DVD 『モリーズ・ゲーム』 鑑賞/雑感

2018年12月13日 08:31

「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー脚色賞を受賞したアーロン・ソーキンが、2014年に刊行された実在の女性モリー・ブルームの回想録をもとに脚色し、監督として初挑戦した作品、『モリーズ・ゲーム』(原題:Molly's Game)

「女神の見えざる手」での主演の印象が未だ残っているジェシカ・チャステインがトップアスリートから、ポーカールームの経営者へと転身した実在の女性、モリー・ブルームを演じている。その他弁護士役でイドリス・エルバ、父親役をケビン・コスナーが演じている。

モーグル選手として五輪の出場も有望視されていたモリーが試合中の怪我でアスリートの道を断念。…セレブを相手とするアンダーグラウンド・ポーカーゲームの運営アシスタントを経て、自分のゲーム場を開設するまでになるが、後にFBIに逮捕されてしまう。
モリーを担当する弁護士は、打ち合わせを重ねるうちに彼女の意外な素顔を知る事になる。

繰り出されるセリフの洪水とモノローグの多さが、「ソーシャル・ネットワーク」を彷彿とさせる出來で、チト全部、理解するのはキツく、集中力を要求する作品ではあるが、ジェシカ・チャステインとイドリス・エルバが、実にいい味で出していて、この二人の科白劇部分だけ観ていても充分楽しめる作品になっている。

しかし「女神の見えざる手」といい、本作品といい、ジェシカ・チャステインの存在感に圧倒されるし、この作品を鑑賞した男性客が彼女の胸ばかりに目がいくというのも納得。
監督のアーロン・ソーキンも初監督作品としては、そつなく巧いのだが、傑作に仕上がっているかというと、そこら辺りは、これからの作品待ちという感じではある。

『モリーズ・ゲーム』日本語オフィシャルサイト

DVD『オーシャンズ8』鑑賞/雑感

2018年12月10日 00:02

元はスティーブン・ソダーバーグ監督が手がけた「オーシャンズ」で、2002年の"11"から、2005年の"12"、2007年の"13"までの、計3作のシリーズ。今回は『オーシャンズ8』(原題:Ocean's Eight)。

スティーブン・ソダーバーグは監督作品もプロデュース作品も多く。玉石混合な面も見受けられるが、総じて作品の質は高い。しかし最近は監督引退表明から、さらに引退撤回と低迷感があり、最近の「アンセイン ~狂気の真実~」にしてもイマイチだった。

そのソダーバーグが製作になり、監督が「ハンガー・ゲーム」のゲイリー・ロスになって、もう「オーシャンズ」には出ないと公言したジョージ・クルーニーに代わり妹のデビー・オーシャン役のサンドラ・ブロックが主人公となり、女性のみの犯罪グループになったのが本編(ちなみに作品中でクルーニーの役は死んだ事になっている)。

まぁ、そこそこ面白く観ていて飽きない構成になっていて楽しめる作品ではあり、明らかに次回「オーシャンズ9」へと繋げたい意思が見え見えではあり、また前作シリーズの登場人物も登場させる等、仕掛けも多い。

しかし、この手の映画は、このシリーズの大元の「オーシャンと十一人の仲間」とか、イタリアの「黄金の七人」シリーズ等、昔の作品では、最後に、犯罪はペイしないという方向に持って行ったんだが、…何なんだろう、この最近の傾向は?

『オーシャンズ8』日本語オフィシャルサイト

日本公開予定作品『メアリーの総て』『シシリアン・ゴースト・ストーリー』『家(うち)へ帰ろう』

2018年12月06日 15:29

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『メアリーの総て』(原題:Mary Shelley)  12月15日(土) 新宿シネマカリテ他。
英国の女性作家で18歳で「フランケンシュタイン」を書いたメアリー・シェリーの半生を、エル・ファニング主演で映画化。監督はデビュー作「少女は自転車にのって」が第86回アカデミー外国語映画賞にノミネートされた女性監督ハイファ・アル=マンスール。
女性による脚本、女性の監督、女性の音楽で構成され、一人の高名な女性作家のドラマを描く作品。
『メアリーの総て』日本語オフィシャルサイト

『シシリアン・ゴースト・ストーリー』(原題:Sicilian Ghost Story)  12月22日(土)新宿シネマカリテ他。
今年4月から5月にかけて開催されたイタリア映画祭2018で、「シチリアン・ゴースト・ストーリー」の邦題で公開され、5年前にシチリアで起きた誘拐事件から寓話的な恋物語を描く作品。
お互いに好意を抱く13歳のルナとジュゼッペ。2人の仲が深まろうとする矢先に、ジュゼッペは失踪する。なぜか周囲の大人たちが口をつぐむなか、ルナは懸命に彼の行方を追う。はたしてルナはジュゼッペと再会できるのか。
『シシリアン・ゴースト・ストーリー』日本語オフィシャルサイト

『家(うち)へ帰ろう』(原題:El ultimo traje)  12月22日(土)シネスイッチ銀座他。
ブエノスアイレスに住む88歳の仕立屋アブラハムは、自分を施設に入れようとしている家族から逃れ、スペイン・フランスを経てポーランドへと向かうための旅に出る。その目的は、第2次大戦中のホロコーストから逃れ、自分の命を救ってくれた親友に自分が仕立てた「最後のスーツ」を渡すことだった。
監督はアルゼンチンの人気脚本家で、監督作はこれが長編2作目となるパブロ・ソラルスによるロードムービー。。
『家(うち)へ帰ろう』日本語オフィシャルサイト

DVD 『女は二度決断する』 鑑賞/雑感

2018年12月03日 22:34

ファティ・アキン、このドイツ人の映画家督の作品に接するのは初見、『女は二度決断する』(原題:Aus dem Nichts)。
主演のダイアン・クルーガーは「イングロリアス・バスターズ」や「アンノウン」での リーアム・ニーソンの妻役だった事が頭にある程度で、内容の殺人事件の裁判を巡るサスペンス劇との情報での鑑賞。

で、どんな映画かというと、…主人公のドイツ人女性がトルコ移民の男性と結婚、以前は麻薬売買に関わっていた夫も結婚後はまじめに働き、息子にも恵まれて一家は幸せに暮らしていた。しかし、夫の勤務先の前で爆発が起き、彼と息子が命を落とす。それがドイツ人によるテロだと知った主人公は……。

結論から言うと、非常に良く出来た作品で、最初から最後まで、実に丁寧に、且つ緊迫感を維持したまま進行するドラマとなっている。
また、数々の作品賞と併せての主演女優賞も納得のダイアン・クルーガーの演技の見事さも格別で、彼女の代表作として後世に残る作品。

冒頭の結婚式の描写から、家族三人となった生活、突然の爆弾テロの悲劇、とテンポよく見せておいて、中盤からの裁判劇のサスペンス感は秀逸そのもので、法廷シーンの進め方は文句なく巧い。

裁判後の描写となる後半の展開は、賛否両論あるようだが、あの圧倒的な最後のイメージの重ね方は素晴らしいの一言、お勧めです。

『女は二度決断する』日本語オフィシャルサイト

DVD 『アメリカン・アサシン』 鑑賞/雑感

2018年11月30日 21:25

原作はアメリカのヴィンス・フリンの同名の小説、『アメリカン・アサシン』(原題:American Assassin)。
この原作者は、本作品に登場するミッチ・ラップを主人公としたシリーズを10冊以上出しているが、2012年に47歳で死去している。

この"アメリカン・アサシン"がシリーズ11作目で、過去に二見文庫から"謀略国家"と"強権国家"の二冊が邦訳されていて、その後オークラ出版のマグノリアブックスから、"アメリカン・アサシン"と、その続編にあたる"キル・ショット"の二冊が出ている。

で、映画化されたのは、これが初めてで、主人公ミッチ・ラップを演じているのは「メイズ・ランナー」シリーズのディラン・オブライエン。彼を指導するのがマイケル・キートン。監督はTV映画出身のマイケル・クエスタ。

無差別テロ事件で恋人を殺された青年ミッチ・ラップが復讐に人生を献げる事を誓いCIAの対テロ極秘スパイチームに入り、鬼教官のもとで過酷な訓練を重ねていく話が物語の前半で、いかにもありがちなストーリーなんだが、後半は核爆発を目論むテロ組織との対決になり、トンでもな展開に突入する。

なにしろ、米軍の第6艦隊が集結する海に、核爆弾を積んだモーターボートが突撃するんだが、普通はこの爆発をぎりぎりで阻止するお話になるところを、爆発させてしまう、と言う突っ込み所満載の展開で、残念なことに、このショーも無い展開のCGが、この映画の唯一の見所だった。

『アメリカン・アサシン』日本語オフィシャルサイト

DVD『ファントム・スレッド』 鑑賞/雑感

2018年11月26日 20:08

ポール・トーマス・アンダーソン監督作品、『ファントム・スレッド』(原題:Phantom Thread)。
主演は「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」以来の二度目のコンビとなるダニエル・デイ=ルイス、1950年代のロンドンのファッション業界を舞台に、有名服飾デザイナーと若いウェイトレスとの愛を描いた作品。
第90回アカデミー賞で作品賞ほか6部門にノミネートされて、衣装デザイン賞を受賞している。

ポール・トーマス・アンダーソンの監督作品は変わったテーマのものが多いが、作品数はそれほど多くなく、「マグノリア」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」「ザ・マスター 」等、いずれも家族や主従の人間、親子等の関係の機能が壊れていく話を多く描き、その全作の総てで脚本も手がけている。

個人的に、この監督の映像の作り方は結構好きで、見せ方を心得ていて安心して観ていられる監督の一人である。
鑑賞後、本作はヒッチコックの「レベッカ」を参考にして作られていると聞いて、成る程と納得。ある種ミステリーっぽい展開が待っていた。

まぁ、醒めた目で観れば、マザコンで偏屈な叔父さんと、年の離れた若い女の共依存関係を描いただけの映画ともとれるんで、人にはお勧め出来ない。
個人的には好きな映画ではあるけど…。

『ファントム・スレッド』日本語オフィシャルサイト

日本公開予定作品『おとなの恋は、まわり道』『マチルダ 禁断の恋』『マイ・サンシャイン』

2018年11月26日 20:06

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『おとなの恋は、まわり道』(原題:Destination Weddin)  12月7日(金)TOHOシネマズ日比谷他。
キアヌ・リーブスとウィノナ・ライダーの共演によるラブストーリーで、監督・脚本はビクター・レビン。
絶縁したはずの家族の結婚式に出席することになった男と、結婚直前に自分を捨てた元婚約者の結婚式に出席するはめになった女が、空港で偶然出会い、口論を繰り返していたが、お互いが同じ結婚式に向かっていることを知る事になる。
『おとなの恋は、まわり道』日本語オフィシャルサイト

『マチルダ 禁断の恋』(原題:Mathilde)  12月8日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町他。
ロシアが世界に誇るアレクセイ・ウチーチェリ監督が実話に基づいて制作し、上映禁止、賛否両論を巻き起こした話題作。
1800年代後半のロシア・サンクトペテルブルク、ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世と伝説のバレリーナとの許されぬ恋を描いた恋愛ドラマ。ニコライ2世役にドイツを代表する実力派俳優ラース・アイディンガー、バレリーナのマチルダ役には、ポーランドの新進女優「ゆれる人魚」のミハリナ・オルシャンスカ。
『マチルダ 禁断の恋』日本語オフィシャルサイト

『マイ・サンシャイン』(原題:Kings)  12月15日(土)新宿武蔵野館他。
トルコ・フランスの女流映画監督で、デビュー作の「裸足の季節」がアカデミー外国語映画賞にノミネートされたデニズ・ガムゼ・エルギュベン監督作品。ハル・ベリーと、ダニエル・クレイグが共演。
1992年のロサンゼルス・サウスセントラルを舞台に、実際の事件を元に描かれるヒューマン・ドラマ。
『マイ・サンシャイン』日本語オフィシャルサイト

DVD 『アンセイン ~狂気の真実~』 鑑賞/雑感

2018年11月19日 08:20

スティーブン・ソダーバーグ監督作品、『アンセイン ~狂気の真実~』(原題:Unsane)。

この監督、「オーシャンズ11」等のクライム系から「コンテイジョン」のようなウィルス・パニックものまで、幅広いサスペンス・スリラーの傑作を撮る監督だが、本作とよく似た「サイド・エフェクト」の際に引退表明をし、数年後に「ローガン・ラッキー」でそれを撤回している。

本作はその「ローガン・ラッキー」の後に全編をiPhoneで撮影したというサイコ・サスペンス作品で日本では劇場未公開。主演女優はTVドラマの女優クレア・フォイ、特別出演でマット・デイモンが顔をチョイ役で出ているが、ジュノー・テンプルがとんでもないビッチ役で出ているのが面白い。

物語はストーカー被害で精神的に追い詰められ、強制入院させられる女性の話しなんだが、女性の受けたという被害が、現実なのか妄想なのか判然としない展開で、話が進み、これに病院側の陰謀が絡んで、ホラーじみた雰囲気のままストリーが進んでいく。

勿論、映画は、現実はこうでした、という設定が明かされるのだが、その結末への持って行きかたに、捻りがなく、消化不良な印象を受ける。
また、全編iPhone撮影に、意味を感じられず、だから?感が拭えないんだが、久し振りのスティーブン・ソダーバーグのスリラー作品を鑑賞できたので許す。

『アンセイン ~狂気の真実~』日本語オフィシャルサイト

DVD『ウエストワールド』セカンド・シーズン 鑑賞/雑感

2018年11月15日 08:32

前回本年3月末の『ウエストワールド』シーズン1 に続いて、今月からレンタルも始まった『ウエストワールド』セカンド・シーズン

"シーズン1"が結構それなりに面白かったんだが、今回は中弛み感があっていまいち楽しめなかった。相変わらず時間軸は交差し、台詞は哲学するジョナサン・ノーランの脚本が無駄に難解。

途中に登場する"ショーグンワールド"も、なぜそのエピソードが挟む必要が有ったのか意味不明ではある。…真田広之はいいんだが、菊地凛子と他のキャストが日本語を喋ると、まぁ聞きづらく、英語の字幕と両方で日本語の科白を推察しなければならない。

"シーズン1"からの展開でホスト(ロボット)側の反乱がメインの物語になっているが、話の進行に合わせて"シーズン1"からの謎も解明されていく。そこらあたりに意外感は薄く、あぁ、そうなんだという印象でしかないのが惜しまれる。

今回はフォード役のアンソニー・ポプキンスが後半にしか登場しなかったのが個人的には残念で、なにせエド・ハリスとアンソニー・ポプキンスが観たくて鑑賞してるようなもんなんだが... 
一応最終話のエンド・クレジットの後に、メーキャップでさらに年老いたアンソニー・ポプキンスが登場するシーンがあるのだが、あれは"サード・シーズン"への布石なのだろうか?

Star-ch 『ウエストワールド』セカンド・シーズン 日本語オフィシャルサイト

日本公開作品『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』『イット・カムズ・アット・ナイト』『へレディタリー/継承』

2018年11月12日 00:04

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『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(原題:Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald)  11月23日(金) 新宿ピカデリー他 。
前作「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」からの続編で、監督も主演も前作に続き、デビッド・イェーツ監督とエディ・レッドメインが魔法動物学者ニュート・スキャマンダーを演じている。他に若き日のダンブルドア役でジュード・ロウが参加。
英国に戻ったニュートは、アメリカ魔法議会が捕らえた魔法使いグリンデルバルドが逃げ出したことを知る。
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』日本語オフィシャルサイト

『イット・カムズ・アット・ナイト』(原題:It Comes at Night)  11月23日(金)新宿シネマカリテ他。
新鋭監督トレイ・エドワード・シュルツによる心理スリラーで、主演のジョエル・エドガートンが製作総指揮も務めている。
夜になるとやってくる正体不明の「それ」から逃れるため、森の中の一軒家に隠れ住んでいた一家の元に、もう一組の家族がやってきて二家族で共同生活をする事になるのだが…。
『イット・カムズ・アット・ナイト』日本語オフィシャルサイト

『へレディタリー/継承』(原題:Hereditary)  11月30日(金)TOHOシネマズ日比谷他。
今年5月に当サイトで紹介済みの注目のホラー作品。
監督脚本は本作で監督デビューのアリ・アスターで、ポランスキーの「ローズマリーの赤ちゃん」やジャック・クレイトンの「回転」当の影響を受けているとの事で、鑑賞者の殆どが兎も角、怖いと評して話題になっている。
『へレディタリー/継承』日本語オフィシャルサイト


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