DVD『ジェイソン・ボーン』鑑賞/雑感

2017年03月25日 00:02

元々はロバート・ラドラムの傑作スパイ・スリラー小説「暗殺者」に登場した主人公で本名はデイヴィッド・ウェッブ、『ジェイソン・ボーン』(原題:Jason Bourne)。

原作と映画の関係だが、ラドラム版の邦訳が「暗殺者」が新潮文庫から、「殺戮のオデッセイ」「最後の暗殺者」が角川からそれぞれ出ていて、この順番で映画化され、それぞれの原題名が映画化されたタイトル「ボーン・アイデンティティー」「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」になっている。
…ちなみにジェレミー・レナー主演の映画「ボーン・レガシー」はラドラムの死後、別人によって書かれた小説の映画化作品で上記3作とは別物。

但し、マット・ディモン主演の映画版も原作とは設定が異なり、「暗殺者」を忠実に映像化したTV映画版も存在する、そのDVDのタイトルが「スナイパー/狙撃者 ボーン・アイデンティティ」とややこしい、これは主演がリチャード・チェンバレン。

…で、今回の『ジェイソン・ボーン』も前シリーズ3作の続編ではなく、映画のオリジナルで、一応リブート作という設定らしいが、映画独自のオリジナル続編という雰囲気だ。但し、前3作に比べ、目新しさは一切無い。

"アイアンハンド"なる国家による監視システムの設定が、そもそも手垢のついたネタだし、アクション・シーンも新味が薄く、ワンパターン。
一応、終盤ラスベガスでのカー・チェィスと、トミー・リー・ジョーンズの悪役振りを楽しめる以外、見所無し。

『ジェイソン・ボーン』日本語オフィシャルサイト

DVD『ソーセージパーティー』鑑賞/雑感

2017年03月23日 00:01

おふざけの帝王セス・ローゲンが製作脚本と声の出演を手がけたアニメ、但しR指定、『ソーセージパーティー』(原題:Sausage Party)。

R指定だが、可愛い(?)キャラクターが登場するCGアニメとして真面目(??)に作られていて、監督は「シュレック2」や「マダガスカル3」のコンラッド・バーノンと、「きかんしゃトーマス」のグレッグ・ティアナンで内容を知らなければ、お子様アニメだと思いかねない。

…で、感想。いやぁ~思った以上に下品でエロいしグロい、下ネタに加え、いかにもセス・ローゲンな政治ネタ、宗教ネタ、おまけに映画のパロディと、全てぶっ込んだおバカ映画である。
擬人化されたガムが、乾電池使用の電動車椅子で登場した時は、おいおい、それってモデルの博士の了承を‥(取ってる訳はないが)、いいのかよ、と思ってしまった。

映画の面白い部分は前半と後半のみで、中盤は中ダルむ。要するに短編向きのアイデアを無理矢理、長編化した感が強く、ポルノチックな見せ場(?)は、冒頭と終盤のみで、中盤のセス・ローゲンお得意の薬物ネタは、日本人には不向きで退屈する。

お子様の居る家庭では、子供が寝てからご覧ください、出来れば、その時、ホットドックを食べながら鑑賞いただければベストです。
「トイ・ストーリー」っぽい設定の話だけど、あちらが好きな方にはお勧めしません。

『ソーセージパーティー』日本語オフィシャルサイト

DVD『特捜部Q Pからのメッセージ』鑑賞/雑感

2017年03月21日 00:06

"特捜部Q"シリーズ、ハヤカワ・ポケット・ミステリから邦訳が出ているデンマークの作家、ユッシ・エーズラ・オールスンの人気ミステリーで、現在は同じハヤカワから文庫化もされている。
2007年発表の「檻の中の女」から2015年の「吊された少女」まで現在6作品が邦訳されている。

『特捜部Q Pからのメッセージ』(原題:Flaskepost fra P)は3作目の原作で、映画化も「檻の中の女」「キジ殺し」に次いで3作目にあたり、3作共、2015年から、本年の"未体験ゾーンの映画たち"で上映されている。

…と、まぁ判ってるようには書いたが、実は原作は未読で、映画も前2作も観ていず、矢庭に3作目からの鑑賞となった(熱心なファンの方々、申し訳ありません)。

で、感想から言うと、ハリウッドのミステリー刑事物を凌ぐ面白さ…。
北欧物、独特の陰鬱な雰囲気に、犯人の心の闇、信仰心、宗教観が絡んで、もうドロドロで重い話なんだけど、最初から最後まで、張り詰めた緊張感に終始し、大満足。

原作を読んでいるファンに言わせると、謎解き部分が薄く、映画でのストーリーは、端折りすぎ、との事らしいが、シナリオも映像の見せ方も、ミステリー映画としてはお勧めの出来。

…いやぁ、これはもう前2作も早々に観なくてはいかんし、これからもシリーズとしての映画化に期待、楽しみが増えたワ。

『特捜部Q Pからのメッセージ』日本語オフィシャルサイト

日本公開予定作品『午後8時の訪問者』『T2 トレインスポッティング』『バーニング・オーシャン』

2017年03月18日 08:01

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『午後8時の訪問者』(原題:La fille inconnue)  4月8日(土)新宿武蔵野館他。
カンヌ国際映画祭の常連、ベルギーのジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督作品で、出演陣はダルデンヌ兄弟監督作品の常連俳優。
診療受付時間を過ぎてから鳴らされたベルに応じなかった若い女医が、翌日に身元不明の少女の遺体が見つかったことから、医師としての正義や良心について葛藤する様や、少女の死の謎が描かれる。
『午後8時の訪問者』日本語オフィシャルサイト

『T2 トレインスポッティング』(原題:T2 Trainspotting)  4月8日(土)丸の内ピカデリー他。
96年のイギリス映画「トレインスポッティング」の20年ぶりとなる続編。監督はダニー・ボイル、主演のユアン・マクレガーをはじめ、前作のキャスト・スタッフが再結集。
前作もアーヴィン ウェルシュの原作の映画化だが、今回も原作がある、今回のタイトルは「ポルノ」で、最初「トレインスポッティング ポルノ」としてアーティストハウスから邦訳が出ていたが、今回の上映に合わせ映画と同題名でハヤカワ文庫から再版された。
『T2 トレインスポッティング』日本語オフィシャルサイト

『バーニング・オーシャン』(原題:Deepwater Horizon)  4月21日(金)TOHOシネマズ スカラ座他。
2010年にメキシコ湾沖で発生した海底油田爆発事故を映画化した作品。監督は「バトルシップ」のピーター・バーグ、主演はマーク・ウォールバーグ、共演にカート・ラッセル、ジョン・マルコビッチ等が集結している。
メキシコ湾沖にある石油掘削施設「ディープウォーター・ホライゾン」で、海底油田からの逆流によって上昇した天然ガスへの引火が原因で大爆発が発生し大惨事となる。
『バーニング・オーシャン』日本語オフィシャルサイト

Atist Pickup ケヴィン・キール

2017年03月16日 00:01

ケヴィン・キール(Kevin Keele)、アメリカ、ユタ州ソルトレイクシティに、妻と2人の息子と、1匹の猫、3羽の鶏、と共に住み、数千のイタリア産ミツバチを飼育するアーティスト。
ゲーム開発、アートディレクション、コンセプトアート、イラストレーションで15年以上の経験を持ち、絵画、油絵、デジタル絵画、ステンドグラスまで、さまざまな形で作品を制作し、数多くの絵本、雑誌、カードゲーム、ビデオゲーム等に彼の作品を見る事が出来る。

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2005年から、ディズニー・インタラクティブ・スタジオでアートディレクターとして働き、また、ピクサー・スタジオと連携してビジュアル面の設定、監督を担当。…最近では「ファインディング・ドリー」にも関わっている。
お気に入りの音楽は、ピンクフロイドや ELO、書籍は「エンダーのゲーム」「白鯨」「レベッカ」、好きな映画やゲームに至っては数多く、これは彼の作品からも伺い知る事が出来る。

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Be Awesome Kevin Keele。    ◎ArtStation Kevin Keele
Shannon Associates.com Kevin Keele。    ◎Masters of Anatomy kevin-keele
Instagram Kevin Keele。    ◎Pinterest Kevin Keele

DVD『プロヴァンスの休日』鑑賞/雑感

2017年03月14日 00:01

昨年の新宿シネマカリテ特集企画「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016」で上映された作品、『プロヴァンスの休日』(原題:Avis de mistral)。

監督、脚本は「黄色い星の子供たち」を撮ったローズ・ボッシュで、同作にも出ていたジャン・レノが主演、共演にアンナ・ガリエナ、オーレ・アッティカ等。

祖父に会いに南フランスのプロヴァンスへと向う3兄姉弟。彼ら3兄姉弟の母と祖父ポールとの間には確執があり、疎遠な関係が続いていてが、3兄姉弟にとっては今回が初めての祖父との対面だった。気難しい祖父に、なかなか馴染めなかった3兄姉弟だったが…。

典型的な、と言おうか、良くあるパターンの話なんだが、これが実に巧い。…老若男女、登場人物達のキャスティング、配置、演技。全てのキャラが立っていて見事に絡み合っていく。
冒頭、列車の窓から外を眺める幼い少年の映像に被せて、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」が流れ、後で、この初年が聴覚障害だと判る設定になっている。

このポップスの使い方の上手さは、ジャン・レノの古いバイク仲間の友人達が集まって、そこで歌われるボブ・ディランの「フォーエバー・ヤング」の使い方でも顕著で、彼等がウッド・ストックの話をしだすシーンに、当時を知っている年代は懐かしさでやられます。

老けて貫禄もついてきたジャン・レノのおじいちゃんと、3兄姉弟の一番下の笑顔が可愛い孫との、やりとりが微笑ましく、こんな優しい映画に文句は付けられません。

『プロヴァンスの休日』日本語オフィシャルサイト

DVD『ザ・ギフト』鑑賞/雑感

2017年03月11日 08:23

前回、紹介の「ミッドナイト・スペシャル」に出ていた俳優のジョエル・エドガートンの長編映画監督デビュー作、『ザ・ギフト』(原題:The Gift)。
制作が「インシディアス」等を手がけていたジェイソン・ブラムで、本作もサイコ・スリラー作品。

主演はジェイソン・ベイトマン、レベッカ・ホール等、ここにジョエル・エドガートン自身も出演している。
…転居先で暮らし始めた夫婦の前に、高校時代の同級生だという男が現れ、再会を祝いプレゼントが贈られるが、その後もプレゼントを贈り続けられ、度を越してゆく不気味なギフトに夫婦は翻弄される…。

このポスターで、サイコ・スリラーで、最後に、最高で最悪のギフトが云々と言われると、嫌が応にも「セブン」のラストを連想してしまうが、終盤、かなり違う方向に物語が展開する。
まぁ多少、驚かす場面はあるが、グロいシーンはおろか、一切人が死なないという珍しいサイコ・スリラーなので、ショッキングなストーリーが苦手でも安心して観る事が出来る。

但し、見終わるとかなり、精神的に残酷な結末である事が判る仕掛けで、はっきりと明示しない最後のギフトの真実も面白い。
…いろんなサイトで盛大にネタバレされているので、是非とも、そこら辺りに目を通す前にご覧いただきたい佳作スリラーです。

『ザ・ギフト』日本語オフィシャルサイト

DVD『ミッドナイト・スペシャル』鑑賞/雑感

2017年03月09日 08:26

現在、劇場公開されている「ラビング 愛という名前のふたり」の監督ジェフ・ニコルズが、その前に撮った『ミッドナイト・スペシャル』(原題:Midnight Special)、劇場未公開作品。

この監督の以前の作品「MUD マッド」や「テイク・シェルター」等からみると、どんな作品でも撮る監督のようで、「ラビング‥」で、白人と黒人の結婚が禁じられていた時代のラブ・ストーリーを描いて、注目されるようになったが、元々インディーズ系の監督で、「テイク・シェルター」は異常現象の幻想にとり憑かれた男の狂気を描いたスリラーと、…撮る作品の幅が広く、これは超能力を持った少年の逃避行を描いたSFスリラーである。

この監督の常連、マイケル・シャノンが少年の父親役で、その他にキルステン・ダンスト、アダム・ドライバー等が共演。…幼い息子に備わった不思議な力を狙って、カルト教団や政府から追われる身となった親子は、少年の目指す目標にたどり着く為に奔走する。

有り体に言えば、80年代SF映画の雰囲気を再現した低予算作品で、過剰なアクションやCGを抑えて、説明不足で進行する物語なので、何が起こるのかというサスペンス感はあっても、展開の遅さまで一昔前の作品風で、途中退屈する。

致命的なのは、家族の背景に一切説明がなく、ラストも中途半端に放り出した感がある事。…まぁ、80年代SF映画に思い入れがあれば、そこそこ楽しめるかも知れないが‥。

『ミッドナイト・スペシャル』日本語オフィシャルサイト

日本公開予定作品『光をくれた人』『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』『ハードコア』

2017年03月07日 00:01

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『光をくれた人』(原題:The Light Between Oceans)  3月31日(金)TOHOシネマスシャンテ他。
マーゴット・L・ステッドマンの長編ベストセラー小説で、"海を照らす光"としてハヤカワから邦訳も出ている作品の映画化。…監督はデレク・シアンフランス、主演マイケル・ファスベンダー、共演アリシア・ビカンダーによるヒューマンドラマ。
孤島に漂流した赤ん坊を、灯台守の夫婦が我が子として育てはじめるが……。
『光をくれた人』日本語オフィシャルサイト

『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』(原題:Jackie)  3月31日(金)TOHOシネマズ新宿他。
「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキーが製作、アカデミー外国語映画賞候補作「NO」のチリ人監督パブロ・ララインが監督、ナタリー・ポートマンがジャクリーン・ケネディを演じる伝記ドラマ。
ケネディ大統領暗殺事件をファーストレディの視点から描き、ジャクリーンがファーストレディとして最後の使命を果たそうとする姿を描く。
『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』日本語オフィシャルサイト

『ハードコア』(原題:Hardcore Henry)  4月1日(土)新宿バルト9他。
一人称視点のみで描いた新感覚アクション作品、監督は新人のイリヤ・ナイシュラーで、彼が制作したプロモーション映像がネット上で反響を呼び、クラウドファウンディングにより長編映画化された作品。
サイボーグ化され戦闘マシンとなった男の視点で構成された映像のみに終始し、ゲーム画面と同じ映像が連続する。
『ハードコア』日本語オフィシャルサイト

DVD『インフェルノ』鑑賞/雑感

2017年03月04日 00:14

御存知、ダン・ブラウン原作、ロバート・ラングドンシリーズの映画化三作目、『インフェルノ』(原題:Inferno)。

映画では一作目となる「ダ・ヴィンチ・コード」は原作では二作目で、「天使と悪魔」が原作一作目、で、これは原作では四作目にあたり、三作目の「ロスト・シンボル」は、前二作と同様のトム・ハンクス主演、ロン・ハワード監督で映画化企画があったものの、ロン・ハワードが"同じキャラクターで同じような物語はやりたくない"と降板したと伝えられたが…、
結局、監督と主演続投で、一つ飛ばして四作目が製作・公開、…あれは何だったのだろうか。

今回は、ラングドン教授がフィレンツェの病院で目を覚ますシーンから始まる。数日分の記憶を失った状態での覚醒後、直ぐに襲撃者に狙われ、担当の女医と病院を脱出する事になる。
この後、生物学者が人類増加問題の解決策として世界に伝染病を拡げんとする計画がある事を知り、残された暗号を解きながら、二人で大量殺戮ウィルスの仕掛けられた場所を追う。

フィレンツェ、ヴェネツィア、イスタンブールと、名所・旧跡を駆け巡り、美術品も多数、見られ、原作とは異なる展開も加えながら、ウィルス拡散のタイム・リミットと、敵味方のドンデン返しとアクションシーンも加味されて、そこそこ楽しめる作品に仕上がっている。

但し、冒頭のラングドン教授が幻想を見るシーンの映像は、纏まりが無い印象で、チト疲れる。
…「ダ・ヴィンチ・コード」ではダ・ヴィンチ作品に仕組まれた暗号解読ミステリーの面白さがあり、「天使と悪魔」ではイルミナティ絡みの長大な物語を、巧く映画に纏めてあり、知的な好奇心を満足させてくれた面白さがあったのだが、今回は、その辺りの謎解きが薄まった印象がある。

『インフェルノ』日本語オフィシャルサイト


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