日本公開予定作品『ファーザー』『クルエラ』『アオラレ』

2021年05月12日 17:45

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『ファーザー』(原題:The Father)  5月14日(金)TOHOシネマズ新宿他。
アンソニー・ホプキンス主演の作品として「羊たちの沈黙」以来2度目となるアカデミー主演男優賞を受賞した人間ドラマで、原作は日本を含め世界で上演された舞台劇「Le Pere 父」の映画化。
老いによる喪失と親子の揺れる絆を、記憶と時間が混迷していく父親の視点から描き出し、監督はフロリアン・ゼレール、脚本はフロリアン・ゼレールとクリストファー・ハンプトンで、アカデミー脚色賞も受賞。
『ファーザー』日本語オフィシャルサイト

『クルエラ』(原題:Cruella)  5月27日(木)全国公開。
元々はアニメ「101匹わんちゃん」に登場した悪役クルエラの誕生秘話をエマ・ストーンを主演に実写映画化した作品。監督は「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のクレイグ・ギレスピー。
その他の出演者はエマ・トンプソン、ポール・ウォルター・ハウザー、マーク・ストロング等。5月27日から劇場公開され、5月28日からDisney+でも配信される。
『クルエラ』日本語オフィシャルサイト

『アオラレ』(原題:Unhinged)  5月28日(金)TOHOシネマズ日本橋他。
ラッセル・クロウが、あおり運転の常習犯を怪演するスリラーで、監督は「レッド・バレッツ」「幸せでおカネが買えるワケ」のデリック・ボルテ。被害者となる女性を「移動都市 モータル・エンジン」や「否定と肯定」等に出演のカレン・ピストリアスが演じる。
原題の"Unhinged"は"不安定"等を意味し、邦訳は付けも付けたり感あり。
『アオラレ』日本語オフィシャルサイト

DVD 『オフィシャル・シークレット』 鑑賞/雑感

2021年05月09日 16:36

ドローンを駆使して行われる現代の戦争を描いて、強い印象を残した「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」のギャビン・フッド監督が今度はイラク戦争の大量破壊兵器問題を取り上げた作品、『オフィシャル・シークレット』(原題:Official Secrets)。

ストーリーはいわゆるキャサリン・ガン事件と呼ばれた実話に基づいている。…英国GCHQの女性職員であるキャサリン・ガンが、NSAからGCHQに送られたメールをリークし、それがやがて、英米政府を揺るがす大事件となる告発事件を、実に丁寧に順を追って描いている。

分野としては、ポリティカルサスペンスになるが、ギャビン・フッドの演出は前作の「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」のようなヒリヒリ感は抑えられ、終始、一見地味な印象を受けるが、熱を内部に閉じ込めた展開で、結構熱い。

主役のキャサリン・ガンを演じるのは、キーラ・ナイトレイで、本来の美しさを封印した演技が見もの、枠役にレイフ・ファインズ、マット・スミス、マシュー・グードとイギリスの名優陣を揃えている。

エンドロール前に実際のキャサリン・ガンの映像も流され、改めて、政府や国家が情報を操作する恐ろしさを実感出来、それでもイラク戦争は起こったという事実が残る。…これから先も国家や政府が何かを画策して、国民を犠牲にする事案を実行しないとは限らない、と思わせる作品である。

『オフィシャル・シークレット』日本語オフィシャルサイト

DVD 『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』 鑑賞/雑感

2021年05月03日 22:08

アメーションスタジオのライカの最新のストップモーションアニメである、『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』(原題:Missing Link)。

何を隠そう、当方はライカ・スタジオの作品の大ファンである、過去のページを参照頂けば、最初の作品「コララインとボタンの魔女 3D」こそ取り上げてなかったが、次の「パラノーマン ブライス・ホローの謎」の中で言及、続いて「ボックストロール」は日本では劇場未公開で輸入盤で観賞、日本を舞台にした「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」と、まぁ漏らさず観賞している。

ライカ・スタジオの仕事の凄さは、YouTubeに各メイキングが紹介されているので"studio Laika"で検索されたし。

で、今回の作品は"ミッシング・リンク"探しの冒険談で、何やら"インディ・ジョーンズ"を彷彿とさせる展開に終始して飽きさせない。
主人公のライオネル卿の声をヒュー・ジャックマンが担当し、他にもゾーイ・サルダナ、エマ・トンプソン等が声優を務めている。監督は「パラノーマン ブライス・ホローの謎」のクリス・バトラーで、第77回ゴールデングローブ賞で最優秀長編アニメーション映画賞を受賞している。

本作のもう一人の主人公のビッグフットの造形が、チト馴染み難いかなという印象もあったが、この特徴をデフォルメしたキャラの造りはライカ・スタジオの十八番で、全てのキャラがその特徴を捉えて造形されているので楽しんで頂きたい。

『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』日本語オフィシャルサイト

DVD 『ストレイ・ドッグ』 鑑賞/雑感

2021年04月25日 19:54

ニコール・キッドマンが主演でダーティな女刑事役を演じる犯罪劇、『ストレイ・ドッグ』(原題:Destroyer)。

兎も角、ニコール・キッドマンのスッピンなのか老けメイクなのか、従来の美貌を封印した顔と表情を観るだけでも価値ある一作で、物語の展開はハードボイルドそのものなんで原作があると思ったらオリジナルのストーリーだった。
監督はカリン・クサマ、日系二世の女性映画監督で、我が国でも既にいくつかの公開作品があるが未見。

17年前に犯罪組織に潜入捜査して失敗した出来事がトラウマとなり、同僚や夫、16歳の娘からも疎まれる人生を送っている酒浸りの中年女性刑事の元に差出人不明の封筒が届く。これが17年前の事件で行方をくらました事件の主犯からの挑戦状だった。
ここら辺りの設定とか、ラスト近くの雪山の親と娘のシーンとか、説明不足で判りずらい。

最後の最後まで、話の繋がりを明確にせず、冒頭と繋がるエンディングで意外感を演出したかったらしいが、驚く程のドンデン返しにはなっていない。

本作の脚本及び構成が、現在と過去を行き来するようになっていて、判り難くはないが、行き来しすぎの感があり、もう少し巧く纏めてくれたら、かなりお勧めのフィルム・ノワールになっていたと思える点が残念。

『ストレイ・ドッグ』日本語オフィシャルサイト

日本公開予定作品『スプリー』『グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告』『ビーチ・バム まじめに不真面目』

2021年04月19日 11:32

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『スプリー』(原題:Spree)  4月23日(金)新宿シネマカリテ他。
監督も主演俳優陣も知名度の低いスタッフとキャストによるSNSの恐怖と不条理を描いたスリラー。
フォロワーを増やしたい一心の男がSNSをバズらせて人生の一発逆転を狙うために、乗客を手にかけ、その様子をライブストリーミング配信するというアイデアを思いつく、ところが反応は散々で、く盛り上がる気配がない。思惑がはずれた男の怒りの矛先は乗客にとどまらず、拡散させないインフルエンサーにまで向けられていく。
『スプリー』日本語オフィシャルサイト

『グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告』(原題:The War with Grandpa)  4月23日(金)TOHOシネマズシャンテ他。
ロバート・デ・ニーロ主演のコメディ、妻を亡くした老人が家族と一緒に暮らすために引っ越すことになるが、孫は、始めはおじいちゃんと暮らせることを喜んでいたものの、自分は部屋を明け渡し、屋根裏部屋で暮らすことを知り激怒。孫は祖父を追い出すために宣戦布告。共演にユマ・サーマン、ロブ・リグル、クリストファー・ウォーケン等。
『グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告』日本語オフィシャルサイト

『ビーチ・バム まじめに不真面目』(原題:The Beach Bum)  4月30日(金)キノシネマ立川髙島屋S.C.館他。
「ダラス・バイヤーズクラブ」のマシュー・マコノヒーが放蕩の詩人を演じた人間ドラマ、監督は「GUMMO ガンモ」「スプリング・ブレイカーズ」のハーモニー・コリン。
かつて天才と讃えられた詩人が、今は謎の大富豪である妻の財力に頼り、放蕩生活を送っていたが、ある事件をきっかけに一文無しのホームレスに陥ってしまう。
『ビーチ・バム まじめに不真面目』日本語オフィシャルサイト

DVD『ようこそ映画音響の世界へ』『すばらしき映画音楽たち』

2021年04月15日 19:18

似たような映画の音に関するドキュメント二作品を紹介。

『ようこそ映画音響の世界へ』(原題:Making Waves: The Art of Cinematic Sound)。
映画の音への関わりを、無声映画の時代から現在の映画まで、携わった人々へのインタビューを交えて丁寧に構成したドキュメンタリー。

「トップガン」の航空機の音が実際の飛行機の音だけでなく、動物の声をプラスして構成されているとか、「キングコング」「スターウォーズ」「地獄の黙示録」「プライベートライアン」等の話が面白い。
特に「禁断の惑星」や「宇宙戦争(1953)」には電子音楽が使われていたが、「スターウォーズ」ではジョージ・ルーカスは音響や音声に現実の音を使った、というエピソードが興味深い。

『ようこそ映画音響の世界へ』日本語オフィシャルサイト

『すばらしき映画音楽たち』(原題:Score: A Film Music Documentary)。
上記が映画音響の記録ならば、こちらは映画音楽を主題にしたドキュメンタリー。
多少、上記作品とダブる作品もあるが、両作品とも映画ファンなら絶対お勧めの作品になっている。

登場する作曲家はジョン・ウィリアムス、ハンス・ジマー、クインシー・ジョーンズ、ランディ・ニューマン、エンリオ・モリコーネ等、多人数に渡り、紹介される映画作品は40本近くあり、誰でも聞き覚えがあるメロディが次から次へと登場する。

上記「ようこそ映画音響の世界へ」では歴史的な面の解説があったが、こちらは歴史はホンの少しに止め、現代のハリウッド映画を中心に構成、紹介されている。
両作品とも、映画ファンは勿論、音響や音楽関係のアーティストにとっても観て損の無い作品である事は間違いない。

『すばらしき映画音楽たち』日本語オフィシャルサイト

DVD 『ストックホルム・ケース』 鑑賞/雑感

2021年04月08日 19:31

"ストックホルム症候群"、誘拐や監禁事件で人質が犯人に好意を抱いてしまう「心的外傷後ストレス障害」を表す言葉で、正式な病名では無い。‥その語源となった実際の事件を映画化した作品、『ストックホルム・ケース』(原題:Stockholm)。

監督は以前、本サイトでも取り上げたジャズの代表的トランペット奏者チェット・ベイカーを描いた「ブルーに生まれついて」のロバート・バドローで、主演もイーサン・ホーク。助演にマーク・ストロング、ノオミ・ラパス等が参加している。

この監督、短編映画の制作から出発していて、元々短編作品だった「ブルーに生まれついて」を長編化してデビューしていて、本作が二作目にあたる。一作目同様、実際の出来事を元に映画化している。

映画の進行の仕方は前作と同じように淡々と進行していくが、ややコメディ調の味付けがあったり、ラブシーンが入ったりと、ワンシチュエーションでも飽きさせずにストーリーが展開していくエンターテイメント調に仕上げてある。
まぁ、その分、通常のクライム・スリラーだと思って観賞すると当てが外れるかも知れない。

"ストックホルム症候群"の語源になった事件は知っていたが、1974年の新聞王ハーストの孫娘パトリシア・ハースト事件のような若い娘だと思ったいたが、まさか夫も子供のいる家庭の主婦だったとは初めて知った。
ノオミ・ラパスが従来のキツい雰囲気を抑えて、その役に挑戦しているのが見所。

『ストックホルム・ケース』日本語オフィシャルサイト

日本公開予定作品『21ブリッジ』『アンモナイトの目覚め』『ドリームランド』

2021年04月03日 19:10

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『21ブリッジ』(原題:21 Bridges)  4月9日(金)TOHOシネマズ日比谷他。
製作が「アベンジャーズ」シリーズのルッソ兄弟、監督が「ゲーム・オブ・スローンズ」などテレビドラマを手がけてきたブライアン・カーク、主演が「ブラックパンサー」のチャドウィック・ボーズマンというスタッフとキャストに、シエナ・ミラー、ステファン・ジェームズ、J・K・シモンズが共演するクライムミステリー。
警察官だった父を殺された過去を持つ刑事がマンハッタン島での強盗事件を追うが...
『21ブリッジ 』日本語オフィシャルサイト

『アンモナイトの目覚め』(原題:Ammonite)  4月9日(金)TOHOシネマズシャンテ他。
ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンが共演する19世紀イギリスを舞台にしたヒューマン・ドラマ。脚本と監督は「ゴッズ・オウン・カントリー」のフランシス・リー。
かって発見した化石が大英博物館に展示される事もあったが、今は土産のアンモナイトを発掘して生計をたてている女性の古生物学者と、療養の為、彼女に預けられた女性は正反対の性格だった。
『アンモナイトの目覚め』日本語オフィシャルサイト

『ドリームランド』(原題:Dreamland)  4月9日(金)新宿武蔵野館他。
ハーレイ・クイン役で世界を魅了したマーゴット・ロビーが脚本に惚れ込んで自ら、制作と主演を兼ねて映画化。 銀行強盗犯で指名手配犯でもある女性と、17歳の少年との儚く鮮烈な恋を描いたラブストーリー
少年が大怪我を負った女性が納屋にいるのを発見し、強盗犯だと知りながら彼女を匿い行動を共にすることを決意するが..。
『ドリームランド』日本語オフィシャルサイト

DVD 『アダムス・ファミリー』 鑑賞/雑感

2021年03月27日 19:15

今回、取り上げるのは『アダムス・ファミリー』(原題:The Addams Family)だが、その前に先ず、原作者のチャールズ・アダムスについて触れておく。
かなり昔の記事になるが、本サイト内の"昨年発売された書籍『アダムス・ファミリー全集』"を参照頂きたい。

ここに書いてあるが、この頃ティム・バートンがこのアニメ化のディレクターにオファーされていたらしいという情報があったが、残念ながら実現はしなかった。
その代わりに、ファミリーの長女ウェンズデーを主役にした作品をバートンがNetflixで撮るというニュースが最近入ってきたが、昔のバートンなら、いざ知らず、今の彼では期待薄。

当方は原作のカートゥーンのファンなので、実写化された『アダムス・ファミリー』には何の思い入れも無いが、今回のCGアニメ化では少しは原作に近いモノが出来上がるかと期待していたのだが、残念ながら、毒気を抜いたお子様向けアニメであった。

これでは1960年代に、ハンナ・バーバラがTVアニメ化した作品の方が原作に近い(YouTube で"Hanna-Barbera The Addam's Family"で検索すれば一部が今でも観られる)。

ちなみにチャールズ・アダムスのカートゥーンは、アダムス・ファミリーもの以外にもシュールで楽しめる作品があるので、こちらも"Charles Addams"で検索されたし。

『アダムス・ファミリー』日本語オフィシャルサイト

DVD 『バクラウ 地図から消された村』 鑑賞/雑感

2021年03月18日 19:36

インターネットの地図上から消され、そのネットも繋がらなくなり、上空にUFOと覚しき飛行物体が現れる。ブラジル片田舎の村バクラウで起こる不可解な出来事って、SF映画かよと思ったら、然にあらず。『バクラウ 地図から消された村』(原題:Bacurau)。

ポスターには円盤が浮かんでいるし、(当方も含め)大概の人がSF作品と思ったら、なんと一種のジェノサイドものでした。
まぁ、早い段階で円盤状の物体が実はドローンだとバラされるんだが、それにしても前半の展開は何を描こうとしているのか設定が判らず、テンポが微妙で、ひたすら退屈。

後半、この展開に変化が起きて、怪しげで危ない雰囲気の白人の集団が登場、バイオレンス描写のつるべ打ちになるとようやく話は面白くなる。
素っ裸の爺いとババァが銃器をぶっ放すわ、その殺戮シーンは超グロいわ、やりたい放題。

「ミッドサマー」的狂気を内蔵した村人による「七人の侍」的展開で、おまけに途中からかかるのが、ジョン・カーペンターの音楽。
監督が「アクエリアス」のブラジルの俊英クレベール・メンドンサ・フィリオ。キャストに「蜘蛛女のキス」のソニア・ブラガ、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「ニンフォマニアック」のウド・キア、と好きな御仁には楽しめる内容ながら、説明不足な展開に終始し、B級感横溢な一編で、可成り観るひとを選ぶ作品ではある。

『バクラウ 地図から消された村』日本語オフィシャルサイト


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