DVD 『テルマ』 鑑賞/雑感

2019年02月21日 08:29

ノルウエー製のホラー作品、『テルマ』(原題:Thelma)、監督はヨアキム・トリアー、あのラース・フォン・トリアーの親類だそうだ。

ノルウェーの田舎町で、信仰心の厚い両親のもとに育った少女テルマには、幼少期の記憶が欠けていた。成長し、オスロの大学に通うため一人暮らしを始めた彼女が、教室で発作に襲われ失神してしまうが、その時、そばにいた同級生の女性に声をかけられた事がきっかけで、彼女に惹かれ、初めての恋を経験する。

一応、分類としてはサイコ・ホラーという事になっているらしいが、怖さやグロさは一切無く、静謐に進行する物語の展開はホラーとしては異質でもある。
冒頭は、超能力を持った少女の話で、北欧版「キャリー」なんだろうと思っていたが、あぁいう映像的な面白さを期待すると、かなり退屈な部類の映画ではある。

キリストとサタンの話、象徴的に登場する蛇、カラス。ここら辺りの明確な意味は明かされず、キリスト教徒向けのオカルト映画の雰囲気なので、ハリウッド製のホラー映画がお好きならば観ない方が賢明です。

でも、これ、ハリウッドでリメイクが決まっているとか、…なんで、どんな風になるのか、そっちの方が興味ある。

『テルマ』日本語オフィシャルサイト

日本公開予定作品『移動都市 モータル・エンジン』『グリーンブック』『アンフレンデッド ダークウェブ』

2019年02月18日 08:22

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『移動都市 モータル・エンジン』(原題:Mortal Engines)  3月1日(金)TOHOシネマズ新宿他。
英国のSF作家でもあり、イラストレーターでもあるフィリップ・リーヴの小説「移動都市」の映画化で、原作は創元SF文庫から邦訳も出ている。
監督は、これまでピーター・ジャクソン作品で視覚効果等で携わったクリスチャン・リバーズ、主演は新人ヘラ・ヒルマー、敵役にヒューゴ・ウィービング
車輪が取り付けられた移動型都市同士が争う、スチームパンク的な世界を舞台とした物語。
『移動都市 モータル・エンジン』日本語オフィシャルサイト

『グリーンブック』(原題:Green Book)  3月1日(金)TOHOシネマズ日比谷他。
実話をもとにし、人種差別が色濃い1960年代のアメリカ南部を舞台にしたドラマで、黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手の2人が旅を続けるなかで友情を深めていく姿を描く。
監督は「メリーに首ったけ」のピーター・ファレリー、黒人ジャズピアニス役に「ムーンライト」のマハーシャラ・アリ、白人運転手役にヴィゴ・モーテンセン。第76回ゴールデングローブ賞で作品賞を受賞している。
『グリーンブック』日本語オフィシャルサイト

『アンフレンデッド ダークウェブ』(原題:Unfriended: Dark Web)  3月1日(金)新宿シネマカリテ他。
ほぼ、パソコンの画面上で全編が展開するホラー作品「アンフレンデッド」の続編という設定だが、ストーリーは前作と無関係。ジェイソン・ブラムとティムール・ベクマンベトフの二人が前作から続いてのプロデュースで、「THE JUON 呪怨」のスティーブン・サスコが監督。
中古のラップトップを入手した青年が、元の持ち主のアカウントを書き換えて試用した為に起こる恐怖の連鎖に巻き込まれる。
『アンフレンデッド ダークウェブ』日本語オフィシャルサイト

DVD 『2重螺旋の恋人』 鑑賞/雑感

2019年02月14日 08:34

フランソワ・オゾン監督が「婚約者の友人」の次に撮った2017年の作品、『2重螺旋の恋人』(原題:L'amant double)。
原作はアメリカの女性作家ジョイス・キャロル・オーツの短編小説。

出演は「17歳」のマリーヌ・バクト、「最後のマイ・ウェイ」のジェレミー・レニエ、「映画に愛をこめて アメリカの夜」のジャクリーン・ビセット等で、穏やかな精神分析医と恋に落ちた女性が、彼の双子の兄弟で性格が正反対の精神分析医に惹かれ、驚きの結末を迎えるまでを描く心理サスペンス作品。

R-18指定なので、過激な描写はあるのだが、エロティックさが冷めているというか、熱が伝わらないのは、主人公のマリーヌ・バクトの中性的な容姿のせいか、オゾンの徐々にグロテスクな方向にずれてゆく演出か…。

主人公の精神の変異に合わせて、移行する映像の見せ方が、クローネンバーグ作品を彷彿とさせ、鏡の多用や美術館が、ブライアン・デ・パルマをも思い起こさせるが、オゾンの撮り方は、どこまでが妄想か、夢か判然とせず、イラつかせるが、結局、オゾンも、前述の二人の監督と同じ変態監督であると判る作品だった。

フランス産の恋愛映画を期待する方には絶対勧めませんが、クローネンバーグやデ・パルマやデヴィッド・リンチ等がお好みなら、観て損はないスよ、お客さん。
それにしても、男女の絡みシーンにはボカシが入るのに、冒頭の一瞬映る、あのシーンはそのままって、なんなんでしょう?

『2重螺旋の恋人』日本語オフィシャルサイト

DVD 『クワイエット・プレイス』 鑑賞/雑感

2019年02月11日 08:31

題名から「ドント・ブリーズ」のようなスリラー系ホラー・ムービーだと思って鑑賞したら、SF侵略系ホラー・ムービーだった、『クワイエット・プレイス』(原題:A Quiet Place)。

早い段階で、地球に落ちた隕石が原因で、そこから出現したクリーチャーに人類が襲われ、世界が荒廃している事が、残された新聞記事で説明される。
このクリーチャーが音に反応して人類や、生物を襲うので、生き残った人間は音を立てずに生活する事を強いられている、と言う設定の作品。

人類が滅亡寸前の中、生き残った一組の家族を中心に(‥というか、その家族だけで)進行する物語で、このファミリーの沈黙の描写が慣れてくると結構退屈。
さらに音を立ててはいけないという設定の詰めが甘く、ツッコミどころがボロボロと露見する。

このサウンド・ハンター・エイリアンの造形は悪くないのだが、暗い場面が続くのでなかなかその全形を見せないのは、ホラー定番ではあるが、後半、その設定にイラついてくる。これだけのクリーチャー作ったら、もっと暴れさせて欲しかった。

結局、終盤、クリーチャーの弱点探しになるんだが、これが、その退治方も含めて、あっけないので、えっ? それで終わりかよ、の不満が残る。
クリーチャーの設定、そのままで、別の監督に、別の物語を撮らせて欲しい。

『クワイエット・プレイス』日本語オフィシャルサイト

2019 スーパーボウル ハリウッド映画TVスポット

2019年02月07日 08:32

2月3日にジョージア州アトランタのメルセデス・ベンツ・スタジアムで開催された第53回スーパーボウル。今年も例によってTV中継で、映画のスポットが流れたが、その中からいくつかを紹介。
一部、今年年頭に紹介の"2019年公開予定作品ピックアップ"と重複する作品も含まれます。

『アリータ: バトル・エンジェル』(原題:Alita Battle Angel)日本公開:2月
『アス(原題)』(原題:Us)米公開:3月
『ワンダーパーク』(原題:Wonder Park)米公開:3月
『キャプテン。マーベル』(原題:Captain Marvel)日本公開:3月
『アベンジャーズ・エンドゲーム』(原題:Avengers: Endgame)米公開:4月
『トイ・ストーリー4』(原題:TOY STORY 4)米公開:6月
『ワイルド・スピード/HOBBS & SHAW(原題)』米公開:8月
『Scary Stories to Tell in the Dark(原題)』米公開:8月

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この中での期待作は最後の『Scary Stories to Tell in the Dark』で。ギレルモ・デル・トロが、制作と脚本に参加しているホラー作品。これは予告編だけでも充分怖い、原題を直訳すると「暗闇の中で伝える怖い話」。

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2019年02月04日 08:22

ジャック・デイヴィス(1924年12月-2016年7月 没91歳)はアメリカの漫画家、イラストレーターであり、50年代のECコミックス誌等の表紙絵から始めた彼の仕事は、ハーヴェイ・カーツマンが立ち上げた「MAD」誌のイラストで有名になり、その後40年間で「MAD」誌のほぼすべての号に登場している。

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雑誌以外にも映画のポスターや、レコードアルバムアートを数多く手がけているが、中でも、スタンリー・クレイマーが監督した「おかしな、おかしな、おかしな世界」(原題:It's a mad,mad,mad,mad word) のポスター・アートは注目を浴び、さらに2年後、彼は自分自身のその画像を「MAD」誌の表紙にパロディ化もしている。

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American Art Archives-Jack Davis
Television and Film Art of Jack Davis
RAPP ART-Tribute to Jack Davis

日本公開予定作品『ちいさな独裁者』『あなたはまだ帰ってこない 』『THE GUILTY ギルティ』

2019年01月31日 08:30

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『ちいさな独裁者』(原題:Der Hauptmann)  2月8日(金)新宿武蔵野館他。
「RED/レッド」のロベルト・シュヴェンケ監督が母国ドイツで撮った作品で、第2次世界大戦末期に起こった実話の映画化。
偶然にナチス将校の軍服を手に入れた一兵卒が、大尉に成りすまし、出会った兵士たちを騙して服従させ権力の味を知っていき、ヒトラーを想起させる怪物的な"独裁者"に変貌を遂げていく姿を描き出す。
『ちいさな独裁者』日本語オフィシャルサイト

『あなたはまだ帰ってこない』(原題:La douleur)  2月22日(金)Bunkamuraruル・シネマ他。
「愛人 ラマン」で知られるフランスの女流作家マルグリット・デュラスの自伝的小説「苦悩」を新進監督エマニュエル・フィンケルが映画化、マルグリット役を「海の上のピアニスト」のメラニー・ティエリーが演じる。
第二次世界大戦時、ナチス占領下のパリ。マルグリット・デュラスは、地下でレジスタンス活動をしていた夫をゲシュタポに突然連れ去られてしまう。彼の帰りを祈り、彷徨い、苦悩し、夫を待ち続ける不安の日々が続く。
『あなたのはまだ帰ってこない』日本語オフィシャルサイト

『THE GUILTY ギルティ』(原題:Den skyldige)  2月22日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷他。。
第34回サンダンス映画祭で観客賞を受賞したデンマークの異色サスペンス作品。ある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、交通事故による緊急通報指令室のオペレーターとして応対する日々が続いていた主人公が、ある日、今まさに誘拐されているという女性自身からの通報を受ける事になる。
電話からの声と音だけで誘拐事件を解決するという、予測不可能な展開で注目されている作品。
『THE GUILTY ギルティ』日本語オフィシャルサイト

DVD 『告白小説、その結末』 鑑賞/雑感

2019年01月28日 08:26

「毛皮のヴィーナス」以来4年ぶりのロマン・ポランスキー監督作品、『告白小説、その結末』(原題:D'apres une histoire vraie)。
水声社と言う出版社から邦訳も出ている、フランスの作家デルフィーヌ・ドゥ・ヴィガンの「デルフィーヌの友情(フィクションの楽しみ)」の映画化作品。

原作の紹介文では、"スランプに陥った新進作家のまえに現れた、謎めいたゴースト・ライター。急速に親しくなってゆく二人の女性をめぐる、恐怖のメタフィクション"とあって、この二人の女性のうち、原作者本人を想起させる作家デルフィーヌ役をエマニュエル・セニエ。その熱狂的ファンという女性をエバ・グリーンが演じている。

作家の前に現れる熱狂的ファンがもたらす恐怖といえば、スティーヴン・キングの「ミザリー」を思い浮かべるが、この原作の中でもキングの作品に言及しているとか(すみません原作未読です)。

但し、キング作品のような正攻法の恐怖と異なるのは、全体に極めて巧妙な仕掛けがあり、このイマジネーションの世界感を映画は暗示だけして終わるので、勘のいい観客以外、見終わっても"訳わからん"という事になりかねない。

しかし、それにしても、ポランスキー作品としては、お勧め出来る程の傑作ではないので、そこが残念ではある。

『告白小説、その結末』日本語オフィシャルサイト
『告白小説、その結末』予告編 Youtubeページ

DVD 『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』 鑑賞/雑感

2019年01月24日 08:33

米国カリフォルニア州サンノゼに実在する"ウィンチェスター・ミステリー・ハウス"を題材に映画化された作品、『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』(原題:Winchester)。

実際にホームページさえあるこの屋敷、その昔、ウィンチェスター銃で財を成したウィリアム・ワート・ウィンチェスターの未亡人サラ・ウィンチェスターの家だったが、ウィンチェスター銃によって殺された人々の霊で呪われているとされ、ひたすら無計画に増築が繰り返され、幽霊屋敷とされている建物。、

未亡人のサラ役をヘレン・ミレン、屋敷を訪れる精神科医役をジェイソン・クラークが演じていて、監督は「ジグソウ ソウ・レガシー」のマイケル&ピーター・スピエリッグ監督があたっている。

今や観光名所と化し、有料でツアーまで組まれている伝説の幽霊屋敷だが、映画はゴシック・ホラーとして作られていて雰囲気は悪くない。…但し正当な幽霊譚としては、今風の脅かし方のホラー演出もあるので、今ひとつ正統派のゴシック・ホラーとしての評価は出来ない。

ヘレン・ミレンの精神の狂気描写や、増築を重ね迷宮と化した屋敷の描き方にも、残念ながら物足りなさが残る作品であった。

『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』日本語オフィシャルサイト

DVD 『アニー・イン・ザ・ターミナル』 鑑賞/雑感

2019年01月21日 20:57

新年早々、観た映画がこれって、キッツいというか、かなり"ハァ~?"となる作品、『アニー・イン・ザ・ターミナル』(原題:Terminal)。

主演を務めたマーゴット・ロビーがプロデューサーとしても参加。共演にサイモン・ペッグとマイク・マイヤーズという個性派を配して撮った、スタイリッシュ・スリラーという方向を狙ったと思われる作品なんだが、何なんでしょう、この下手なシナリオは?

監督とシナリオを担当したのはヴォーン・ステインという殆ど無名の新人。映像だけは非常に凝っていて面白いのだが、いかんせん脚本の酷さで総てマイナス。
スタイルに懲りすぎて、一向に見えてこない人間関係が、更に時間軸の入れ子で、一体、何を観せられているのか判らないまま、終盤に至ってようやく、そういう事だったのかと説明されても、物語の意外性よりも、筋運びをきちんとしろよと文句を言いたい。

マーゴット・ロビーと言えば「ウルフ・オブ・ウォールストリート」でのレオナルド・ディカプリオとの絡みで注目され、「スーサイド・スクワッド」のハーレイ・クイン役で、そのキュートで危険なキャラクターでブレイクし、本作品も明らかに同様のキャラクター設定を狙っていて、そこら辺りを楽しむだけなら観て損は無い。

もう見所はマーゴット・ロビーのコスプレ七変化のみで、ダイナーのブロンドの店員から、ポールダンスの踊り子、黒髪の殺し屋風衣装、終盤のナース姿まで、たっぷり堪能させてくれるので、それだけ楽しみましょう。
だって終盤のどんでん返しの設定だって、マイク・マイヤーズを起用して、あんな役だけで終わる訳がないのは、誰でも判るもん。

『アニー・イン・ザ・ターミナル』日本語オフィシャルサイト


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