DVD 『ある天文学者の恋文』 鑑賞/雑感

2017年04月22日 00:01

「鑑定士と顔のない依頼人」のジュゼッペ・トルナトーレ監督作品で、昨年9月に日本公開された作品、『ある天文学者の恋文』(原題:La corrispondenza)。

主演は、最近では「奇跡がくれた数式」や、少し前の「リスボンに誘われて」に主演していたジェレミー・アイアンズ、個人的には「ダイ・ハード3」の悪役が印象深いのだが、近年は学者や教授役等の渋い役どころが多い。
共演が「007 慰めの報酬」のオルガ・キュリレンコ、音楽がエンニオ・モリコーネという顔触れのミステリー仕立てのドラマである。

天文学者と、その教え子の物語で、恋人同士だった教え子の元に学者の死後、彼からメール、手紙、プレゼント等が次々と届くようになる。彼女は、その謎を解く為に、彼が暮らしていた街を訪れる。そこで彼女が知った事実とは…。

結論から言うと、面白い作品ではなかった。ミステリー仕立てではあるが、前作の「鑑定士と顔のない依頼人」のような、鮮やかな物語の展開がなく、極めて退屈な作品であった。
学者の死後に届くメールや手紙に、時間差の絡んだ謎ときの面白さを出したかったとしても、少々考えれば、こうすれば可能だとは、誰でも思いつく…。

何よりも、この教授のやり方に、当方は一切感情移入が出来なかったのが、楽しめなかった最大の原因で、ひたすらオルガ・キュリレンコの表情や姿態を美しく追いかけるだけの監督の演出にもついて行けなかった。
‥それにしても、あの黒い犬は何だったんでしょう。

『ある天文学者の恋文』日本語オフィシャルサイト

スティーヴン・キング版「眠れる森の美女」?

2017年04月20日 00:58

表題のままで、最初、ニュースを見た時「エッ?」と思ったんだが…。
本年9月にアメリカの出版社チャールズ・スクリブナーズ・サンズ(Charles Scribner's Sons)社から刊行予定の「Sleeping Beautys」の話。
スティーブン・キングと息子のオーウェン・キングの共著で、"スリーピング・ビューティ"って、あの"眠れる森の美女"かと思ったら、"スリーピング・ビューティズ"だった。

キングの息子と言えば、映画化された「ホーンズ 容疑者と告白の角」のジョー・ヒルが思い浮かぶが、オーウェンは、その弟で、父や兄と同様に作家である。このオーウェンがアイデアとシノプシスを思いつき、一度発表された小説を、父のスティーブン・キングとのコラボレーションという形で再構成して出したものらしい。

それほど遠くない未来、北米アパラチアの女性刑務所を舞台に、女性が眠りに落ちた時、起こる現象と、女性が男性の世界から姿を消した場合、何が起こるか?、と言う物語。

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ちなみにこの作品の映画化は未定だが、キング作品は必ずと言って良い位、映像化されているので,本作品も例外ではないだろう。

最近の映像化されたキング作品では、ケネディ暗殺事件とタイムトラベルを扱った「11/22/63」がDVD発売されたが、TVドラマであり、原作との違いを色々指摘されているので鑑賞はする気無し。
7月に日本発売される「セル」は、そもそも原作が面白くないので期待出来ない。

キングの最高傑作と言われている「IT」が、再度映像化されているようだが、昔、TV映画化された作品が酷かった記憶があり、今回の映画化は「MAMA」のアンディ・ムスキエティ監督なんで、多少期待はしている。予告編の出来も悪くないようだし…。

DVD 『高慢と偏見とゾンビ』 鑑賞/雑感

2017年04月18日 00:13

18世紀イギリスの女流作家ジェーン・オースティンの"高慢と偏見"(Pride and Prejudice)は、当時の英国の片田舎が舞台の恋愛小説で、傑作の評価で、過去に何度となく映像化されている。最近では2005年にキーラ・ナイトレイの主演、ジョー・ライトの監督で映画化されたが、この時の邦題は「プライドと偏見」となっている。

パロディ作品もいくつか有り、セス・グレアム=スミスの原作(二見文庫から邦訳も出ている)を映画化したのが、この作品『高慢と偏見とゾンビ』(原題:Pride and Prejudice and Zombies)。
セス・グレアム=スミスって、この手のパロディが好きらしく、「リンカーン/秘密の書」の原作も彼である。

で、本作品の感想、‥もっと、おちゃらけてるのかと思ったら、意外と真面目に作っていたので、悪くはない印象だが、エンタテイメントとしてはかなり物足りない。
古典的なコスチュームで、ドレスアップして、ガーターベルトに短剣を差し、武器の銃で、ゾンビの脳味噌を躊躇なく破壊とか、絵として悪くないんだが、全体の中で、そう言うシーンは少なめ。
物語の中の恋愛要素はもっと省いてもいいから、もっとぶっ飛んだシーンが観たかった、…残念。

…尚、P・D・ジェイムズが「高慢と偏見、そして殺人」という原典のその後となるミステリーを書いていて、ハヤカワから邦訳も出ていて、TVドラマで映像化もされているが日本語版は未発売。

『高慢と偏見とゾンビ』日本語オフィシャルサイト

日本公開『パーソナル・ショッパー』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

2017年04月15日 00:06

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『パーソナル・ショッパー』(原題:Personal Shopper)  5月12日(金)TOHOシネマズ新宿他。
監督、脚本はフランスのベテラン、リヴィエ・アサヤス、主演は「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート。第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で監督賞を受賞しているサイコスリラー作品。
セレブに代わり服やアクセサリーの買い物を代行する"パーソナル・ショッパー"として働く女性を主人公に、不可解な出来事が起き始める。
『パーソナル・ショッパー』日本語オフィシャルサイト

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』(原題:Guardians of the Galaxy Vol. 2)  5月12日(金)TOHOシネマズ渋谷他。
マーベル・コミック作品を、マーベル・スタジオが映画化したスペース・オペラ・シリーズの第2弾。監督・脚本も前作と同じジェームズ・ガンで、クリス・プラットやゾーイ・サルダナ等の出演陣、及び、 ヴィン・ディーゼルやブラッドリー・クーパーの声の出演陣も前作に同じ。
新たにカート・ラッセルやシルベスター・スタローンが特別参戦。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』日本語オフィシャルサイト

『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(原題:Manchester by the Sea)  5月13日(土)シネスィッチ銀座他。
監督はケネス・ロナーガン、主演はケイシー・アフレックによるヒューマンドラマ。プロデューサーとしてマット・デイモンも参加している。…ケイシー・アフレックは今年のアカデミー賞の主演男優賞を、監督のケネス・ロナーガンは同じく脚本賞を受賞している。
ボストン郊外で暮らす便利屋の主人公が、兄が亡くなったのを機に帰郷、16歳の甥の世話をしつつ自身が抱える過去のトラウマと向き合う。
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』日本語オフィシャルサイト

DVD 『涙するまで、生きる』 鑑賞/雑感

2017年04月13日 01:04

主演は「イースタン・プロミス」のヴィゴ・モーテンセン、監督はフランス生まれで、短編映画で数々の受賞履歴をもつダヴィド・オールホッフェン、原作はアルベール・カミュの短編集「転落・追放と王国」の中の一編「客」。
『涙するまで、生きる』(原題:Loin des hommes)。

物語の舞台は1954年のアルジェリア、元軍人の教師が、殺人の容疑をかけられたアラブ人を裁判にかけるため、山を越えた町に送り届けるよう憲兵から命じられるが、…その途中、二人は、復讐のためアラブ人の命を狙う者たちからの襲撃や、反乱軍の争いに巻き込まれる等の危険を乗り越えて、友情さえ芽生え始めるが…。

まぁ、作品として地味だし、重くもあるし、会話も少なく、邦題が意味不明と言う、恐ろしく取っつきの悪い作品なんで、勧めるのは憚るんだが、いい映画に仕上がっていて、ヴィゴ・モーテンセンのファンの方は勿論、ファンでない方も、観て損のない佳作です。

ロードムービーの赴きで、行く先々で敵や味方と遭遇し、戦いに巻き込まれていくが、実はたった二日間の物語の中で、人種や国を超越した人と人の繋がりと、その静謐な美しさを描いて見せる作品。

アルベ-ル・カミュも、母親がスペイン人で、アルジェリア生まれで、フランス人でもアルジェリア人でもないという境遇が、この作品の主人公に反映されているとの事だが、この主人公を演じるヴィゴ・モーテンセンにとっては「ヒストリー・オブ・バイオレンス」や「イースタン・プロミス」に次ぐ、彼の代表作品になっている。

『涙するまで、生きる』日本語オフィシャルサイト

DVD 『ジェーン』 鑑賞/雑感

2017年04月11日 00:01

ナタリー・ポートマンが主演・製作を務めた西部劇、主人公をポートマンが演じ、ユアン・マクレガーが敵役という設定の『ジェーン』(原題:Jane Got a Gun)。

監督は「ウォーリアー」「ザ・コンサルタント」のギャヴィン・オコナー、その他の共演者にジョエル・エドガートン、ノア・エメリッヒ等。
ナタリー・ポートマンの主演以外は、キャスティングやスタッフが二転三転し、結局「スター・ウォーズ」シリーズで共演したポートマンとマクレガーに落ち着いた。

南北戦争直後のニューメキシコを舞台に、夫を悪名高い男に撃たれ、重傷を負った夫と娘を守る為に、元恋人だった南北戦争の英雄の男に助けを求める…と言う、女性が主人公のウェスタン。

アメリカでの批評家レヴューや支持率は芳しくなかったようだが、それほど悪くはない。
但し、物語は本格西部劇風ではあるが、主人公の彼女と二人の男の過去の回想シーンは殆ど恋愛映画である。

これが「ウォーリアー」を撮ったギャヴィン・オコナーの作品かと思うと、終わり方も含め、どうしても、緩い、甘い、と感じるのは、致し方ないだろう

まぁ、そこら辺りを差し引いても、退屈せずに観る事の出来る作品にはなっているが…。

『ジェーン』日本語オフィシャルサイト

DVD 『モーガン プロトタイプ L-9』 鑑賞/雑感

2017年04月08日 00:01

プロデュースがリドリー・スコット、監督は彼の息子でルーク・スコットによるSFスリラー作品、『モーガン プロトタイプ L-9』(原題:Morgan)。

リドリー・スコットの長男ジェイク・スコットと長女のジョーダン・スコットは既に監督デビューを果たしているが、ルーク・スコットは短編「LOOM」を撮っていたが、長編デビューはこれが初めてとなる。「LOOM」は20分の短編で、YouTubeのこちらで鑑賞可能。
これだけ観ると父親譲りの映像感覚の持ち主かもと思われたのだが…。

何でしょう、この長編デビュー作のつまらなさは。まぁ名監督の子供達といえども大した作品を撮っていないので、ルーク・スコットも例外ではなかった、って事かも知れないが…。
兎も角、目新しさが一つもないセス・W.オーウェンのシナリオが駄目で、映像も面白みがない。

この落ちって、観ていて殆どの人間が、"ハハァ"と気づき、ラストは、あぁ矢張りね、と言う感想しか持たない、…物語の落ちにも斬新さがないって作品でした。

主演は「オデッセイ」のケイト・マーラ、共演陣はポール・ジアマッティ、最近では「奇跡がくれた数式」にも出ていたトビー・ジョーンズ、"モーガン"を演じているのはアニャ・テイラー=ジョイなる新人女優で、M・ナイト・シャマランの新作「スプリット」にも出ているようです。

『モーガン プロトタイプ L-9』日本語オフィシャルサイト

Atist Pickup アルフォンソ・アズピリ

2017年04月06日 08:32

アルフォンソ・アズピリ(Alfonso Azpiri)、1947年マドリード生まれ、スペインの コミックアーティスト。初期の作品は1970年代に発表され、以来、"ヘビーメタル"や"ペントハウス・コミック"等、多くの雑誌に掲載されている。
イタリアの市場を狙ったセクシーな作品を数多く描いていて、成人向けのものが多いが、それらも
サイエンスフィクションやファンタジー、或いはホラーのキャラクターと絡んだエロティックさで、ファンが多い。

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その一方で、ヒロイック・ファンタジー作品も多く、フラゼッタの影響が顕著な作品も発表している。…コミックの著作では「LORNA(ローナ)」のタイトルでシリーズ化されている"バーバレラ"風な設定の作品があり、また、一方で官能的な面を排した、レオと呼ばれる少年の冒険を描いたシリーズもあり、これはフランスのTV局で放映もされている。

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Alphonso Azpiri Official site。    ◎Alphonso Azpiri FaceBook Page
Alphonso Azpiri Pinterest Page。    ◎>Alfonso Azpiri Alchetron.com Page

日本公開予定作品『カフェ・ソサエティ』『ノー・エスケープ 自由への国境』『スプリット』

2017年04月04日 00:01

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『カフェ・ソサエティ』(原題:Cafe Society)  5月5日(金)TOHOシネマズ みゆき座他。
1930年代のハリウッドを舞台にしたウディ・アレン監督の新作コメディー作品。主演はジェシー・アイゼンバーグ、共演にクリステン・スチュワート、ブレイク・ライブリー、スティーブ・カレル等が参加している。
ニューヨークの平凡な青年がハリウッドを訪れる、この映画の都には、全米から明日の成功を目指す人々が集まっていた。映画業界で働くことを夢見る青年の恋や人生を描くロマンティックコメディ。
『カフェ・ソサエティ』日本語オフィシャルサイト

『ノー・エスケープ 自由への国境』(原題:Desierto)  5月5日(金)TOHOシネマズシャンテ他。
「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロンの息子ホナス・キュアロンの監督デビュー作で、アメリカへの不法入国を試みるメキシコ移民が謎の襲撃者に狙われ極限状態に追い込まれる姿を描いたサバイバルスリラー。
主演はバベル」のガエル・ガルシア・ベルナル。共演にジェフリー・ディーン・モーガン。…武器を持たず、砂漠を越えてアメリカに向かう男と15人の不法移民たちが、正体不明の襲撃に遭う。
『ノー・エスケープ 自由への国境』日本語オフィシャルサイト

『スプリット』(原題:Split)  5月12日(金)TOHOシネマズ新宿他。
M・ナイト・シャマラン監督の新作は「X-MEN」シリーズのジェームズ・マカボイを主演に迎えたサイコスリラーで、製作は前作に引き続きジェイソン・ブラムが務めている
挙動不審の男に拉致された3人の女子高生。彼女たちを閉じ込めた男は、23人もの人格を持つ解離性同一性障害者だった。多重人格の男に更に24番目の人格が現れた時、女子高生達は恐怖のどん底に落ちる。
『スプリット』日本語オフィシャルサイト

DVD『奇跡がくれた数式』鑑賞/雑感

2017年04月01日 00:04

原題は"無限を知っていた男"、同じ原題名で出版されたロバート・カニーゲルの書籍は、邦訳が「無限の天才-夭逝の数学者・ラマヌジャン」として工作舎から出ていて、映画化に合わせ新書版も昨年発売された。それを元に映画化されたのが『奇跡がくれた数式』(原題:The Man Who Knew Infinity)。

インドの神童と呼ばれるラマヌジャンと、彼の才能を見出した英国の数学界G・H・ハーディ。国籍も身分も違う2人の天才が起こした奇跡と友情の実話を映画化した作品で、監督はマシュー・ブラウン、「スラムドッグ$ミリオネア」のデブ・パテルがラマヌジャン役で、ハーディ役がジェレミー・アイアンズが演じている。この他にハーディの盟友役にトビー・ジョーンズも出ている。

ラマヌジャン、正式にはシュリニヴァーサ・アイヤンガー・ラマヌジャン。100年以上前の18887年」にインドに産まれ、1920年に32歳の若さで、結核が原因で亡くなっている。
この夭折の天才数学者の有名なエピソード"タクシーのナンバープレート"の1729についても、映画の中で取り上げられている。
‥現在でも彼の発見した公式は、ブラックホール研究や、インターネットのセキュリティ技術にも活かされているという。

まぁ、そこら辺りに多少の知識があれば面白く観られろ映画かもしれないが、何しろ実話の映画化なので、展開が実に地味。それとラマヌジャンを演じたデブ・パテルも普通の青年にしか見えないのが残念で、ラマヌジャンの実際の写真を見ると。目の印象がジェフ・ゴールドブラムに近い。

実在の天才数学者を描いた映画としては、ジョン・ナッシュを描いたロン・ハワード監督の「ビューティフルマインド」や、アラン・チューリングをベネディクト・カンバーバッチが演じた「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」ほどの面白さは残念ながらない。

『奇跡がくれた数式』日本語オフィシャルサイト


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