に、配給側は、それを謳って売りにし、観客側は、ある程度、騙されないぞ的な鑑賞態度で、あぁ来るか、こう来るかと推理しながら観るので、肝心の"どんでん返し"に驚かなくなる。
…この作品も例外ではなく、「あぁ、矢張り、そう来たか」という印象の作品だった。

「騙して欲しい」と「騙されないぞ」のジレンマで葛藤する極めて素直でない観客の一人として、フォローしておくが、これは普通騙されます。
脚本の上手さが際立っていて、ミスリードを誘う展開が多く、巧妙に仕組まれている。…作品としてはコンパクトながら佳作の部類。
…しかし、一番驚いたのはレニー・ゼルウィガーの変わりよう、だったりして。

『砂上の法廷』日本語オフィシャルサイト

"何だ これは?"な 2017公開予定作品の予告映像集

2016年08月09日 00:01

YouTubeで見つけた2017年公開予定と思われる映画の予告編、その内からSF的な面白い映像のものを集めてみたので御覧あれ。…現時点でデータの判る作品は簡単に紹介(タイトル名をクリックするとYouTubeのその作品ページにリンクします)。

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『 ATTRACTION 』  (画像:左)  ロシアのSFアクション映画。モスクワに宇宙からの正体不明の飛来物が…。
『 ANDRON 』  (画像:中)  アレック・ボールドウィンが主演するSFアクション作品。
『 ICKERMAN 』  (画像:右)  新しい技術やバーチャルリアリティが支配している未来的なメガロポリスが舞台のSF作品。

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『 Cyborg City 』  (画像:左)  ジェラルド・バトラー、ブレントン・スウェイツ等が出演するらしいが詳細不明。
『 COMA 』  (画像:中)  深い昏睡状態にある人々の現実の記憶に基づいて存在する奇妙な世界を描く、SFミステリー作品。
『 SCORN 』  (画像:右)  最初観た時は、そのギーガー調映像に、まさに「何だ これ」だったが、ホラーアドベンチャーゲームのトレーラーでした。

…以上、あくまで未だデータが少ない中での記事である事をご承知置きください、間違いがあれば、ご容赦。

DVD『ヴィクター・フランケンシュタイン』鑑賞/雑感

2016年08月06日 00:12

昨年製作の米国産SFホラー作品、日本での劇場公開は無く、ダイレクトリリースとなった。『ヴィクター・フランケンシュタイン』(原題:Victor Frankenstein)。
監督はポール・マクギガン。…ヴィクター・フランケンシュタイン博士に ジェームズ・マカヴォイ、彼の助手イゴールには ダニエル・ラドクリフがキャスティングされている。

フランケンシュタインものの亜流とか新規創作ではなく、一応、メアリー・シェリーの原作の映画化作品で正統派ゴシック・ホラーとなる。
一応と書いたのは、それでもかなり脚色されていて、題名は『ヴィクター・フランケンシュタイン』でも主人公はダニエル・ラドクリフのイゴールである。

結論から先に言うと、これが結構面白い。舞台装置等は伝統的なゴシック・ホラーの範疇できっちり作られていて好感が持てる、地下室、古城、プラズマ、稲妻と、ホラーのアイコンは総て揃えてある。
創られる生命体が二体あって、最初が動物(チンパンジー)仕様で、人間仕様が登場するのは可なり後半になる。
…これをすぐには見せない演出で引っ張るのが巧い、但し相当グロいので、そこら辺りに耐性の有る方向き。モンスター・ホラーだと思って鑑賞されたし。

サーカスのせむし男として登場するラドクリフが、マカヴォイ博士により改造され、段々普通の姿になり、最後には恋愛まで成就させる。
…博士が最後に「俺の最大の創造物は君だ」と言い残して、何処かへ去る、成る程、そういう映画だったのね。

Victor Frankenstein Official Trailer(TouTube) / 日本語オフィシャルサイト無し

DVD『オートマタ』鑑賞/雑感

2016年08月04日 00:10

今年3月公開のスペイン・ブルガリア合作映画、『オートマタ』(原題:Automata)。
監督は「シャッター ラビリンス」の新鋭ガイ・イバニェス、主演アントニオ・バンデラス、共演にメラニー・グリフィス、ロバート・フォスター等。

迫りつつある人類滅亡に備え、人工知能搭載ロボット"オートマタ"が、人間に代わる労働力として必要不可欠になっていた2044年を舞台に、人工知能と人類の共存をテーマに描いた近未来SFスリラー映画。

個人的に気に入っている「エクス・マキナ」のエモーショナルな美しさに比べ、設定もビジュアルも既視感ありまくりで、残念な出来の作品だった。
…出てくるイメージの大半が、過去のSF作品を想起させるオリジナリティの欠如に加え、テンポがスロー、おまけに説明不足な筋立てと、時々、挿入される少年と海や亀のイメージの無意味さ等、マイナスポイントが多すぎる。

敢えて面白い点を上げれば、ロボットの造形なんだが、これも「アイ・ロボット」と「チャッピー」を足したイメージで新鮮味は無いが、最後に登場するゴキブリ型が予想外で面白い。但し活躍するのがラストのみで残念。

クリオという女性型ロボットが登場するが、日本のロボット工学者、石黒浩のロボットに似ていて笑ってしまった。このクリオも「エクス・マキナ」のエヴァと同様にセクサロイド機能を搭載している。…何か、アンドロイドものも、危ない方向へ行きそうで、楽しみ(‥あ、いや、心配)だ。

『オートマタ』日本語オフィシャルサイト


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